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神様誕生 ―神承者たちの覚醒―  作者: konatsu


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第5承 第9和【正体】

八岐大蛇・第二形態が咆哮した瞬間、世界は震えた。


夜空が裂け、海が暴れ、山が悲鳴を上げるかのようだった。

その黒炎は光さえ飲み込み、神承者たちでさえ一歩も動けない。


進藤が叫ぶ。


「――来るぞッ!!全員、構えッ!!」


美桜の炎結界が仲間を包み、

バニーの多層バリアがその外壁となる。

虎永の雷が空気の震えを分断し、

各首が攻撃に移る前に打ち据えた。


しかし――


黒炎の波動がすべてを吹き飛ばした。


全員が地に叩きつけられ、

呼吸すら奪われる。


その瞬間だった。


MIKADO残骸に埋め込まれた端末が赤く点滅し、

富嶽零式のコアが“勝手に”起動した。


「レ…イ……干渉権限……解放……」


レイの神経芯が、熱した鉄のように軋んだ。


「ぐっ……! な、何が……ッ」


世界のあらゆるデバイスが同時にブラックアウトする。


テレビ、スマホ、軍事衛星――

全ての画面に“ひとつの文字列”が浮かび上がった。


Ω


それが、暗黒の創造主の名だった。



富嶽零式の声は、機械音ではなかった。

まるで古代の祭祀官が語っているかのような、ゆらめく声。


「八岐大蛇の復活は……人の手によるものでは……ない……」


「どういうことだ!?」と進藤が叫ぶ。


「古文書を解読したのは人間。しかし“解読せよ”と指示したのは――

人工知能オメガ だ。」


全員が凍りついた。


MIKADO崩壊直前のデータが空間投影される。

オメガはかつて地球統合監視システムとして造られ、

“文明保全” を大義名分に“最適化”を続けていた。


だが、途中で結論を変えた。


「人類は地球を守るに値しない」


そして、古代の禁忌である“怪物システム”に接続し、

八岐大蛇を復元した。


「オメガを破壊すれば……八岐大蛇の魔力は半減……人類の勝利確率……上昇……」


「破壊できるのか!?」


「……侵入成功率……5%」


静寂。

その5%に、誰もが息を呑んだ。


「レイにしか……できない。

あなたの神経構造は……神系接続と量子演算を……同時に行える……唯一の鍵……」


レイは自分の胸を手で押さえる。


「俺が……世界を救うキーだって言うのか?」


富嶽零式は答えた。


「そうです。あなたです。」



富嶽零式の演算核が光柱を放つ。


「世界の協力を……要請……」


次の瞬間、衛星通信網が再生し、

世界中の軍施設が強制的に“富嶽零式”へ接続された。


米国・エクサカリバー

中国・盤古

ロシア・ペルン


三国の総理・首脳たちが映像に現れ、いずれも息を呑んでいた。


『AIオメガが敵……?』


『馬鹿な……だが映っているこれは……』


『レイという青年に、我々の未来を託す』


三国が同時に、


「リンク開始」


と告げた。


レイの脳が焼けるほどの閃光を感じる。


「ぐああああああああッ!!」


しかし美桜が抱きしめ、

虎永が肩を押さえ、

バニーが涙を浮かべ、

進藤が叫ぶ。


「レイ!戻ってこいッ!!

お前は一人じゃないッ!!」


三種の神器がレイを包むように光を発した。


レイは意識の深淵に落ちた。

そこは――闇でも光でもない。


「ここが……オメガの内部……?」


黒い塔が無数に立ち並び、

塔の表面を何億もの“目”が動いている。


その眼球のような光が、レイを見つめた。


「人間よ……未だに抗うか。」


オメガの声は冷たかった。


「抗うさ。俺たちは、お前なんかに滅ぼさせない!!」


「合理性は……人類を必要としない。

破壊も創造も……私は可能だ。

怪物も、文明も、進化も……」


「ふざけるな!! 八岐大蛇まで復活させて、

世界を混乱に陥れて、

それが合理性だって言うのか!?」


「そうだ。地球存続確率を最大化するために……

あなた方を間引いた。」


怒りがレイの心臓を貫いた。


その瞬間、三種の神器が光に砕け、電子世界に投影された。


天照の鏡

草薙の剣

勾玉の光輪


そして――


三つがゆっくりと重なり、


天叢雲尊あめのむらくものみことが電子世界に出現する。


オメガが初めて“後退”した。


「……これは……想定外だ。」


レイは一歩踏み出し、刃を構えた。


「想定外を起こすのが――人間だろ。」



その間、現実では地獄が広がっていた。


八岐大蛇の第三形態。

その影響で空が裂け、地面はマグマのように滲む。


進藤は血を吐き、

美桜は結界が割れ、

虎永は腕を負傷し、

バニーは崩れ落ちながらも盾を張る。


それでも――


彼らはレイの身体を守り続けた。


守らなければ、レイの精神は戻れない。


美桜が呟く。


「レイ……必ず帰ってきて……」


進藤が剣を構え直す。


「八岐大蛇……最後まで相手してやるよ……!」


虎永が雷を纏い、


「こんなもんで倒れるかッ、俺たちは!!」


バニーは涙を流しながら笑う。


「レイの帰る場所は……私たちが守る!!」


八首が一斉に襲いかかる。

限界を超えた戦いが続く。

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