第4話 ここは、……、月なの?
ここは、……、月なの?
透き通る青色の空の中に浮かんでいる白い月を見ていて、あれ? とわたしは思いました。
なんとなくですけど、いつも見ている月と少し違うような気がしたのです。
「なになに? どうかしたの? めいちゃん」
「あ、えっとね。ぷららちゃん。あの白い月なんだけどね?」
「月?」
「うん。あの月。なんとなくいつもと違うように見えるんだ」と白い月を指さしながらわたしは言いました。
「違う違う。あれは月じゃないよ。めいちゃん。そんなことも忘れちゃたの?」
とぷららはくすくすと笑って言いました。
「月じゃない?」
「そだよ。あれは月じゃなくて『地球』でしょ? 『月はいま、わたしたちがこうして立っているところ』じゃん」
「え?」
ぷららの言葉を聞いて、わたしはとっても、驚きました。
あそこに浮かんでいるのは、地球? わたしたちがいるここが、……、月?
わたしは少し混乱してしまいました。
頭の中がくらくらして、思わずふらついて、倒れそうになってしまいました。
「あ、危ない! ……、よかった。大丈夫? めいちゃん」
ぷららがわたしをしっかりと抱きしめてくれたので、なんとか倒れずにすみました。
「ありがとう。ぷららちゃん」
「いいよ。お礼なんて。それより、まだめいちゃん。ふらふらしてるから、ここでもう少し休んでからお家に行こうね」
「……、うん。わかった」
わたしはそう言って(たしかにふらふらしていたので)ぷららのいう通りにしました。
そしてわたしたちはそこにちょこんと一緒に並んで座り込んで、そして、透き通るような青色の空に浮かんでいる、……、白い地球を見つめました。




