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友達未満  作者: ちぇる
7/10

少年と会話

普段特定の人以外とは話さないようにしているし、話しかけられそうなタイミングは大体決まっている。


1人でいる時間が長いということは、1人で考える時間が長いということ。コウジは常に周りを見て、話しかけられた時の対処法を用意していた。1番簡単に、かつ早く会話を終わらせられるような完璧な回答を。


でも今日ばかりは不発だった。


正直この展開は読めていなかったわけではない。次の日にクラスメイトが話しかけてきたらどうするべきか。考えるのも忘れるほど、昨日会った少女のことでいっぱいだった。


「浅羽、聞いてる?」

明るい色の髪を揺らしながら、橘絵里が顔を覗き込む。吸い込まれそうな、真っ黒な瞳。


あいつもこんな目をしてるんだろうか。

昨日会った、目をつぶった少女をまた思い出す。

「…礼をしたいのはありがたいけど、俺はいい」

「えーなんでー?」

「別に大したことしたわけでもねーだろ、あんなの。恩着せようとしてやったわけでもねーし…」

「いいのそういうのは!あ、そうだ、来づらいなら林も連れてきていいよ。それなら2対2、どう?」

絵里はピースサインを2つ作って、こちらに向けてくる。

「…何で林なんだよ」

「えー?だってあんたら仲良いんでしょ?教室だと話さないみたいだけど」


……少し驚いた。意外と人を見たりしてるのか、こいつ。


昨日のように毒を心の中に吐き出す。けれど、コウジの絵里に対する印象は少しよくなったようだ。いつもなら適当にあしらって話を強制終了させるが、休み時間いっぱいぐらいは話そう。珍しくそんなことを思っていた。


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