表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

木枯らしが吹く冬なのに肝試しなの?

僕の名前は今川文明いまがわふみあき

今日はクリスマスイブだが、木枯らしが吹きつける古い神社に、二人のクラスメイトとともにいる。


季節外れの肝試しをやるため、ここに来ているのだ。


一人は中学時代からのライバルであり、親友でもある織田伸大おだのぶひろである。

そして、もう一人は出雲愛弓尼いづもあくにという、変わった名前の女の子だ。


昼間は多くの人で賑わう地元の神社だが、夜になると人気がなく、ひんやりとした空気がアクセントになって、不気味なことこの上ない。


なぜ冬に肝試しなの?

普通は夏じゃないの?

もう帰ろうよ。


僕の問いかけに、二人は答えようとしない。


愛弓尼は、鞄の中から取り出した蝋燭に火を灯した。

蝋燭の明かりが、怪しく揺れる。


あなたは何をやってるの?

その蝋燭の方が、この神社より不気味で怖いんだけど。

ホント、もう帰ろ?


愛弓尼は、手頃な大きさの枝を拾い上げると、枝先で、大きな円や不気味な幾何学模様を地面に描き始めた。


それは魔法陣ですか?

ついに、頭がおかしくなりましたか?

ホント、ごめんなさい。

今すぐ、家に帰らせてもらえますか?


伸大に声をかけようとした時、急に体が軽くなった。

そして、体が浮いたようになり、街の光が遠のいていくのがわかった。


徐々に意識が薄れていく中で、一つの記憶と今の想いが交差した。


夏休みになったら肝試しをやろうって、伸大たちと約束してたな。

普通、肝試しは夏にやるよね。

冬の肝試しなんて、アタオカレベルで、ありえんし。


伸大は、煌めく満天の星々を見上げる。


「ちゃんと行けたかな。」


「文明君、オカルト好きだったもんね。」


愛弓尼は、目に涙を浮かべている。


「夏休みになったら肝試しをやろうて...。オカルト本まで用意して、張り切ってたのにな。」


「結局、冬になっちゃったけど、文明君は喜んでると思うよ。」


冷たい木枯らしが、二人を吹きつけている。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ