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第2話 花魁・朝霧ママの人生相談「二人から告白された女の子(巫女ちゃん登場!)」

 どうも、皆様、こんばんは! 今週も、お元気でありんしたか? あちきは朝霧あさぎり花魁おいらんの生まれ変わりでありんす。今日も、皆様からのお便りを紹介させてもらいんすえ。


 その前に、今日からあちきに、アシスタントって子がつくそうなんでありんすが、まだ来てないようでありんすねえ。なんでもその子は、あげまん巫女みこちゃんって呼ばれているそうでありんすよ。今、若い人たちの間で人気があるそうでありんすが、あちきに言わせれば、いくら人気があっても遅刻はいけんせん。


 あちきが遊女になりたての頃は、そりゃあもう、厳しくしつけられたもんでありんす。そのお陰で、花魁にまでならせていただいたわけでありんすが……。


 すいまっせ~ん! 遅くなりました~。あげまん巫女ちゃんっで~す!


 (ちょっと引いた感じで)……おんしが……あちきの……アシスタントかえ? 


 あっ、初めまして! 今日からよろしくお願いします! えっ? ……あの……どこかでお会いした事、ありませんでした? ……あ~! もしかして、朝霧姉さんじゃありません?


 ……えっ? 朝霧姉さんって……おんし、もしかして……袈裟代けさよ


 じゃあ、やっぱり、朝霧姉さんですか? いや~、懐かしいですねえ。しかも、ほんっと、相変わらずお綺麗だわ~。吉原よしわら史上最高の花魁と言われただけの事はありますねえ。


 ……そうなのかえ、袈裟代もこの時代に生まれ変わっていたんでありんすねえ。こうしてまた、巡り合えるなんて、えにしって言うのは本当に、不思議なもんでありんすなあ。まあ、昔話は後でゆっくりとする事にして、袈裟代、おんしも早く、席につきなんし。


 は~い! わっかりました~! しっつれいしま~す!


 (袈裟代のハイテンションに戸惑いながら)……おんしは、いつも、そんな感じなのかえ?


 あっ、すいません! この時代に生まれこう変わったら、こういうキャラになってしまいました~! アハハハ!


 まあ、それはそれで、良しといたしましょう。それでは早速、お便りを紹介させてもらいんす。二十四歳の娘さんからのお便りでありんす。


 私は、あるメーカーで営業をしているのですが、最近、二人の男性から同時に告白されました。二人とも同期の男の子で、一人は、イケメンだけどいろいろとルーズ。借金がありそうだし、浮気もしそうな感じです。


 もう一人は、イケメンじゃないけど、真面目でしっかりしていて、貯金してそうだし、たぶん、浮気もしないんじゃないかと思います。朝霧ママは、どっちが良いと思いますか?


 ふんふん、なるほど。男前だけどだらしない男と、男前じゃないけどしっかりとした男でありんすね。袈裟代なら、どちらを選ぶでありんすか?


 そうですね~、私なら、お金にだらしないけどイケメンを選びますね。お金は私がたっくさん稼ぎますから、別に働いてもらわなくても良いですよ。お小遣いだってたっくさんあげますから。


 ふ~ん、そうかえ、遊女の頃はあんなに苦労したけど、この世に生まれ変わって、おんしは良い暮らしが出来るようになったんでありんすねえ。


 はい! 朝霧姉さんにはいつも、お小遣いをいただきました。ありがとうございました。良くしていただいた御恩は今も忘れておりんせん。


 そうかえ、そうかえ、その心意気、大事でありんすよ。この娘さんも、袈裟代を見習ってほしいでありんすねえ。男に頼って生きようなんて考えないで、おのれの力で生きていく、強い心根こころねを持ってほしいでありんす。でも、浮気男はいけんせん。そんな男と一緒になったら、しなくて良い苦労をするでありんすから。あちきみたいにね……。


 あ、朝霧姉さん……うううっ……(袈裟代は感極まって泣き出す)


 まあ、男前じゃなくても、しっかりした男を選んだほうが無難でありんすよ。幸せになってくんなましね。それでは今日はこの辺で、おいとまいたしんす。ごきげんよう。


 バイバ~イ! まったね~!

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