死角
前回の続き。
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どうなってる?
さて、国営テレビ局のビデオ編集室。
鳴った電話を取ったのはカメラマン。
「はい、ビデオ編集室」
相手は国内報道部の副部長。
「警察本部が追悼式のビデオを見せてほしいと言ってきた。
私と警察本部の人がすぐそちらに向かう」
警察本部の人は、「現場」を再度見た、若い刑事。
ビデオを再生して、やはり、小枝のしずくが問題にされた。
刑事は、「撮影はこの場所からだけでしたか?」
「そうです。こちらのカメラは1台だけ。ビデオカメラです。
あと、新聞社代表のカメラが別の方向から1台。ビデオカメラではなく、静止画を撮るカメラです」
「そちらのビデオカメラは大統領の左側ですね。新聞社は右側?」
「そうでした」
「大統領が頭の小枝を払い落としてから、右手でハンカチを使っていますね。どこを拭いたのでしょうか?」
「たぶん、顔の右側だと思います。こちらのカメラからは、白いハンカチの端がちょっとだけ写っていますが」
「あの日もそうでしたが、汗をかくほどの陽気ではありませんね。何かのスポーツをしたとか、建設作業などの場合は別として」
「確かに、大統領が汗をかいていたのではないと思います」
「専用のクルマから降りて、献花した墓までは歩いて5分ほど。ふつうに歩けば汗はかかないでしょう」
「ハンカチで拭いたのは、小枝のしずくかも」
「頭から顔の右側に落ちた」
「あのときの新聞社代表に電話しましょうか?」
「お願いします。これからすぐ行きます」
「電話して了解されました」
「ありがとう」
「ちょっとだけよろしいですか?しずくというか、液体の毒物ってありますか?こちらはそのへんに疎いので」
「実は・・いろいろあります。ただし、この件は内密にしてください」
「わかりました」