第2話 うさぎのもふもふ
うさぎのもふもふ
「初めまして。わたしはぷららと言います。君はあんまり見かけない顔ですね」
うーん、と言ったようにあごのところにゆびをつけて、なにかを思い出すようにして、ぷららは言いました。
「えっと、初めまして。わたしはめいって言います。あの、ここはどこでしょうか?」
いろいろとなてなばっかりでしたけど、とりあえず一番気になっていることを聞いてみました。
「え? ここですか? ここは『月の村』ですよ」
ぷららはなんで知らないんですか? と言いたそうな顔で、そう言いました。
「月の村?」
「はい。そうです」
とえへへ、と笑ってぷららは言いました。
「めいちゃん。もしかして、どこかに頭でもぶつけたんですか?」
ぷぷっと笑ってぷららは言いました。
「あたま?」
「はい。だってここが月の村だって知らないし、さっきから自分の頭ばっかり触っているし。もしかして、痛いんですか?」
痛そう、という顔をしてぷららは言いました。
痛くはなかったのですけど、一応、確かめてみました。
頭は大丈夫でした。たんこぶもないし、怪我もしていませんでした。あとせっかくなので、「よいしょっと」と言って立ち上がって、体のいろんなところを見てみました。
怪我はしていませんでしたけど、やっぱりわたしの頭の上には動物のみみがありましたし、おしりには動物のしっぽがありました。(夢ではなかったのです)
「あの、もしかして、めいちゃん。迷子なんですか?」
ぷららは心配そうな顔でわたしをみて言いました。
ぷららに迷子なんですか? と言われて、わたしは、そうなんだ。わたしは迷子なんだ、とそんなことを思いました。




