表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神様誕生 ―神承者たちの覚醒―  作者: konatsu


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

14/79

第2承 第8和 【襲来】

午前10時14分――。

突如、「それ」は現れた。


まず最初に姿を現したのは、京都・大江山。

黒雲を割り裂き、酒吞童子が天を睨みつけて咆哮した。

その声だけで古都の街並みが震え、瓦が落ち、観光客が悲鳴を上げて逃げ惑う。


続いて、熊本・阿蘇山の火口から巨大な影が這い出す。

地を揺るがしながら広がる白い糸――

土蜘蛛が大地を覆い尽くし、火山地帯を巣に変え始めた。


北海道・十勝岳では、火炎の柱が天に突き刺さる。

その中心に立つのは、灼熱そのものの神、

迦具土カグツチ

彼の一歩ごとに溶岩が溢れ、地形そのものが崩壊する。


愛媛県・石鎚山の山腹では、首のない巨大な蛇、

**野槌のづち**が森を押し潰しながら蠢いた。


そして奈良・大和国の上空――。

千年前、暴虐の限りを尽くし天照大神に封じられた

**天逆毎あまのざこ**が、黒い羽根を広げて空を支配する。


さらに、出雲の荒野には邪悪な黒の霊柱が噴き上がった。

その中心から具現化するは、

邪神・䨺たけひこ

空間そのものをねじ曲げる稀代の忌神。


九州上空には、雷鳴より速く羽ばたく怪鳥

迦楼羅カルラ

が旋回し、風速70mの暴風を生み出した。


そして――伊勢。

鳥居を砕くような轟音とともに地面が裂け、

大地の奥底から現れる双つの巨影。

八握脛やつかはぎ八握髭やつかひげ

古代より祀られた地の守護神が、

何者かの呪詛により“怪物”として蘇り、暴走していた。


【日本全土、同時多発的な怪物襲来】


全国の避難警報が一斉に鳴り響く。

テレビ局各社は緊急特番を開始。

SNSは瞬く間に炎上し、

「日本が沈む」「世界の終わりだ」

と噂が拡散していく。


気象庁は観測史上初の警報を発した。

『怪異災害警報 ― レベルEX』


各地の防災センターには、

泣き叫ぶ子ども、避難の準備をする家族、

パニックで倒れる老人の姿。


モニターに映るのは――

破壊、炎上、崩壊、そして怪物たちの影。


世界中のニュースでも日本の映像がリアルタイムで流れ、

国連本部でも緊急会合が招集された。


まさに“未曾有の国家非常事態”だった。


【富士の樹海 ― MIKADO基地、起動】


富士の裾野に隠された日本最古の防衛基地――

MIKADO(御門)


地上からはわずかな入り口しか見えないが、

その地下には、

古代文明と最新科学が融合した巨大要塞が存在する。


中央制御室の天井には、

星を模した古代の紋章が青く輝き、

壁一面のスーパーモニターには

日本地図と怪物たちの位置が表示されていた。


大広間の中心、玉座のような制御装置に立つは、

鷹宮澪 総理大臣。


その隣には

山本内閣官房長官、乃木防衛庁統合幕僚長、東郷宮内庁長官の

3名の参謀が緊張した面持ちで立っていた。


乃木統合幕僚長が叫ぶ。


「総理、各地の怪物が同時に攻撃を開始!

死傷者多数、都市インフラも壊滅しています!」


「神承者の転送は!?まだか!」


通信士が震える声で応じる。


「ダメです!富士山麓を中心に、

“超音波障壁”が発生しており……

転送エネルギーが乱されています!」


総理が眉をひそめる。


「超音波……?人為的な攻撃?」


そこで、特殊公安に保護されていた

霊感少女・糸が緊急で呼び出される。


彼女は目を閉じ、富士山のふもとを指さした。


「……これは、人じゃない。

“山彦”の仕業……です」


「山彦……?山の反響の怪物か?」


糸の表情は青ざめていた。


「山彦は、声だけじゃありません。

空間そのものを『歪めて反射する』力を持っています。

今、富士のふもとには山彦がいて……

神承者の“魂の転送”を妨害しているんです」


「もしこのまま放置したら……

神承者は到着どころか、転送の途中で消滅します!」


制御室に緊張が走り、

総理の拳が震えた。


「山彦を……先に倒さなければ、

人類は終わるということか」


糸よりは静かにうなずく。


「はい。

山彦を突破しない限り、高天原へは――

誰も辿り着けません」


【MIKADOの古代兵器、解放】


制御席の奥、巨大な石碑型コンピューター

**“富獄ふがく”**が起動する。


古代文字が光りはじめ、低い声のような音が基地中に響いた。


<神承書の解読完了。

古代武器・全システム、解放許可。>


鷹宮総理が命令を下す。


「全国の怪物に対し、

MIKADOの古代兵器を使用、攻撃を開始!」


参謀たちが一斉に叫ぶ。


「作戦開始!」


基地の外壁が開き、

巨大な柱が空へせり上がる。


雷を呼ぶ槍、火山を割る剣、

古代の光線砲――


日本史に刻まれなかった“真の兵器”が復活した瞬間だった。


【世界の終わりの序章】


怪物たちの攻撃、

日本各地の崩壊、

古代兵器の発射、

神承者の消滅危機――。


そして、

真の破滅神・ヤマタノオロチはまだ姿を現していない。


その沈黙は、

世界への“最後通告”であった。


富士山頂の風が、

警告のように吹きすさぶ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ