サクラサク
今回は初恋っぽい状況で、「咲き始める前の桜」をイメージして書いてみました。
頑張れ、もう少しで咲くよ
蕾が少しばかり開いて、明日にも咲きそうな桜
君が思わずもらした声に微笑んだ
そうだね、応援したいね
この桜、未熟だね
でも、その未熟さが君と私の関係を連想させるんだ
蕾、蕾、たくさんある
どれもまだ咲いていないけど、満開になればきっと美しくなる
微笑ましい桜、頑張れ
実は満開の桜より、蕾のほうが好き……
そんな私が、
花びらが散るのを見たくない……
こんな感情を持つ君と、いつの間にか打ち解けていた
いつ染み付いたクセだろう、桜を見ると見上げてしまうんだ
溜息が出るのも同じ原理
桜サクラ、咲く前の蕾が大好き
儚く実るその蕾は、人の心にどんな感情を生むのだろう
咲きかけた桜はつまらない
そんなこと、思った人はいるのだろうか
まるで人を近くから見守るような、小ささとあたたかさ
なんでだろうね、鮮やかなピンク色より、淡い朱色が綺麗
それは、体温と同じようなぬくもりに映えるからかな
蕾は可愛い、花は綺麗
決めたのは、誰だろう?
花は綺麗、蕾は優しい
これじゃあダメなのかな?
人肌以上のぬくもりを持っていて、それ以上に感動を与えるもの――
私にも分からない
ただ私は君といるのが大好きで
そのぬくもりが優しくて、心惹かれているんだ
その暖かさに、存在の重大さに魅せられているの
サクラ咲け、ツボミ実れ
その存在の大きさに支えられて、優しさに包まれて
その花を咲かす、大きな自信となったんだ
未熟だけど、決して足りないわけではなくて
その幸せの大きさに、その暖かさ、ぬくもりに、私は揺られていた
君が、大好きだった。
この詩については、発案のきっかけは色々ありますが……。たぶん、一番のきっかけは実際に咲く前の小さな蕾を見てきたこと。自然はいいですねぇ。
あと、私の文章についてなのですが、この詩はすべて最初から最後まで、びっしりすべての文字を読んでいただかなくても、最初と最後と中間、それぞれを大まかに読んで頂いて、それでその読者様自身の「感情」を生み出して頂けると嬉しいです。
話は長くなりますが、私が書く「詩」は基本的にストーリーがないので、一つ一つの情景や言葉で、それに対する人それぞれの気持ちや想いを生み出し、「創造」が生まれたとき、その瞬間初めてこの詩は読者様の心で「記憶」や「文章」として成り立つ、と考えて執筆しております。
ですので、堅く正しく捉えていただく、というより、この文章を元に想像や感情を広げていって頂きたいな、と思っております。長々と失礼いたしました。