第3承 第12和【続続 戦闘 野槌】
そして
源蔵の前に現れたのは、
曇天の空と轟音、そして仲間たちが乗る零戦。
「隊長!行きますよ!」
源蔵は目を覆った。
あの日、少年兵として空に飛び立ち、
生き残ってしまった“罪悪感”と共に生きてきた。
幻影は彼を嘲笑う。
『お前だけ生き残って、何を守れた?』
源蔵は唇を噛む。
しかし後ろからLUNAの声がした。
「源蔵さん!
あなたの生存は“運”じゃない。“使命”です!」
その言葉で、源蔵の拳が震え――
空の幻影に向かって叫んだ。
「俺は、生きた意味を見つけた!!」
そして、幻影は砕け散った。
■LUNA ― 歌をくれた神父
森が教会に変わる。
柔らかな光が差し、
祭壇の前に、白髪の神父が立っていた。
「LUNA……歌ってごらん」
彼はいつも優しかった。
LUNAが孤児院で泣いていたとき、
世界でただひとり、歌を教えてくれた人。
神父は微笑む。
「もう苦しまなくていい。君も、こちらへ――」
LUNAの指が震える。
「神父さま……行きたいよ……でも……」
虎永が、そっと肩に手を置いた。
「LUNA。
本物の神父さんは、お前に“生きろ”と言ったはずだ」
その言葉でLUNAの心が解放され、
幻影は光となって散った。
■虎永 ― 武士道と優しさを教えた“祖父”
虎永の前には、
畳の匂い、木刀、夕暮れの庭。
祖父が立っていた。
「虎永。武士道とは強くあることではない。
……弱き者を守る“優しさ”の道だ」
その言葉を思い出した瞬間、
祖父の顔が歪み、黒い爪が伸びた。
「守れるものなど、何もなかっただろう?」
虎永の目が見開いた。
だが源蔵が叫ぶ。
「虎永!お前が守ったから、今のお前がいるんだ!!」
虎永は吠えるように叫んだ。
「じいちゃんの教えは、絶対に汚させねぇ!!」
幻影を真っ向に斬り裂いた。
■海里 ― 両親との別れ
霧の奥で、海里の前に
温かい食卓が現れた。
父と母。
笑顔。
家族団らんの光景。
「海里、もう一度一緒に暮らそう?」
海里は目を閉じた。
彼女の両親は、既にこの世にはいない。
「……行きたい。戻りたいよ……
でも……私は、一緒に戦う仲間がいるの」
両親の顔が歪む。
「じゃあ、死んでこっちに来ればいい」
海里は震えた。
その瞬間、悠真が彼女を抱き寄せた。
「海里、違う。
本物の両親は、そんなこと絶対に言わない」
海里は涙をこぼしながら、
幻影に別れを告げた。




