表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

旅人のメモ帳

昔話

作者: 狐囃子 星治

 昔、日照りの続いた村があったんだ。

 水は干上がり農作物も全滅。

 村人たちは相談の末に生贄を出すことにした。

 しかし誰もが嫌がり、迷った末に山猫を殺して出した。


 すぐに雨が降り出して村は救われた。


 翌年にも日照りが起き、山猫を生贄に出したがダメだった。

 相談して今度は犬を出した。

 すぐに雨が降り出し村は危機を脱した。

 その次の日照りでは猪。

 そのまた次は熊……。


 そして、ついに山のいかなる獣でも雨は降らなくなった。


 村人たちが相談していると、そこへ旅の偉い坊様がやってきた。

 日照りは動物たちを生贄にしたからであると坊様は言った。

 村人たちは坊様に供養を懇願した。

 坊様が村長の家でお経を唱え始めてすぐ、村の若い衆が取り囲み動かなくなるまで叩き続けた。

 これで今年も安泰だ。


 生贄を出した途端に雨は降りだした。


 何日も、何日も、何日も、雲が晴れることはなかった。


 村人たちは山猫を、犬を、猪を、熊を、人を生贄に捧げた。


 しかし二度と雨が止むことはなかった。

______________________________________

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ