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神様誕生 ―神承者たちの覚醒―  作者: konatsu


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第2承 第3和 【集結】

各地で手の甲に光を宿した“選ばれし者たち”。

彼らはまだ互いの存在を知らない。

だが、光は確実に導いていた。


東京・総理官邸。

鷹宮澪は静かに指示を出す。

「光の同調を確認した者たちに、秘密裏に連絡を取れ。安全を保障しつつ、次の行動を準備する」                          政府は選ばれし神承者を探し出し、秘密公安部隊より神承者の保護並び集結を始めた。                              富士の樹海へ通じる秘密ルートの先に政府が隠し通してきた存在施設、MIKADO。                                    夜明け前から様々な人間が向かっていた。

それは「選ばれた者たち」が歩む運命の道筋であり、

誰一人として望んだわけではない――

しかし、誰も逃げられなかった。


空は薄紫に染まり、神域の光が遠く震えている。

世界の時が、音もなく方向を変えた瞬間だった。


総理の弟・蒼真


東京都内、総理官邸の奥にある家族専用室。

蒼真は呼び出しに応じ、静かに扉を開けた。


机に向かう姉――鷹宮澪総理は、政治家ではなく“家族の顔”で彼を見た。

「蒼真……あなたにだけは、こんなことをさせたくなかった」


蒼真は苦笑した。

「俺はただのコンビニ店員だよ、姉さん。そんな大げさな役、向いてない」


だが総理は首を振る。

「神承者として選ばれたのは、“私の弟だから”ではない。

あなた自身の力よ。だからこそ、行かせなきゃいけない」


沈黙。

蒼真の手の甲が淡く光り、それが姉の瞳に映る。


「姉さん。俺は……逃げない。

この国を支えるのは、あんた一人じゃないだろ?」


澪は堪えていた涙を、静かにこぼした。

「……帰ってきなさい。生きて」


「もちろん。帰って、またいつものコンビニに立つよ」

蒼真はそう言い、姉の温かい抱擁を受けてから樹海へ向かった。


世界的歌姫・LUNA


東京ドーム。

5万人の観客の前で、LUNAは突然マイクを置いた。


「みんな……ごめん。今日で、私はいったん“歌姫”をやめる」


観客席からざわめきが広がる。

彼女は胸に手を当て、迷いのない表情で続けた。


「戦わなきゃいけないの。

この国を、みんなを守るために。

だって私は……日本の歌姫だから」


そして――


LUNAはマイクなしでアカペラを歌い始める。


「きーみーがーよーはー……」


生声だけなのに、ドーム全体が震えた。

涙があちこちでこぼれ、空気が祈りのように澄んでいく。


歌い終えたとき、観客は総立ちだった。


「LUNA! LUNA! LUNA!!」


その声を背に、LUNAは涙を拭い、深々と一礼した。


「ただいまって、必ず言うから」


そしてステージを去り、樹海へ向かった。


アメリカ金メダリスト・ジェイデン


米国CIA本部。

ジェイデンは大統領からの直々の書状を受け取っていた。


「ジェイデン・アラキ。

君は世界の希望となり得る。

行け。日本へ。母の祖国を守れ」


その言葉は、名誉であり、重すぎる責任でもあった。

ヘリに乗り込む直前、彼はスマホ越しに母と話した。


『ジェイデン。無理はしないで……あなたは私の宝なのよ』


「Mom… I’ll come home. I promise.

But first, I have to protect your country. My country too.」


母は泣き声で囁いた。

『あなたのおじいちゃんは、神様を信じる人だった。

だから……あなたは大丈夫』


ジェイデンは胸に手を当て、そっと祈った。そして――


氷のように冷たい風を切り裂き、ヘリは富士へ向かった。


シングルマザー・美桜と五歳の娘・未望


住宅街の小さな家。

美桜は荷物も作らず、娘を抱きしめて首を横に振った。


「行かない。未望を置いてなんて行けない。

世界が滅ぶなら……未望と一緒にいてあげたい」


未望は泣きながら問う。

「ママ……ママは神様なの?」


美桜は震える声で返す。

「わからない。……でも、選ばれたの」


手の甲の光を見せると、未望は涙で濡れた頬のまま笑った。


「神様はみんなを助けるんだよ?

ママいつもそう言ってた」


美桜の表情が痛みにゆがむ。

「……神様なんていない。

いたら……あなたのパパは死ななかった」


夫・昭は、3年前の事故で他界していた。


その瞬間だった。


「行ってきなさい。愛する未望は、僕が守る」


――懐かしい声。

美桜は振り返り、息を止めた。


そこに立っていたのは、亡くなった夫・昭。

穏やかな笑みを浮かべ、未望をそっと抱きしめている。


「あなた……」


昭は頷き、言う。

「大丈夫。僕たちの娘だ。強いよ」


未望は泣き笑いで叫んだ。


「ママ、頑張って。

未望のためにも戦って。

約束だよ! 絶対に帰ってきて……

そして言って。

“世界で一番愛してる”って!」


美桜は涙をぬぐい、覚悟を決めた。


「……約束する。必ず帰る。

世界中の敵を倒して……必ず」


彼女の手の甲が強く輝いた。

それは“母としての強さ”そのものだった。

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