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一難去ってまた一難

「ロータスだ」


ロータスはクールに去るぜ、的な感じでここまで来たけ訳だけども。

めちゃくちゃ恥ずかしい。もうやだ帰りたい。

あっ、帰る家無いんだった。


はははー。と自暴自棄になって笑ってたら通りすがりの木こりの爺さんにめっちゃ不審な目で見られた。

適当に愛想笑いしつつ、そそくさとその場を離れる。


「さてと。暗くなる前に宿でも探しますか」


できればここから遠い所がいい。近くのサリエ村でも良いんだけどあの3人組と鉢合わせになる可能性が高いからなぁ。なんかめんどくさい事になる気がする。


幸い約7年間このゲームをしてたお陰でマップは覚えている。

なるべく静かな所にしよう。そうすると・・・サイエット村かな。走ればなんとか日没には間に合うかな?

えぇっと、サリエ村の南西側だから・・・こっちか。よし、行こう。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

「はぁ、やっと着いた」


思ったより時間がかかったな。

あっ。ジョブが聖騎士のままだった。どうりで走りにくいわけだ。鎧とか剣が邪魔だったしな。


「ジョブチェンジ。バーサーカー」


すぅ、っと鎧が消えていつもの軽装になる。

バーサーカーは高い攻撃力とすばやさを兼ね備えているのが売りだ。わざわざ鎧ですばやさを殺すのは馬鹿のすることだ。


さて、今夜の宿はどこにしようかな。ちょっと口が悪いけど安めのところがいい。個人的に堅苦しいところは嫌いなのだ。


「お。ここにしようかな」


古風な感じのところだ。名前は・・・

《アン・リ・ウアペゼ》


意味は分からないが見た目が気に入ったのでとりあえず入ってみる。


「いらっしゃいませ。お1人ですか?」


・・・すごい美人が接客しとる。


「はい。1泊お願いします」

「わかりました。料金は先払いですがよろしいですか?」


う〜ん、困った。現金がない。ゲームの時は自動で払ってたからなぁ。

まぁ、こういう時は


「カーソル」

===========

所持金 57.445.210G

引き出す 0G

===========

あった。なんだよ引き出すって。


「いくらですか?」


「1泊2.000Gになります」


じゃあ2.000Gを引き出す。っと。

うお!袋が出てきた。これを渡せばいいのか?


「じゃあ、これで」


「少しお待ちください」


そう言ってお金を数え始める。

・・・本当に美人だな。こんな綺麗な子がいるなんて知らなかった。何回かこの村に来たことあるけど初めて目にした。


「お待たせしました。2.000G丁度頂きました。お部屋は階段を上がって右の17号室です。」


「ありがとう」


鍵を受け取り、17号室へ行く。


「あ〜疲れた〜」


肉体的にではなく精神的にだ。

とりあえずベットにダイブ。ふかふかで気持ちがいい。このまま寝てしまいそうだ。


「・・・」


このまま寝て起きたら現実に戻ってる。なんて事になるかも知れない。逆にならないかもしれない。

寝ることが不安になったのはこれが初めてだ。


「外にでるか」


眠れないのでどっかで時間を潰そう。

そう思いドアに手を掛けたその時


「やめてください!まだ期限はあるでしょう!?」


なんだ?

ロビーに向かい上からそっと様子を伺う。


「あぁ?何のことだ?今すぐに金がいるんだよ。全額払ってもらうぜ」


「そんな・・・ちゃんと月の返済額分ははらってますよね!?」


「いちいちうるせぇんだよ!金がないなら今すぐここの土地と建物の権利書を持ってこい!」


「嫌です!ここは父と一緒に作った大事な場所です。ここは渡しません!」


「なんだその反抗的な目は?ムカつくなぁ。そんな奴にはお仕置きが必要だなっ!」


男が拳を振り上げた瞬間、男の方を掴む。


「女に手を出すなんて男としてどうなんだ?」


「あっ?テメーも殴られたいのか?」


「殴りたいのなら殴ればいいさ。ただし後悔するのはお前だぞ?」


ゴッッ。鈍いことが室内に響く。


「ぎ、ぎゃあああ!う、腕がァ!」


いきなり殴ってきたな。まぁこっちは無傷なんだけどね。


「テメェ何しやがった!」


「別に何もしてないぞ?お前が弱すぎるんじゃないか?」


「くっ、覚えてろよ!」


なんかひと時代前の悪者みたいな事言って逃げてったな。


「あ、あの。大丈夫ですか?」


「ん?あぁ。何ともないよ」


「よかった・・・」


「ところであの男は?もう首突っ込んじゃったから俺ももう無関係じゃないんだよね」


「はい。実は借金をしていまして。・・・でも月の返済額はしゃんと払ってます!なのに急に全額返せだなんて・・・月の返済だけでも生活が苦しいのに」


「なるほどねぇ。で?いくらなの?」


「え?」


「だから。借金は全額いくらなのって聞いてるんだよ」


「・・・1.500.000Gです」


「よし。じゃあ俺が全額負担してやる」


「え?」


無意識に言葉が出ていた。

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