ライジングスター
「さっきの舞台見てたわ、久しぶりに人の舞台で心が沸き立ったわ。よく頑張ったわね。」
「つばささん、どうして」
「私が呼んだのよ、麗香ちゃんの頑張っている姿を見に来なさいって。苦労したわ、強情な人で信用させるまで。」
「夢見の枕元にたたれて信用しろってほうが無理よ。私はオカルト嫌いなのよ。」
鉄平が騎士に祭りの準備を頼んで、ずっと準備をしていたのはこの場、この設備、この人たちを呼び寄せるため、公私を混同し、コネを使い、この状況を作り上げた。
「心配しなくても今日はプライベートよ。そんなに緊張しなくていいわよ。」
「あの、つばささん。私ずっとつばささんに謝らないといけないと、思っていたのに、ずっと謝ることができませんでした。申し訳ありませんでした。」
「つ、つばさ、あんたなんでここに!」
麗華のことを追いかけてきた麗華の姉がその姿を見るやいなや駆け寄ってくる。
「ほら、麗華、謝っておきなさい。」
「あの、初めまして麗華の母親の寒川綾です。以前のつばささんのライブで、娘がとんでもないことをしてしまい申し訳ありません。」
3人揃って何度も頭を下げ謝罪を口にする。
「、、、もう満足した?」
「はい?」
「私がそんなことで怒ると思った?どっちにしろ、他の子に押されるかなにかしたんでしょ、録画の映像を見ればそれくらいわかるわ。あれは自然に転んだんじゃない。」
「で、でも、私のせいでライブはむちゃくちゃに」
「……勘違いしないで、あの時、私があなたにきつい言葉でどかしたのは、ライブを中止にさせないため、楽しみにしてくれたみんなのテンションを下げないため、あそこにであの熱を下げたくなかったから、それにぶつかって言うなら私も同じ、注意力が足りなかっただけだし、トラブルなんてものに負けないのがプロの仕事よ。
私が、怒っているのは、あなたたちがそれに逃げったということよ。
特に遥、あなたどうして私のマネージャーをやめたの!それに電話も出ないし!あなたの私に対する評価はその程度だったの!」
「私だってやめたくなかったわ。でも、それが、条件だったから、でもそれにが嫌でなんでも、あなたに連絡を取ろうとしたけど、あなたの方が、、、」
「ちょっと待ってどういうこと?」
「簡単なことよ。つばささん。あなた自分の携帯番号も頓着ないでしょ。携帯は仕事の時だけ、だから自分の携帯の番号、帰られていることにも気づいてないでしょ。
メールはあなたのしたらないところで、彼女からのメールを着信拒否にしておけばいいだけ、それだけのこと、あなたの所属する事務所は業界最大手、その気になればどんな才能があっても潰すことなんて簡単。麗香ちゃんはそんな社長の逆鱗に触れた。
今の事務所がダメでほかの所に移ったところで、圧力がかかって麗香ちゃんに再起の芽はない、だからこそ、彼女は言われるがままに従った。
結果、彼女は事務所を辞め、ほかの弱小事務所に移籍し、あなたに近づくことさえできなくなった。すべては麗華ちゃんのため、麗華ちゃんがいつかはもう一度夢を追いかけるときに、可能性を残すために」
「お姉ちゃん、、、」
「そんな立派なものじゃないわ、私はね、あなたたならいつかつばさを超えられるって信じてるから、私はつばさより、あなたにかけたそれだけのことよ。」
「、、あの、狸親父、、人に嘘を、、てかあなたなにもの、なんでそんなことまで」
「私はなんでも知っている、信じる信じないは貴方の自由だけど、気になるなら、確かめてみれば?」
「分かったわ。とりあえずは全面的に貴方の言うことを信じてあげるわ。
さて、それじゃ、麗華、あなた、逃げたわけじゃないのね、、」
「、、、いいえ、違います。私は逃げてました。舞台に立つのが怖くて、みんなに避難されるのが嫌で、アイドルをやめようとしました。でも、今は違います。
やっぱり歌が好きで、私はもう一度、ううん、まだ始まってもいませんから
今度こそ、つばささんのいるステージに立ちたいって、心から思っています。」
「そう、だったらまずは今ここで証明しなさい、あなたの本気を。」
そういってつばさは置いてあったマイクを渡し、麗華はそれをしっかりと受け取る。
「それじゃ、初めていいってことだね。了解、まぁ、島の行事だあんまり気負わずに、」
鉄平は舞台に上がり、舞台に注目を集めるようにトークを始める。
「で、何の曲にする?つばさの曲なら最新までなんでもいけるぞ。」
麗華と一緒に舞台袖でバンドマンの一人が麗華に選曲を尋ねる。
「あの時のつばさの歌、大丈夫ですか?」
「あの時?」
「はい、一番最初につばささんが歌った。」
「そりゃあれは俺らとつばさが一緒に作った曲だ。もちろん大丈夫だが、でも、あれはつばさもあの時しか歌ってなくて、まさか覚えてるのか?」
「当たり前です。忘れる訳ありませんよ。」
「おっし、任せろ、最高の舞台にしてやるよ。」
麗華は舞台袖から鉄平に合図を送る
「それじゃ、準備が出来たみたいですね。それでは登場してもらいましょう。
現在、アイドルとして売り出し中、この精霊祭でも歌い手を務めたの水野やえさんです。どうぞ」
お客さんはまばらで、拍手もそれほどない、だが、こんな状況で歌うのは慣れっこだ。
「それでは、歌ってもらいましょう、曲名は、えっと、、」
「ライジングスター」
小さな声で鉄平に伝える
「ライジングスターどうぞ」




