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いつつめ 命の邂逅

グロ注意、軟体生物ナメクジが嫌いな方も注意。

「これがっ、清々しい、というっ、気持ちか!!」


 意識ははっきりと、しかも思考もなめらかで、いつになく冴えていると言えるだろう。今なら自身と同じく自我を持った存在――命を創ることもできるはずだ。

 浮かれながら周りを見渡して、ようやく気づいた。


 あれほど鬱陶しかった放電する球が無くなっているのだ。代わりに、美しい球体がふよふよと浮かんでいるではないか。


「うむ?その上で蠢いているものは……何だ?」


 奇妙なことに、数々の『星』の中には数多くの動くものがあって、思わず凝視する。


(もしや……)


 これが、命なのか。




 *




「これほど小さいと、対話も何も無いな」


 次元が違いすぎて、そもそも相手にこちらが対等だと認識されるかどうか、そもそも言葉は通じるのか。


「いや、そもそも会話できるだけの知能があるかもわからんな」


 まずは観察、と


 この世界の知能生物は白い体にヌメヌメとした粘液に覆われ、頭は異様に発達した、軟体質の体。


 自身でも解る、異形の姿。だが、彼ら(?)は間違いなく独自に言語を発し、お互いを分かり合っているように――


『こんにちは』

『いただきます』

 パクッ


(……え)


 同族なのに、


 一方は挨拶して、


 もう一方は相手を食べた。



「はっ、はあああぁぁぁぁ!?!?!?」


 えっ何?なんなの、こいつら!?

 同族は貴重だろう?自身は完全に単一の存在だからともかく、こいつらは何かあれば絶滅しかねないだろうに!?それは命を創るために試行錯誤した自身が一番よくわかっている!!


「ああ、よく見たら全員同族と出会った時の行動がバラバラだ!」


 たまに攻撃する奴がいるのは当たり前、酷いときにはお互い殺し合ったりいきなり体を重ね合ったりと支離滅裂だ。


「訳がわからん」


 しばらく自身は呆然と、あるはずもない頭痛を感じながら見ているのであった。

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