将来のためになること
怪しい男が公園で子供たちに何かを吹き込んでいた。
「そこのお前、うちの子に変な事を教えるんじゃない」
「とんでもございません、ワタクシは将来のためになる事をお教えしているだけでございます」
「嘘を付くな、お前がろくでもない事はみんな知っているんだ」
「それはまったくの誤解です」
親は怒りながら子供の手を引いて公園から出て行った。
「お帰りの際には、くれぐれも足元にご注意下さいね」
特に何事もなく親子は家まで無事にたどり着いた。
「やはり嘘つきの言うことは当てにならんな」
親はそう言って笑うと、その口に白い塊が落ちてきた。
近くからカラスの鳴く声が聞こえた。
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