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神様誕生 ―神承者たちの覚醒―  作者: konatsu


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31/79

第3承 第15和【戦闘 迦具土(カグツチ)】 

この文書のイメージBGM:

『To U (Salyu Version)』

(“イメージとして推奨される楽曲であり、作中使用はありません”)

                                                                                               

この世界が赤く染まった。


火山の噴火にも似た轟音。

大気を灼き切る熱量。

神承者たちは思わず後ずさる。


「……これが、迦具土カグツチ……」


海里の喉が震えた。

灼熱の巨神は立つだけで周囲を灰に変える。

近づけば数秒で命を奪われる“絶対炎域”。


その中へ、

一歩──

また一歩──


焦げる大地を踏みしめながら歩み寄る男がいた。


ジェイデン・スギウラ。

100mオリンピック金メダリスト。

神承者“雷脚”。

仲間の中でも最速の男。


「待てジェイデン!行くな!」

海里が叫んだ。


しかしジェイデンは振り返らず、胸に手を当てた。

そこには、海里に預けた“封筒”があった。


「海里。これは……妹のメアリーに渡してほしい。頼んだぞ。」


その声は静かだったが、決意は鋼のように固かった。


◆封筒の内容


海里が受け取った封筒の重みは、言葉では言い表せないものだった。


封筒の中には――


★ 家族4人の写真

オリンピック競技場、金メダルを掲げ、

父・母・妹メアリーとともに笑っている写真。


写真の裏には、

日本語でこう書かれていた。


「みんな愛している。

これからも、ずっとみんな一緒だよ。」

――金メダルを獲得した日付とともに。


そして――


★ 古びた数珠

★ 母の手紙


『ジェイソンへ ママより

この小さな玉の飾りは“じゅず”と言います。

日本人は、祖先を敬い、

守ってほしい時、手にして祈るの。

あなたは杉村家の血を継ぐ子。

この数珠は、あなたを守るためにある。

愛しているわ。

どこへいっても、あなたは家族の誇りよ。』


海里の手が震えた。

ジェイデンはいつも左手首にその数珠を巻いていた。

それは、彼の“誇り”、そして“家族そのもの”だった。


◆ジェイデンの決意


迦具土が吠える。

大地が歪み、火柱が天へ突き上がる。



「母さん……メアリー……父さん……

 俺は、ちゃんと走るよ。

 いつも通り、スタートラインに立って最初にゴールを目指す。」


振り向く。


海里が泣きそうな顔で叫ぶ。


「戻って来てジェイデン!!死ぬ気なの!!」


ジェイデンは笑った。

あの金メダルを取った時と同じ、優しい笑顔で。


「海里。

 仲間を守るために走るのが、俺の誇りなんだ。

 ――これは、俺にしかできない。」


そして走り出す。


炎の中へ。


◆迦具土体内への突入


炎の壁は常人なら触れた瞬間に灰になる。

だがジェイデンは、


“雷速”で炎を超える唯一の神承者だった。


光の筋を描き、

炎の渦を裂き、

瞬間的に温度差で空間がひび割れる。


迦具土の体内は地獄そのもの。

溶岩が脈動し、

全身が焼けただれる。


それでもジェイデンは走り抜けた。


「うおおおおおおおおッ!!」


肺が焼ける。

視界が白くなる。

手足が炭化し始める。


それでも不思議と無傷のままだった。                                                        その左手首には、海里に預けた数珠と同じものが浮かび上がってきた。


――母がくれた“守り”。


光の粒が彼の周囲を包み、最後の力を引き出す。


◆神技《雷火・瞬断》


迦具土の核が見えた。


「これで……終わりだ!!」


ジェイデンは全エネルギーを右脚へ集中させ──


神速で核を蹴り砕いた。


スタジアムで金メダルをとった時、

世界中を沸かせたあの神の一蹴。


その何百倍もの破壊力で。


光が爆ぜた。


轟音と共に、

迦具土の体が外側へ向かって爆裂する。


◆ジェイデンの消失


外では仲間が炎の爆風に押し倒されながら叫んでいた。


「ジェイデン!ジェイデンーーーッ!!」


炎が嘘のように静まり、

煙が晴れていく。


そこには、

粉々に砕けた迦具土の残骸。


そして――


ジェイデンの姿は、なかった。


ただ、焼け焦げた地面に、

“金色のスニーカーの破片”と、

“数珠のひとつだけ残った玉”が落ちていた。


海里はそれを抱きしめて、膝をついた。


「ジェイデン……

 あなた……本当に……」


涙が止まらない。


仲間たちも皆、静かに頭を垂れた。


◆海里の誓い


海里は左胸に当てて静かに言った。


「ジェイデン……必ずメアリーに届ける。

 あなたの誇り、あなたの心、…私があなたの家族に届ける。」


そして、空を見上げ叫んだ。


「見てろジェイデン!!

 俺たちは絶対に負けない!!

 世界はお前が繋いだんだ!!

 最後まで走り切ってみせる!!」


残った数珠の玉が微かに光った。


まるでジェイデンが笑っているかのように。

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