7話
ドンッドンッドンッドンッ
眠い…うるさい…なんなんだ!!
「ユータ!起きろ!グレイが来てるぞ!!」
まだ眠い…隊長が来てる?なんなんだ?
ふらふらの状態で扉を出ると、ライさんと隊長、そして、なぜかぼろぼろで焦げた鎧を着た、ガリガリのオッサンがいた。
「なんでふか隊長~」
「おい!起きろ!昨日言っただろ。師匠に会わせると」
言ったっけ?あぁ言った言った言ってた。でも朝から早くない?
「グレイ、こいつが本当にアイラを治したのか??」
「間違いないです。自分の目の前で、アイラを治してくれました」
「ジャックさん、ユータが優秀な治癒術師なのは俺も保証します」
「なんですか?朝っぱらから…」
「…」
「…」
「…本当に優秀なのか?」
「…ユータ、もう昼だぞ」
えっ!?昼??朝じゃないの??あっ!?朝ごはん…
「ライさんの朝ごはん食べ損ねた…」
「おい、グレイ…」
「…」
「昼飯用意するから、準備しろ」
「わかりました。ライさん」
ビシッと敬礼を決め、即行で準備して下に降りる。
食堂では食事の準備が終わっており、隊長とライさん、ジャックさんが席にいた。
「とりあえず、食事しながら話そう」
「「「いただきます」」」
「ユータ、彼が私の師匠のジャック・ウルフだ。今、学園で武術の講師をしている」
「ジャックだ。グレイから話は聞いている。よろしく」
「よろしくお願いします」
「じゃあ、学園の話だな。入学に関してはギリギリ間に合う。今週中にここを出れば間に合うだろう」
ここで暦に関して説明しておく。
このスクスィードの暦は5日で1週間、30日で1カ月、12カ月で1年。1週間の日にちが違う以外だいぶ似ている。新学期も地球とは違っており、2月から新学期のようだ。ちなみに今は1月13日水の日だ。ああ、曜日は火、水、風、土、無の5つだ。
「明日首都に向かう予定なので大丈夫そうです」
「どこに入る予定だ?」
「どことは??」
「学部だ。傭兵か、商人か、それとも魔術師なのか」
学部が有るの!?知らんよ!?何処入ろう?
「今、学部が有ることを知りました」
「傭兵なら俺が、商人以外ならグレイが昔の傭兵団の仲間に頼むだろう。商人なら自力で頑張ってくれ…」
「わかりました。ありがとうございます」
「グレイの頼みだ…」
「あの~、気になった事があるんですけどいいですか?」
食事も終わり、隊長達が出ていく時に話し掛けた。
「どうした?」
「ジャックさん、隊長の師匠で学園の講師なのに、なぜ鎧がぼろぼろなんですか?」
「…この町に来る時、海賊に襲われ撃退したんだ」
「じゃあ焦げてるのも?」
「ああ、海賊が逃げる時に火を放ったんだ」
「大丈夫なんですか?」
「俺は大丈夫だが…商人達が何人か傷ついている」
商人か…治して金ゲット!!かな…学園に入る時の推薦状も作って貰えるかもしれないし…
「港に行けばまだ商人達居ますか?」
「居ると思うぞ。治すのか?」
「お金稼ごうかと…」
「では俺も行こう、おまえでは商人に信用されんだろう…」
「いいんですか?」
「アイラを治すほどの治癒術師だ、恩を売っておきたい」
「恩を売っても、割引だけですよ」
「かまわんさ」
恩を売っておきたいって言っちゃダメじゃない??
はい、着きました。
焦げた船と、港に金蔓っぽいのがいっぱい。
「どうするんだ?」
「とりあえず、見て回ります」
商人達の間を歩きながら怪我の様子を見ていく、ほとんどが軽い火傷ばかりで、金のあるやつはもう治癒術師に頼んで居るようだ…
「良さげなのは居ないな…」
「ダメそうだな」
「しょうがないさ…」
「あれっ!?先生?もう戻って来たんですか?」
鎧や皮鎧を着た4人組が話し掛けて来た。
「ジャックさん、知り合いですか?」
「俺の生徒達だ」
先生って言ってたな。
「先生、この子は?」
「知り合いに頼まれて、今度学園に入れることになったんだ」
「えっ!?先生が推薦するんですか!?」
「傭兵科に入るならな」
「先生!!この子と戦わせて下さい。先生が推薦する人の実力を見たいです」
「話を聞いていたか?知り合いに頼まれて入れるんだ。実力は知らん」
「実力の無いものを傭兵科にいれるんですか!?」
「学園で実力を着ければいい」
「くっ、おい!おまえ!俺と戦え!!」
「えっ!?お断りします」
なぜ、無駄に戦わなければいけないんだ!?
「逃げるのか!!おまえに誇りは無いのか!!」
「意味のない戦いをなぜしなければならないんだ?それに、年のことも考えてみろよ!バカだろ…」
あっ!?リーダーっぽい奴がキレた。腰にある剣に手を掛けた。
「本当に戦う気は無いんだな…」
襲い掛かってくるのまるわかりだろ!!
「当たり前だ」
「じゃあ、強制的に戦わせてやる!!」
はい、斬りかかって来た。予想通り。じゃあこっちも、お返しだ!!
アイテムボックスから魔銃剣を取りだし、相手の剣を避けて脇腹に当てる。
スパンッ
脇腹部分を軽く当てようとしたら鎧ごと切れた。
「ぐはっ!?」
「うわっ!?痛そ~」
「くそがっ!!」
強気にいっとくか…
「返り討ちにあった気分はどうだい??」
相手は痛みをこらえながら、悔しそうに睨み付けてきた。
「不意討ちみたいにいきなり襲いかかってくるお前が悪いんだよ!」
さらに攻撃しようとしたら、ジャックさんが止めに入った。
「すまんがその辺にしといてくれんか」
「ジャックさん、襲いかかってくる前に止めて下さいよ」
「すまんな、俺もユータの実力が気になってな…」
ジャックさんやめてくれよ…ほかの3人みたいに止めといてくれよ…って商人ほとんど居ないじゃん…
「もういいか、俺は行くぞ」
「待て!!」
「なんだ?」
「まだ勝負はついてないぞ!!」
また襲いかかってきた。
「ウザイ…」
怪我でさっきより遅くなった剣を避け、剣を斬る。
「死にたいのか?」
剣先を相手に突き付け告げる。
「くっ…負けだ…」
「ジャックさん、犯罪者は隊長に渡せばいいの?」
「ユータ、すまんが突き出すのは勘弁してくれんか」
「え~、いきなり襲いかかってくるんですよ?俺の大事な時間を無駄にした報いは受けてもらわないと」
「これでも俺の大事な先生なんだ。だから、すまんが許してくれ」
「はぁ~、後でそれなりの物貰うからな…」
「わかった。それで頼む。それと申し訳ないんだが治療も頼めるか?」
「…わかった…これも上乗せするからな」
「すまん…」
一番弱いヒールで治した。まだ痛がっていたが傷事態は治っていたので放置して、商人達の方に向かう。あいつは仲間が抱えてどっかに行ったようだ…
ジャックさんに武器の事聞かれたが「秘密」と言い、答えない。強すぎる武器だからな…
ヤバイ!!うだうだになり始めてる気がする…