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プロローグ

「今回の配信もこれで終わり!みんな〜!おつかれ〜!!」


巷で話題のVtuber事務所、Spade Club。その中でも異彩を放って人気なVtuberがいた。月長ミレイである。ミレイは初配信から光の速さで登録者を増やしていき、今では日本のVtuberでは4人の300万人となっている。

そんなvtuberの中身は…


「ふぃぃ…疲れたぁ…あっ!佑月帰ってきてたんだ!ハグしよ!!」


俺の義姉、舞原菜奈である。


「姉さん、いつも思うけど何かにつけてハグしてくるのやめてくれない?」


「え〜ケチ!いいじゃん減るものじゃないし!!」


かなりのブラコンだ。


俺と義姉が出会ったのは6年前の夏だった。


〜〜〜


「お父さん、再婚するんだ」


「えっ?」


小5の時で確か友達と遊んで帰ってきた時に告げられたんだ。


「急すぎない?別にいいけどさ」


「ああやっぱりそうか。お前ならそう言うと思っていたよ」


俺はその時、家族が増えることなんて全く興味がなかった。なぜなら俺はそこまで家に帰らないからだ。

家に帰ったところで母は死んでいないし父も仕事で居ないから友達と遊んだり店が閉まるまでスーパーでだべったりしていた。その生活がずっと続くと思っていた。


だが、それは打ち砕かれた。


義姉と義母が来る日、俺はやはり遊んでいた。家族が増えることを忘れていていつも通り。それを思い出したのはちょうど6時。友人にすぐに伝えて家に帰った。


「「おかえり〜」」


そこには義母、義姉、父が机で団欒している様子があった。

その時俺は感じた。家族の温かみを。ただ1人、拳を握りしめていった。


「ただいま!」


と。

そこから義姉との生活が始まった。


〜〜〜


そして今、俺は困惑している。元々凛としてかっこよかった義姉がほっぺをすりすりしているのだから。

こんなんじゃなかったのに…


「そうそう、佑月、Vtuberならない?」


「は?」


急に義姉が言ってきた。


「ちょっと待ってよ姉さん、俺まだ高校生だし隠キャだよ??」


「大丈夫!自慢の弟だから!!マネさんに話は通してるしさ!」


なんだこの天真爛漫さは。どこから湧き出てくる自信なのだろう。

おかしいだろ。


「とりあえずさ、来週の土曜日にここまで行ってきてくれない?」


そう言って一枚の紙を渡された。


「えぇ…」


これはもう、逃げることのできない迷宮かもしれない。

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