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神様誕生 ―神承者たちの覚醒―  作者: konatsu


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第3承 第13和【最終 戦闘 野槌】 

8人が中心に集まった瞬間、

樹海全体が震えた。


霧が裂け、

巨大な“顔のない蛇”が姿を現した。


――野槌。


幻影を操り、人の心の弱さを喰らう怪異。


「これが……本物の敵か」


レイが刀を握り、

蒼真が槍を構え、

悠真が拳を握る。


源蔵、LUNA、虎永、海里も前に出る。


「もう幻に惑わされない」

「みんなの後悔は、ここで終わらせる」

「俺たちは、生きるために戦う!」


七人の怒号が樹海に響き渡り、

野槌との最終戦が幕を開けた。森がざわめき、土の奥で何かがうごめくような低い振動が広がった。


悠真、美桜、そして仲間たちは、同時に息を呑んだ。


—来る。


幻の世界で色濃くなった闇が、まるで実体を持つように流れ込み、

そこから“何か”がゆっくり、ゆっくりと形を成す。


野槌。


かつて神に仕えた存在。

しかしいまは変異し、神承者(悠真)を喰らい、自らが新たな神に成り代わろうとする“裏切りの蛇神”。


体は黒曜石のように黒く、

無数の目を持ち、

見る者の心を映して惑わせる。


そして――その声は甘く、人の心を溶かす。


「神承者よ……まだ迷っているのか?

心の傷を埋めてやろう……お前が守れなかった者、

望むなら、全て返してやる」


その瞬間。


悠真の目の前に、次々と“幻”が再び現れ始めた。


倒れていった仲間。

幼いころ歌を教えてくれた神父。

高校時代、いじめられていたバニーをかばって死んだ親友。

病で逝った家族。

血に染まる花畑。


そして――

“美桜”本人の幻が、悠真に向かって泣きながら手を伸ばす。


「助けて……悠真……」


悠真の胸が締めつけられる。

涙がこぼれそうになる。


その心を読み取るように、野槌は吐息を漏らした。


「ほら見ろ。

お前には救えなかった者ばかりだ。

いまなら救えるぞ……“この幻を、現実に変えてやろう”。

ただ一つ。

お前が俺の器となるだけでいい」


悠真の足が震えた。


彼を守る仲間たちが叫ぶ。


「悠真! その幻は違う!」

「惑わされるな!」

「目を開けろ、悠真!」


しかし、悠真の視界は涙と絶望に曇っていた。


◆《美桜の叫び》


美桜は、震える足で悠真に駆け寄り、

その胸倉をつかんで叫んだ。


「悠真!あなたは……“生きてきた意味”を、

 誰かの死で決めちゃダメ!」


泣きながら言葉を続ける。


「幻を現実にできるわけない!

だって私……本物の私がここにいる!!

あなたが救いたいのは幻じゃなくて――

いま、生きている人間でしょう!!!」


その声が、悠真の胸に突き刺さる。


幻の美桜は泣き崩れ、消えていった。


悠真の瞳が、ようやく現実に戻った。


◆《幻と真実》


野槌は舌打ちをし、地響きのような声で吠える。


「……くだらぬ。

感情ごときで神に抗うつもりか。

ならば……“本物の美桜”を殺してやろう。」


次の瞬間――

黒い尾が稲妻のように美桜へ向かって突き刺さる!


「美桜!!」


悠真が叫び、身を投げ出す。


黒い尾が悠真の背中を貫いた。


鮮血が、森に散った。


◆《仲間たちの覚醒》


悠真の体が倒れ込む。


だが――その時。


倒れた悠真の身体から、光が広がった。


仲間たちは確信した。


「悠真は……まだ死なない!」

「悠真は、ここで終わる人間じゃない!」

「行くぞ!!」


全員がそれぞれの武器・能力を解放し、野槌へと向かう。


しかし野槌は強い。


幻影を生み出し、仲間たちを惑わせようとする。


だが――

仲間の一人が気づいた。


「幻には影がない!!

影を見ろ!!!

影のある奴だけが“本物”だ!!!」


その叫びで、一気に形勢が逆転。


仲間たちは幻影を一掃し、

野槌の“本体”へと攻撃を集中する。


野槌が苦悶の声をあげる。


倒れた悠真の胸に、美桜が泣きながらしがみついた。


彼には、意識を取り戻した。


「……美桜……

 お前の声が……聞こえた……

 “俺は、まだ生きろ”って……。すまない。その約束は守れない。それから未希には俺が生きていたことは伝えないでくれ。それでいいんだ。それで。美桜、未希を頼むぞ。海里、これから真のリーダーはお前だ。皆を日本を、世界を守ってくれ。」

「どうにかならないの、神の力を与えらた私たち神承者だよ。スサノオ答えてよ。」海里が、叫ぶ。 「君たちは神ではない。不滅ではない。命ある神だ。許してくれ。」

泣きながら立ち上がった海里の体に、

仲間たちの魂が宿り、光となって纏う。


まさに“神承者”としての真の覚醒。


海里と仲間たちは連携し、野槌の核へ攻撃を集中する。


野槌は絶叫し、世界が揺れる。


「神承者ァァァ!!

 お前らごとき人間が、神を殺せると思うな!!!」


海里は叫ぶ。


「俺が守りたいのは神じゃない!!

 “生きると決めた人間の未来だ!!!”」


全員の力を束ね、

海里は渾身の一撃を放つ。


光が、闇を切り裂き、


野槌の身体が砕け、空へと消えていった。


森に、静寂が戻る。


本部基地【MIKADO】内に、情報が伝わる。

「野槌を撃退、繰り返します、神承者神、野槌撃退」その模様は富士上空からもLIVE中継され、全世界は歓喜に沸き立つ。鷹宮総理一同、歓喜を上げる中、通信士が、低い声で、マイクのスウィッチを入れる。「伊邪那岐命、神崎悠真氏、生体反応消滅しました。」

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