第3承 第6和【神の声】
高天原の空は、地球の成層圏を越え、青と金の光が交錯する異界の天域だった。
そこに、**世界の始まりを司る神──天之御中主神**が、天から降臨する。
その姿は、人間の理解を超えた光と霊の集合体。
体という概念を超え、魂の奔流が形を得たかのような圧倒的な存在感。
神承者たちは、ただ立ち尽くし、その威光に息をのむ。
「皆の者よ、よく聞きなさい」
天之御中主神の声は、耳ではなく魂に直接響くように広がった。
震える空間を揺らすその声に、神承者たちの胸は高鳴り、緊張が全身を覆う。
「そなたらは神を宿したが、神そのものになったわけではない。
神はそなたらに付随し、そなたらの意思で力を振るうものではない。
神の力は、神の啓示によって解放される。ゆえに、神承者と神はシンクロして戦うのだ。」
その言葉に、神承者たちは目を見張る。
これまでの自分たちの力が、自分のものではなく神の意志の一部であったことを初めて理解したのだ。
神の限界と神承者の使命
「かつて神々は、国づくりのために力を尽くし、栄貴を使い果たした。
今、我らの実体はもはや存在せず、魂のみが漂うに過ぎぬ。
神承者は我らの実体を宿す者──命ある者として、世界に立つ唯一の存在だ。」
天之御中主神の言葉は、静かに、しかし重く響く。
「神は永久に不滅である。
だが、神承者は敵に神臓を討たれれば、即座に消滅する。
さらに、神承者が討たれれば、神は一年間、復活できぬ。
その間に敵が世界を制すれば、新たな神承者は生まれず、神の力は途絶えるのだ。」
神承者たちの胸に、重く、避けられぬ使命が刻まれる。
消滅を許されぬ戦い
「よって、そなたらよ、消滅してはならぬ。
生きて、神と共に戦い、平和の均衡を守れ。
怪物万物を抹消すること──それが、そなたらの命題である。」
天之御中主神は一度天を仰ぎ、さらに語る。
「始まりの神である我、天之御中主神と、
もう一柱の国之常立神には、
神承者を創造することは許されぬ。
しかし、我らも力を貸す。
現在、日本各地には結界を施した。」
その声は、光となり、神承者たちの全身を包み込む。
まるで魂の底まで力が浸透するかのようだ。
怪物たちの真の狙い
「だが、怪物たちは結界を恐れはしない。
その破壊は一部に過ぎぬ。見せしめだ。
真の狙いは、神承者──神を宿す者の消滅にある。
もし神承者を倒し、神が復活する一年の猶予までに世界を征服すれば、
神は新たな依代を見出せず、自然消滅する。」
その言葉に、神承者たちの身体は、ただ立っているだけでは耐えきれぬ、
重圧と緊迫感に満たされる。
空気は静まり、紫と金の光が交錯し、世界の命運が一瞬で変わる予感が漂った。




