邂逅(ある盗賊のお話。)
さらった犯人視点です。
おれの名前は『唐凜』
よく女っぽい名前、とか、綺麗な名前、とか言われるがそう言ったやつらは口を揃えてこう言う。
「似合ってねえ(ないわ)」
ってな。
そりゃあそうだろう。俺だって似合ってないと思う。なんせ俺の容姿は筋肉隆々、スキンヘッドでむさ苦しいやつだ。おまけに盗賊団を率いている、という設定までついてくる。
そりゃあ皆似合ってねえって言うわ。俺だって言ってるしな。
だけど、そんな俺は結構有能なんだ。
貴族から違法の依頼が来る時も、お前がいい、とご指名される事が多いしな。ありがた迷惑だが。
貴族のやつら、ふざけた連中が多いんだ。てめえら、俺を何だと思ってるってな。
口には出さないが。まあ、そんな風に俺は盗賊団という名の何でも屋をしている。違法専門で。
そして今日も依頼を受けようと思ってるんだ。今日はどんな奴が来るのか。
楽しみでも何でもないな。
おっと、もう取引場所に着いたようだ。ここの建物だな?
中に入ってみるか。…にしても立派な屋敷だな。ちょっとおんぼろだが、直せばまだ使えそうだ。人も寄り付かなそうだし、この物件欲しいな。
まあ、そんな事はいい。まずは依頼だ。
廊下を歩いていく。
にしてもこの屋敷、広いな。
おっと、たしか取引はここの部屋で行われる…んだよな。
入るか。
ドアを開ける。ドアを開け、一番に目がいったもの。それは
椅子に座っているフードで顔を隠した男。
コートを着ている。従者もつけず、一人のようだ。
顔を隠して取引にくる貴族はいっぱいいる。何もおかしくはない。
しかし、その男は何かが『決定的に』おかしかった。
「取引を始めましょうか?」
男性とも女性とも、若いとも老いているともとれる声。
喋り方は丁寧で、体つきはローブで隠れていてよく分からない。
「ああ、早速依頼を聞きたい。」
「そうですね。私の依頼はこの娘を殺して欲しい、ということです。もちろん、この娘は貴族ですし、何より魔力が強い。しかし、そこらへんは私が何とかします。なので、この娘をここに運んできて欲しいのです。」
と言い、俺に魔道具で映像を見せてくる。
「それで、報酬は?」
「そうですねぇ…。こんな感じでどうでしょうか?前払いと後払いに分けてですが…。」
そう言って男は白金貨10枚を取り出す。
ちなみに、半銅貨1円、銅貨10円、半銀貨100円、銀貨1000円、半金貨1万円、金貨10万円、半白金貨100万円、白金貨1000万円の価値がある。
そして、俺の住んでいる国では、これだけの金があったら、遊んで暮らしてもお釣りが来る程度の価値がある。
俺はその話に乗ることに決めた。
今回、頑張って多めにしました。
丁寧な描写がしたいですが、難しいですね…。
この後もう1話投稿するかどうかは分かりません。
この世界は、物価が安いです。
それではまた。




