第1話 花魁・朝霧ママの人生相談「告白したい女の子」
どうも、皆様、こんばんは！ お元気でありんしたか？ あちきは朝霧、花魁の生まれ変わりでありんす。普段は銀座のクラブで、殿方たちのお悩み相談なんぞしておりんすが、今日はこちらの、ラジオ局ってえところにお邪魔しておりんす。それではこれから、皆様のお便りを紹介させてもらいんす。
朝霧ママ、こんばんは！ 私は高校二年生の女の子です。実は今、好きな人がいます。彼は同い年で、クラスは違いますが、同じ陸上部に所属しています。この間、親友の初デートの付き添いで行った時、彼も付き添いで来ていました。
彼は友人のために、一生懸命盛り上げようとして、カラオケも上手でした。今までそんなに話した事はなかったのですが、今回はたくさんお話が出来ました。将来は警察官になりたいそうで、私は看護師を目指していると言って、お互いの夢について語り合いました。
すごく前向きで、何事も一生懸命なところが格好良いと思って、告白しようかどうしようか悩んでいます。どうしたら良いと思いますか？
あらあら、そうでありんすか。おんし（あなた）は、恋をしているのでありんすね。時は変われど、男と女の恋の悩みは、いつの時代も同じでありんすね～。
でもね、あんまり自分を安売りするのは、よしなんし。おんし（あなた）がどんなに相手を好きでも、自分から告白するのはやめなんし。あちきは、そこらの遊女とは違うんだと、そんな誇りを持ってほしいでありんすえ。
そう簡単には、花魁にはなれんせんよ。ただ容姿が綺麗なだけじゃいけんせん。読み書き、特に、文をしたためる事は大切でありんす。気の利いた内容だけでなく、字も綺麗じゃないといけんせん。教養を身に着ける事が、今のおんし（あなた）には大切でありんすなあ。
こっちからではなく、男のほうから告白させなんし。それだけの魅力を身に着けなんしよ。どれほどの大枚をはたいても、おんし（あなた）を自分のものにしたいと思わせるような、そんな魅力を持ってほしいでありんすえ。
あちきもね、若い頃は、そりゃあもう、男が放っておかないほどでありんした。あちきと一晩を共にしたいと言ってくる男が、後を絶たないほどでありんした。でもねえ、あちきを本気にさせる男は、なかなか現れなかったのでありんす。あのお方を除いては……。
まあ、あちきの話はいいのでありんす。おんし（あなた）がたとえ、どんな身の上になったとしても、愛し続けてくれる男に出会うのでありんす。そのためには、自分を磨かないといけんせんよ。頑張ってくんなましね。
それでは、今日はこの辺で、おいとまいたしんす。ごきげんよう。
