第5承 第4和【信承者】
新司令基地【YAMATO】は、
爆音で揺れながらも、奇跡的に機能していた。
天皇・皇后を中心に、
糸、桐生博士、そして生き残ったわずか数名のMIKADOスタッフ。
その中央モニターには――
日本を、地球を、未来を守るため、
全世界の首脳・科学者・宗教家・霊能者たちが一堂に接続していた。
国境も宗教も価値観も、
今だけは完全に消えていた。
「人類がひとつになった……」
糸が震える声で呟く。
「日本を守れなければ、地球は終わる」
フランス大統領が言う。
「神話ではない……事実です。私たちも戦います」
アメリカの軍事科学局長も言う。
全面協力。
全世界の富も、技術も、叡智も、【YAMATO】に流れ込んでいた。
そんな中――
警報が鳴った。
《未登録の神気反応――三つ》
糸:「……え? 神承者じゃない……これは……?」
桐生博士:「いえ……これは“似て非なるもの”。
まるで……“対”を成すような……」
光が爆ぜる。
三つの影が、司令室中央に歩み出てきた。
◆ 三つの影 ―― 信承者、覚醒
司令室の空気が重く沈む。
彼らは神承者たちのように左手ではない。
右手の甲に、奇妙な金色の紋章が浮かんでいた。
その文字は――
『信承』
桐生博士が息をのむ。
「まさか……
“神”ではなく“人の信を受け継ぐ者”……?」
彼らは神に選ばれた存在ではない。
人の歴史・魂・理想を受け継ぎ、未来へ繋ぐ“人類の守護者”。
それは神承者とは異なる、
人類史の中でごく稀に現れる“英雄の継承者”だった。
◆ 1人目:
**陰陽師 ―― 安倍晴明の末裔
近藤 實光**
静かな僧衣姿で現れた彼は、
まるで千年の時を歩いて来たかのように落ち着いていた。
右手の紋章が揺らめき、式神の影が彼の背で蠢く。
「――天が沈み、地が裂けるならば。
人が立たねばならぬ。」
柔らかく微笑むが、
その瞳は鋭い光で燃えていた。
◆ 2人目:
**天神守護 ―― 菅原道真の末裔
式神 麗香**
白い巫女服に、紫の結界符を携えた若い巫女。
彼女の右手の紋章は、
人類史上最強の怨念と学知――
天神・菅原道真の怒りを宿していた。
「怒りでは戦いません。
ですが……守りたい人たちの涙だけは、絶対に見過ごせません。」
雷が彼女の足元を走る。
麗香は神ではない。
しかし、**人の情と知を極めた者にだけ宿る“雷の理”**を操った。
◆ 3人目:
**警視総監 ―― 織田信長の末裔
天地 信長**
無骨な戦闘外套をまとい、
右手の紋章が燃えるように輝いていた。
その紋章の形は――
“天下布武”を象徴する六芒星。
彼は静かに天皇の前に跪いた。
「陛下――
どうか、この身に
全日本軍・全神承者の総司令官の任を与えてください。」
天皇は目を閉じ、深く頷いた。
「……託す。
織田信長の末裔よ。
今こそ人類の知と魂を率いてくれ。」
天地信長は立ち上がり、
全神承者へ向けてこう言った。
◆ 信長、後継の言葉(総司令官として)
司令室の空気が張り詰める。
天地信長は
歴代の信長家に伝わる“唯一の進言”を語り始めた。
その声は静かで、
だが八岐大蛇の咆哮すら打ち消すほどの力を持っていた。
**「理想を持て。
そして、信念に生きよ。」**
「理想と信念を見失った者は、
戦う前から負けているといえよう。」
「この言葉は……
我が祖、織田信長が遺した唯一の“未来への進言”だ。」
「神がいようとも、
災厄が迫ろうとも、
――信じるものを捨てるな。」
彼の視線が神承者たちを射抜く。
「天が滅びるのなら、
人が天を作り変えればよい。」
「地が沈むのなら、
人が地を引き上げればよい。」
そして力強く右手を掲げた。
「我ら“信承者”は、人類の理想を背負う者。
神承者よ、お前たちは――神の力を継ぐ者。」
「ならば共に戦おう。
神と人の未来を――
この日本に、この地球に――刻みつけるために!」**
司令室が震えるほどの歓声が湧いた。




