表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
友達未満  作者: ちぇる
9/10

少年と待ち合わせ

ーーー少年にとって、待ち合わせというものはひどく久しぶりだった。待ち合わせをする友達なんて持ち合わせてはいないから。

だからひょっとしたら、この時少年の心は、ほんの少しだけ浮き足立っていたのかもしれない。



橘、林ともに一時戦線離脱。(来てもいないのだが)2人は補習という名の敵と対峙することになってしまった。

しかし、予定外の事態に再考する。


橘は彼女(呼び方が分からないからひとまずそう呼ぶ)に連絡を入れているかもしれないが、そうではなかったら?もしくは、「すぐ終わる」とか言って待ち続けていたら?


ーーーー昨日のことが頭に浮かぶ。


オレは目の見えない人がどうやって生活しているのか知らないが、多分、そう町中を出歩いたりしないのではないだろうか。

そう、約束でもない限り。


「はぁ…」誰に向けられたわけでもないため息は、遠くから聞こえる野球部の声にかき消された。


心配というか、気がかりというか。おせっかいな性格でも、世話焼きな性分でもないと思っているのだが。

オレはもう一度携帯を開き、補習で苦しんでいるであろう腐れ縁のバカにメールを送信した。

「先に行ってる」



「さて…」

先に行くとは言ったものの、2人ががどこで何時に会うつもりだったのか知らない。

喫茶店とは言っていたが、どこの喫茶店だ?

カフェのことなのか?


「…とりあえず駅行くか…」



ーーー無計画で無謀な少年は、駅に向かって歩き出した



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ