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第7話 花魁・朝霧ママの人生相談「親友と仲直りしたい」

 どうも、皆様こんばんは、今宵こよいもいかがお過ごしでありんしょか? あちきは朝霧あさぎり花魁おいらんの生まれ変わりでありんす。ここに来る途中、タクシーの中で見たお月様は、まあるいまあるい満月でありんした。 三日月も好きなのでありんすが、まんまるの満月と言うのもまた、風流なもんでありんすよねえ。袈裟代はどうでありんすか?


 私ですか? 私は、まんまるのお月様より、まんまるのお団子が大好きで~す! 私って、いろんな人に幸せパワーを授けてるじゃないですか? だから、すっごくお腹が空くんですよ。今日だって、仕事がうまくいかなくて落ち込んでたお客さんに、「元気が出る巫女ちゃんビーム」ってやってあげたんです。そしたらもう、「元気が出た出た~!」って言って、喜んでました。


 そうかえ、そうかえ、袈裟代も、人様のお役に立っているんでありんすなあ。じゃあ、これ、さっきスタッフさんから頂いた、ホカホカのお芋でありんすよ。お食べなんし。


 わ~い! 嬉し~い! いっただきま~す! もぐもぐ……。うん、これすっごく美味しい~、スタッフさん、ありがとう~! 


 それでは今夜も、皆様から頂いたお便りを読ませていただく事にいたんしんしょう。


 朝霧ママ、巫女ちゃん、こんばんは。私の悩みを聞いてください。実は、ちょっとした事で親友と喧嘩しちゃって、それ以来お互いに連絡していないんです。二人とも意地っ張りだから、なかなか仲直りが難しいんですけど、どうしたら良いでしょうか?


 喧嘩でありんすか、なるほど……。何が原因だったんでありんすかねえ? どちらかに原因がある事がはっきりしているのなら、悪い事をした方が謝れば良いのでありんすが、本人が悪かったと自覚していない場合もよくある事でありんすからねえ。袈裟代はどう思うでありんすか?


 そうですねえ、もぐもぐ……。とりあえず、こっちから謝ったら良いと思いますよ、もぐもぐ……。「負けるが勝ち」って言うじゃないですか? もぐもぐ……。 私ね、前に、萩本欽一さんがおっしゃってたって言う話を聞いたんですけど、もぐもぐ……。


 け、袈裟代、おんし、話すか食べるかどっちかにしなんし。


 あっ、すいません、もぐもぐ……。今、終わりますから、もぐもぐ、ごっくん……はあ~! さて、何の話でしたっけ?


 萩本欽一さんのお話……。


 そうそう、欽ちゃんが言うには「負けたほうが運がたまる」そうなんです。自分の方が正しいと思っていると、言い負かしたくなりすよね? でも、そうすると負けちゃうそうなんですよ。勝とうとすると、自分の運が減ってしまうそうなんです。


 ひどい言葉を使った分だけ、運が減っちゃって、これがなかなか取り戻せないらしいんです。だから、自分が正しいかどうかより、運が減るか減らないかを考えなさいって。相手がひどい言葉を言ってきたら、「あなた、運を減らしちゃったね。私がその分頂いちゃうよ」って思うんですって。


 気持ちで損するより、運が貯まった方が良いじゃないですか? そしたらいつか、宝くじが当たるかも知れないよって。この考え、すごいと思いません?


 ふんふん、なるほど。袈裟代、おんしは物知りでありんすねえ。おんしの言う通りでありんすよ。人生は、良い事と悪い事が半分半分だって、誰か言っておりんした。持って生まれた良い事を減らすより、運を貯めて増やしていった方が、利口な生き方でありんすよねえ。


 そうでありんす……。あちきもねえ、もっと利口な生き方をしていたら、こんなに苦労はしなかったでありんしょうなあ……。もっと、早く、知りたかったでありんすねえ……。


 (目頭を熱くする朝霧を見て、袈裟代は感極まって)あ、朝霧姉さん~、うわ~~ん!


 まあ、袈裟代の言う通り、まずはおんしが頭を垂れるのが良いと思うでありんすよ。そうして、運をたくさん貯めて幸せになっておくんなんし。


 それでは皆さん、今日はここまでといたしんしょう。ごきげんよう。


 バイバ~イ! みんな、運を貯めまくってね、まったね~!

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