表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神様誕生 ―神承者たちの覚醒―  作者: konatsu


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

12/79

第2承 第6和 【覚悟】

各地で祈りの声が溢れ始めたその時――。


富士樹海・地下施設の控室。

主人公・**海里かいり**は、ひとり小さなモニターの前に立っていた。


画面には、避難所から中継を見守る

彼女の 祖父と祖母 の姿が映っている。


海里は震える手でスイッチを押した。

モニター越しに、祖父母の顔が大きく映し出される。


その優しい顔に触れた瞬間、

胸の奥に押し込んでいた涙があふれそうになった。


海里は一度だけ深呼吸し、笑顔を作る。

震えた声で、しかしはっきりと語り始めた。


「おじいちゃん、おばあちゃん……聞こえる?」


祖母が涙を浮かべて頷いた。

祖父は口を押さえ、ただ必死に目を見開いている。


海里は続ける。


「私ね、怖くないって言ったら嘘になるよ。」


「でも……

幼い頃にパパとママがいなくなって、

泣いてばっかりだった私を助けてくれたのは――」


海里はモニターに手を添える。


**「おじいちゃんとおばあちゃん。


ふたりが、私の全部だった。」**


「一緒にご飯を食べたことも、

おばあちゃんのおにぎりも、

おじいちゃんの自転車の後ろに乗ったことも、

全部、全部、宝物だよ。」


祖母が溢れる涙を拭う。


海里の声は震えているのに、なぜか強かった。


「でも、ここで終わりじゃないから。」


「私たちの“幸せだった時間”はね、

これからも続くの。終わらないの。」


胸に手を当て、

海里はゆっくり、ゆっくり言葉を紡ぐ。


**「私だけじゃない。


世界中の人が、幸せに暮らせるこの時代を――

私が守ってくる。」**


祖父が泣きながら、

伸ばした手で画面を撫でる。


海里は笑った。


大粒の涙をこぼしながら、

誰よりも強い少女の笑顔だった。


「大好きだよ、おじいちゃん、おばあちゃん。」


「だからね……

待ってて。必ず家に帰るから。」


「最高の笑顔で――

ただいま って言いに帰ってくるからね。」


モニターが消える。


静かな控室に、

海里は涙をひとつ落とし、ゆっくりと背筋を伸ばした。


そして振り返る。


そこには、

次々と重い覚悟を背負いながら立ち上がる――


神承者たちの姿があった。


海里はその中心へと歩み出した。


すべてを守るために。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ