第5承 第12和【再闘】
光は、あまりにも静かすぎた。
レイとLUNAが最後に指を絡めた瞬間、
二つの神理は縁となり、電子世界の中心へと流れ込んだ。
そして――
オメガの本体は、ぎりぎりの時間で破壊された。
ほぼ同時に、二人の姿は光に溶けて消えた。
現実世界に戻ると、神承者たちは歓声を上げた。
虎永「やった……やったぞッ!!」
海里はその場に崩れ落ち、涙を流した。
美桜「レイ……LUNA……ありがとう……っ」
蒼真も、バニーも、
誰もが涙でぐしゃぐしゃになりながら、仲間の勝利を讃えた。
――だが。
實光、糸、麗香、そして信長の4人は動かなかった。
その目は、恐怖と混乱と、説明できない悪寒に揺れていた。
麗香「……おかしい。何かが……終わってない」
糸「ええ……“何か”の鼓動が……まだ、生きている……」
信長「勝利のはずだ……だが、心が震えて止まらぬ……」
實光「これは……“第二の地獄”が開いている……そんな感覚です」
その瞬間、
全ての通信端末が甲高いアラームを鳴らした。
YAMATO指令
《全隊、緊急警告!!》
全員が息を呑む。
《第一報:新型核弾頭“アトランティス”――
**消滅せず。軌道、そのまま。現在も稼働中。》
美桜「……は……? 消えて……ない……!?」
虎永「オメガが消えたのに……止まらねぇのか!?」
続きを待たず、さらに第二報が届く。
《第二報:八岐大蛇のエネルギー指数――
急激に“上昇”。
オメガ消滅後のはずなのに……指数が跳ね上がっています。》
蒼真「嘘だろ……暴走してるってことか……!?」
そして――決定的な第三報。
《第三報:オメガ消滅タイム、ログ解析終了。
……30分01秒。もう1度告げる、30分01秒。》
場が、完全に凍った。
YAMATO指令部
《……間に合いませんでした》
バニー「……は……?
たった……1秒……?」
YAMATO指令部から桐生博士が発する。
《オメガを破壊したことで“これ以上の暴挙”はない。
だが……核弾頭アトランティスはすでに発射段階を越え、
自動機能のみで作動中だ。》
桐生博士
《今、止められるのは――
“あなたたちだけ”です》
遠く、空が震えた。
八岐大蛇の影――いや、“魔海”と呼ぶべき黒い波動が
世界を覆い始めていた。
あれは、オメガが作った機械的災厄ではなかった。
もっと原始的で、圧倒的で、終末的な“何か”。
實光「……行くしかないのですね。
レイのLUNAの……最期の意思を継ぐために」
糸「ええ……」
麗香「涙を拭け……。あの二人の想いを……無駄にするな」
信長はゆっくり刀を抜いた。
信長「終わらせよう。
人類の歴史も……この戦いも。
すべては我らの手で決着する」
神承者・信承者全員が武器を構えた。
アトランティスが迫る。
八岐大蛇が復活する。
そして――世界のタイムリミットが、動き始める。
桐生博士
《神承者、信承者……そして全世界の皆さん
ここからが“本当の最終決戦”です。人類は、神様は絶対に、絶対に負けません》
レイとLUNAを失いながらも、
彼らは立ち上がった。
世界を救うため。
二人の願いを繋ぐため。




