愛の元で。
まさかこんな風になるとは思ってなかったんだ。
君の事を愛しているからした事なのに、君が変わってしまうとは・・・・。
殺して血まみれになった姿よりはいいと思ったんだ、血で汚れずに今のままの姿で老いることもない。
素晴らしいと思わないか?愛している人が愛していた時のままの姿で、永遠に側に居てくれるなんて。
ただ、想定外だったんだ・・・・。
せっかく君の体が汚れ、老いないように、ホルマリンで毎日清めようと思っていたのに・・・。
跡が分かりにくいように、細く頑丈な紐で絞殺したのに・・・。
苦しいからって、もがくなんて・・・。君の綺麗で美しい顔が歪んじゃったじゃないか。
でも、大丈夫。想定外の結果だったけど、僕が直してあげるよ、綺麗にね。
綺麗に体の皮を剥がして、マネキンに張り付けるんだ。縫っては駄目なんだ、跡が付いちゃう。
そして、君の歯を使った入れ歯もマネキンに付けなきゃね。
目は残念だけど、ガラス玉だよ。
あとはね――・・・。
大丈夫、僕が綺麗にマネキンに移すから。そして、2人で永遠に居よう?!
誰にも気付かれないように、ひっそりと。
もしも、気付かれちゃったら、僕の愛を理解してくれない世間の人々が僕等を離ればなれにしちゃうからね。
そんなの嫌だろ、君も。
君を僕の手で散らせようとしている時に、『まだ一緒に生きてたい・・・』って目に涙を溜めて言ってたろ?!
僕は汚れずに老いない君と『一緒に生きるため』に世間から離れてひっそりと生きていくよ。
僕等の愛の元で――・・・・。