いい、いい、いい、いい
いい意味の良い。
そして、良くないという意味のいい。
二つだけしか言わない。
そんな女がここにいた。
「じゃあ、映画にしよっか?」
『いい、いい、いい、いい』
「行くんだね。行きたがってたもんね。僕が運転するから」
『いい、いい、いい、いい』
「えっ、上達したからさ。前は危なっかしかったけどね」
『いい、いい、いい、いい』
「分かったよ。でも、帰りは運転するからね」
『いい、いい、いい、いい』
「疲れるだろうから、してもいいんだよ」
『いい、いい、いい、いい』
「じゃあ、今から行く、映画の詳しい説明をするね」
『いい、いい、いい、いい』
「そっか、お金は全部僕が出すからね」
『いい、いい、いい、いい』
もう、良い『いい』なんて、滅多にない。




