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神様誕生 ―神承者たちの覚醒―  作者: konatsu


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第6承 第10和【不撓不屈なり】

重厚な地下指令室。

巨大モニターに映し出されるのは、日本各地、同時進行する“八岐討伐戦”。


赤い警告灯。

神通力の数値。

心拍、霊圧、存在安定率。


沈黙が支配していた。


その沈黙を破ったのは――

機械的な音声だった。


《暗黒の首――討伐、確認》


一瞬、時が止まる。


「……討伐……?」


誰かが、かすれた声を漏らす。


次の瞬間、

指令室が爆発したように沸き返った。


「海里が……!!」

「生きてる、やり切ったんだ!!」


拍手。

歓声。

涙。


だがそれは、まだ序章だった。


《氷の首――討伐、確認》


信長。


氷雪の戦場で、

戦国の魂を背負い、

神を斬った男。


「信長が……」

「やっぱり、やりやがった……」


誰かが嗚咽する。


《毒の首――討伐、確認》


バニー。


毒に侵され、

過去と向き合い、

それでも立ち上がった。


「毒の首……討った……」

「バニー……生きてる……!」


《雷の首――討伐、確認》


麗香。


雷を恐れず、

雷を憎まず、

雷と“語った”信承者。


その報告が届いた瞬間――


皇后陛下が、

その場に崩れ落ちた。


「……あ……ぁ……」


言葉にならない声。


天皇陛下が、

震える手で、

そっと皇后陛下を抱き支える。


「……よく……よく、やった……」


国家の頂点に立つ二人が、

今はただ――

一人の人間として、泣いていた。


神の代償


歓喜の裏で、

モニターの数値は、冷酷だった。


神承力――

信承力――

存在安定率。


すべてが、危険域。


《海里、信長、バニー、麗香》

《神承力・信承力:大幅減退》

《体力残存率:50%以下》


「……通常なら、全員重症です」

オペレーターの声が震える。


「神の御力で、存在を保っているだけ……」


富嶽零式が、冷静に告げる。


《このまま戦闘継続は、極めて危険》

《強制休止・回復プロトコルを――》


指が、

遠隔停止スウィッチへ伸びた。


その瞬間。


「触るな。」


低く、

だが確かに――

魂を震わせる声。


指令室の空気が、凍りついた。


「……今のは……」


天皇陛下の声が、震える。


「……鷹宮……総理……?」


ゆっくりと、

血の滴る影が、指令室へ入ってくる。


落木を杖に、

身体を支えながら。


血を吐き、

それでも、立っている。


鷹宮 澪。


「……遅くなりました」


誰も、言葉を失っていた。


【MIKADO】爆発――

死亡確定とされた存在。


だが、彼女は、ここにいる。


「何者かに……手を引かれてね」

鷹宮は、苦笑する。


「重傷だけど……死んでない」


その目は、

すでに“人”のものではなかった。


「樹海で目を覚ました」

「上空で、みんなが闘ってるのが見えた」


声が、かすれる。


「……泣いたよ」


「姉さん……?」


最初に声を上げたのは、

蒼真だった。


「本当に……姉さんなのか……?」


鷹宮は、蒼真を真っ直ぐに見た。


「蒼真」

「お前は……馬鹿か」


微笑みと、叱責。


「ここに立っているのは、

 お前の姉じゃない」


背筋を伸ばす。


「総司令官」

「内閣総理大臣」

「鷹宮 澪だ」


その瞬間。


神承者。

信承者。

スタッフ。


全員が、泣いた。



鷹宮は、スウィッチを見る。


「そんなものに、意味はない」


静かだが、断言だった。


「彼らは神だ」

「現代科学で止められる存在じゃない」


「それ以上に――」


声に、力が宿る。


「彼ら自身の“意志”を、

 誰にも止める権利はない」


そして、通信を全回線に繋ぐ。


全神承者・信承者へ


「みんな、聞こえるか」


戦場の空に、

指令室の声が響く。


「すごいよ、本当に」


「総てをかけて」

「未来と平和のために、闘っている」


深く、頭を下げる。


「ありがとう」

「一人の人間として、御礼を言わせてください」


顔を上げる。


その瞳は、

“死”を越えた者の光。


「私も――」


「どうやら、神だ」

「……死神だけどな」


微笑む。


「もう一度、一緒に闘う」



モニターに映る、残る首。


土。

風。

炎。

そして――白。


鷹宮は、言い切った。


「これからが、本当の地獄だ」


「だが――」


「私たちは、もう一人じゃない」


指令室の天井が、震える。


「大蛇よ、人類をなめるなよ」

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