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わたしのしあわせ  作者: 橋本春妃
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『愛猫』

『愛猫』


 私のしあわせに欠かすことができない存在。それは愛猫のレオである。

 レオは私が13歳のときに家へやってきた。それから今に至るまでおよそ8年と少し、レオと共に生活を送ってきた。


 家に来た当時、レオは今と比べると本当に小さくて、痩せていて、まだ世界は怖いものでいっぱいという様子であった。例えば、鏡の前を通るとそこに映る自分の姿にびっくりして動けなくなる。そんなことを何度も何度も繰り返していた。そんなレオの様子は、面白くて可愛くて私はレオを観察することが大好きだった。


 月日はあっという間に流れ、私は21歳になった。レオはすっかり家にも慣れ、ずっしりと大きく安心感たっぷりの体つきになり、もう怖いものなど無いといった様子で家の中を駆け回る。もう鏡の前で立ち止まることもないし、猫用のおもちゃを買ってきても大体無視される。

 あんなに怖がりで小さくて、新しいおもちゃに興味津々だったのにね。私が子供から大人へと成長したように、レオもすっかり大人になったんだね。


 私とレオは一緒に子供から大人へと成長した。きっと猫の年齢をきちんと計算すれば、レオはもうおじさん?おじいちゃん?そんな年齢かな。いつの間にか年齢を追い抜かれ、私がレオの成長を見守っていたつもりが、気が付いたらレオに私の成長を見守ってもらっているような気分だ。


 そんなレオは私が泣いていると必ずそばへ来て「ニャー、ニャー」と鳴く。

 私が大声で歌っていると、うるさいとでも言わんばかりに「ニャーーーー」と鳴く。

 ご飯がないときには、深い眠りについている私を起こすほど耳元で大きい声で鳴く。

 

 猫を飼っている人はよく「猫は喋るよ」なんて言うが、あれは本当の話だ。猫は喋る。「ニャー」と鳴くその一声にたくさんの感情を込めてこちらへ伝えようとしてくる。

 もう8年も一緒にいるのだ。レオが私に伝えようとしていることなんてすっかりお見通し。


 家にレオがいる、それだけで私はしあわせだ。だけどその共同生活の中でも私が一番好きな時間がある。それはレオと一緒に眠りにつく時間。

 なんの警戒心も持たずすやすやと眠るレオを眺めながら、こちらまでうとうとしてお昼寝するのも幸福。夜になって私が寝るときに布団の上へやってきて、私の布団を占領せんばかりのどっしり感で身を寄せてくるのも幸福。ごろごろと喉を鳴らし、なんともしあわせそうな顔で私に撫でられるレオを見ていると、これ以上のしあわせなどこの世に存在しないのではないかとも思えてくる。



 レオ、今まで私が君のいろんな姿を見てきたように、君もきっと私のいろんな姿を見てきたのだろう。きっと家族には見せていない私をも君は知っているはずだ。だってずっとそばにいたのだからね。君にはたくさん笑わせてもらったし、君はいつも私の心に癒しをくれるね。私はどうだろう、何か君に与えることができているのだろうか。

 お互い子供だったあの頃、人間と猫なのに君と私はよく喧嘩をしたし、一緒に家の中を走り回ったこともある。楽しかったなぁ。

 でも、互いに大人になったからこその今の関係性も私は大好きなんだ。一緒に穏やかな時間を過ごし、ときには気持ちを共有し合う。

 とにかく、私は君が大好きなんだ。君と過ごす時間が私をしあわせにしてくれるんだよ。

 ありがとう、レオ。これからもよろしくお願いします。



 私の生活にレオは欠かせない。元々猫好きな私だがレオは特別。

 あぁ、こんなことを書いていたらレオの頭を撫でたくなってきたよ。だから今日はここまでにしよう。



 わたしのしあわせ 『愛猫』

 

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