これから始まる
本当は三つ巴戦をやろうと思っていましたが、展開が遅くなり作りにくかったので無理矢理省略させていただきました。
よろしくお願いします。
前回、のトーナメント結果はテレ達は完敗という形に終わった。
そして、決勝の戦いも終わりが来ようとしていた・・・。
「な、なんだこれ、奴ら・・・強すぎる!」
試合に敗れた選手たちは皆、一斉に決勝を観戦していた。
そして、試合会場にいる全員が唖然としていた・・・。
圧勝的であった。今まで、テレ達が戦ってきた相手全てを一蹴したのである。
しかしそれも当然というべきか優勝したチームメンバーの順位は8位、5位、3位、2位と言った最強のメンバー構成であった。
「あれだけの強いチームを一瞬で・・・。」
テレは観戦しながら固唾を呑んだ。圧倒的な差を見せつけさせられた今、テレは落胆の心で埋め尽くされていた。
-一方上層部では
「今年の一位、過去の記録を更新し、過去の記録を破りました。」
教師とはまた違った身分の報告係らしき男が身分の高そうなお高く留まっている男に報告をした。
「ほう、今年の一年は中々優秀だな。私の指揮下につくように声をかけておきなさい金はいくらでも積むと言ってな。」
そう指示を出し、報告係の男を立ち退かせた。
「戦争はもうすでに始まっているのだよ。」
男はニヤリと笑みをこぼし、手元にあったワインを一気に飲み干した。
決勝戦が終わり、見事チーム全員が残留することが決定された。
しかし、テレにとってはとても満足できる結果とは言えなかった・・・。
上の上、そしてそのまた上を見たテレは自信を無くしていた。
自らが努力をし、下位からでものし上がってみせると努力をしてきた、現実、越えられない壁の存在は大きいものであった。
そして、試験終了後しばらくの休日があった。
休日をだらだら過ごすのもよし、学校にきて更なる進化を求めるのもよし、テレは後者を選んだ。
ハイエストに在籍中の担任、オイルに見てもらうことにした。
「おまえ、日頃から特訓していないだろ。」
オイルはテレの動きを見てそういった。
「へ?何でですか。」
テレは漠然とした。
「お前の動きを見ていれば一目瞭然だ。銃の扱いにも手馴れている事から知識が少しばかりあることは分かる。だが、超人であるのにも関わらず他の超人と比べてバテるのが早い、そしてスピード、持久力、防御力においても若干劣っている。知っての通り超人の能力は特訓によって伸びる。それがわずかな差であってもあと一歩という決意を固めずに才能に任せて何もしないでいると自身の期限切れになるぞ。」
今のテレにとっては痛い一撃であったが、それと同時に必要な事でもあった。
「あの・・・俺と戦っていただけませんか。」
テレは言うつもりではない言葉を自然と口に出してしまった。しかし心の中から出た声、いうなればテレ自身がそれを望んでいたのだ。
少し沈黙が続いた後、オイルは答えた。
「いいだろう。」
予想外の返答にテレは戸惑った。本気で戦おうとは思っていなかったからである。
「お前、俺が戦うとは思っていなかっただろう。」
テレは図星を突かれた。
「ふん、やはりな。だがお前が言い出したことだ模擬戦部屋に入れ。」
と言われ、テレはしぶしぶ部屋へと入った。
今回は一対一のバトルなので、ステージは狭く設定された。
試合開始のアラームが鳴り、テレは神経を研ぎ澄ました。右方向に微かな足音を捉えテレは逃さず攻撃をした。
だが、そこには誰もおらず、いつの間にかオイルは背後に回り込んでいた。
「実戦では、もうお前はこの時点でGAME OVERだ。お前は圧倒的にスキルや経験が足りない。」
オイルはテレを切り倒した。そして、部屋に戻った。
「俺がお前に使ったのは技って程の物じゃない、いわゆるテクニックのようなものだ。」
オイルはその場で素早く足踏みをし、瞬間的に他の場所へ移ったのであった。
「実際にやってみた方がよさそうだな。」
オイルはテレを連れて模擬戦部屋とはまた違った<実戦用>の訓練室に場所を移した。
「まず、やること自体は簡単だ。超人であれば誰にでもできる。だが、この技は使う場面によって左右される。使い時を間違えるとお前・・・死ぬぞ。」
テレは一瞬その言葉にぞわっとした。オイルが言うと何故か言葉の重みが変わるのであった。
「これが経験という名の重み・・・。」
テレは心の中でずっしりと感じ取った。
「お願いします!僕にレクチャーを付けてください。」
テレは一生懸命に頭を下げたが、
「だめだ、俺は忙しい。どうしても己を高めたいというのであればここを尋ねるんだな。」
オイルは小さな紙切れを渡し、その場を立ち去った。
仕方なく、しぶしぶとテレはその場所へと向かった。
一方オイルは職員室へ戻る途中にカズンという名の教師に待ち伏せされていた。どうやら今の一部始終を盗み聞きしていたらしい。
「いいんですか、教えて差し上げなくても。あの子のこと気になっているのでしょう。」
オイルはこの教師に対しては完全に下に下げられていた。何でもお見通しだからである。
「いいんだよ、俺よりも奴の方が教えるのはうまい。奴は教育の専門だからな。」
オイルとカズンが会話をしている丁度その時、テレがオイルに渡された紙切れに書いてある目的地に着いた頃であった。
「ここか・・・。」
その部屋は古びており、物凄い悪臭が外からでも分かるほどの大きさで飛び込んできた。
勇気を出してテレはノックをした。しかし返事がなかったので、ドアノブを触ろうとしたその時後ろから
「何をしているんだね君・・・。」
物凄い形相をした男が肩に手を置いた。
テレは正直ビビッていたが、事情を話すと
「なん~だオイルの生徒か、てっきり泥棒か何かだと。僕の名前はドランクよろしくね。」
意外と明るい先生でほっと一息をついたが、テレはそれどころかではなかった。
「ドランク先生!いきなり本題に入りますが、僕に特訓を付けてくださいよろしくお願いします。」
突然の事で少し驚いたかのような顔をしていたが、
「いいよ。」
とすぐに答えを貰えた。
「じゃあついてきなよ。」
と言われたので奥へ奥へと進んでいくとそこには超巨大な訓練場が設置されていた。
「いつぶりだろうな、ここ使うの。」
テレは横できょとんと見ていた。
「あのここで何するんですか。」
とドランクに尋ねると
「何ってバトルだよ。」
と答えた。
「しかしいきなりバトルって・・・。」
テレはいきなりすぎて困惑していた。まだ心の準備ができていなかった。
「君は・・・強くなりたいんだろう?それならばやるべきことは一つ、実戦をなるべく多く積むことだ。」
と言われテレはビリビリ来た。俗に言うわくわくの念であった。
「と、いうことで僕に勝つまで帰れま10だ。全力でかかってきなさい。」
もう少し、ワンテンポ進みたい。