怪しまれました
「え?今なんと……」
「聞こえなかったのか?俺が全額出してやるって言ってんだよ」
信じられない。って顔に出てるな。まぁ当然だな。見ず知らずのやつがいきなり150万出すとか言ったら誰でも不審がる。俺もそうすると思う。
「理由を聞いてもよろしいですか」
「別に理由なんかない。俺がそうしたいからそうするだけだ。金なら問題ない」
「……」
黙っちゃったよ。どうするんだよこれ。あぁくそ。
昔からの悪い癖だ。相手を説得する時に言い方がキツいというか裏がありそうな話し方になっちゃったりとか、絶対相手に怪しまれる。もう諦めたんだけどね。さて、お相手さんはどうでる?
「その……お断りします」
「ほぉ」
「失礼だと思いますがまだあなたという人物を私は知りません」
「つまり信用してないと言いたいのか?」
「……はい」
思った通りの反応だな。逆の反応をされたらどうしてた事か...たぶん黙って帰るな。
さて、どうするかな。優しく語りかけるか?
……いや、それは違うな。いきなり話し方が変わったら余計に信用されない、正直に聞いてみるか。
「どうしたら信用してもらえる?」
「どうしたら、と言われましても……そもそも何故見ず知らずの私なんかに?」
「綺麗な子を助けるのは男として当たり前だろ?」
「ふざけないでください」
「ふざけてないんだけどな……照れてる?」
「照れてません!」
怒らせちゃったかな?あっ、そのほっぺをぷくっとさせるの可愛い。
「真面目に答えてください!」
「強いて言うなら……そう、気まぐれだ」
「気まぐれで150万Gも出すんですか?」
「あぁ。今日はそんなテンションだったんだ」
「テンションって……そうだ。あなたどうしたら信用してもらえるか、って言いましたよね?」
「あぁ」
「ならあなたの生い立ちを聞かせてください」
1番答えにくい質問がきた。