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「うん」

「、、、、ふう、あんなんで良かったかな?嫌われてない?僕」

「大丈夫よ、かっこよかったわよテツ君。ちゃんとお父さんできてたわよ。」

不安そうな顔で鉄平はさくらに尋ねる

「、、、演技だったんですか?」

「芝居がかってはいたね。、、、ま、本心ではあるんだよ。いい機会かなってもうそろそろ将来のことを考える時期だし、消去法と、安全性だけで将来を選んで欲しくない。

負けて悔しい思いをするって言うの知っておかないとね。自分の意志でね」

「私たちはどこまでやれているかわからないけど、あの子の親だから、どこまで行っても対等じゃない。結局私やテツ君があの子に勝ったってあの子が悔しがるわけでもない。

本気の本気を引き出すにはやっぱりライバル的な人は必要なのよね。」

「麗香ちゃんのことを見て、そういう負けてられないっていうものを感じてくれるかとも思ったんだけど、騎士の中では麗香ちゃんは別世界の人間。プロで最初から違うって線引きしちゃったみたいね。」

「、、、、ごめんなさい、お役に立てずに」

「別に麗香ちゃんが悪いわけじゃないわよ。それだけ麗香ちゃんがあの子からすると遠すぎただけ。」

「そんな、私なんて、結局逃げてるだけですよ。」

「うそ、そんなことないでしょ。また前に進もうとしている。」

「え?」

「だってそうでしょ。そうじゃないとあんなにダンスの練習もできないわよ。普通。」

「それに麗香ちゃん、練習したあとが一番楽しそうだよ。やりきったって感じで」

「そんな、私はただ不安で、そういうのじゃないです。ただ諦められないだけですよ。

昨日も愛理さんに言われました。私のはただの模倣、心が伴ってない、形だけだって」

「それで何が悪いのよ。私は麗華ちゃんのダンス好きだな。すごく素敵で、感動したよ。」

「僕もそう思うよ。」

「そんな、、、」

「3対1でこっちの方の勝ち、愛理ちゃんが間違えてるわ。」

「3対1?」

「私と、テツ君と、綾さん。」

「?お母さん」

「さくらそれ、秘密」

「あ!」

さくらは口にしてはいけないことを思わず口にし、動揺する。

鉄平は仕方がないと、着替えてきた麗華をリビングの椅子に座らせ、さくらの携帯を見せる。そこには自分の母親とさくらのやりとりが表示されている。

普段メールもろくにできない人がこんなにたくさんのやりとりを

「麗香ちゃんは僕たちの家族が羨ましいって思ってたでしょ。」

「、、、」

「そこに書いてあるのが本当のお母さんの気持ちだよ。」

文面には麗華のことを心配し様子を聞く言葉と、麗華のことについて事細かな事まで伝えようとしている。的外れなこともたくさん書いてあるが、それでもその思いは伝わってくる。

「麗香ちゃん、お母さんのことを嫌い?」

「嫌いじゃないです。ただ、、」

「お母さんは麗香ちゃんのことをどう思っていると思う?」

「嫌いなんだと思ってました、、」

「ました、か、だったらもう分かっているってことだよね。誰だって、自分の娘が芸能界に入りたいなんて言ったら反対するわよ。私だってそう、テツくんだって。」

「当たり前だよ。それだけ厳しいところだし、なにより、子供の成長にいい環境だなんて思えない。それに反対しない親の方がどうかしている。」

メッセージを見ていくとその中には

『動画ありがとうございました。麗華があんなに一生懸命にやっているなんて知りませんでした。あの子があんなにすごいなんて私、感動して涙が、、』

「どうしても反対してしまう。口を開けばやめなさいって言ってしまいそうになる止めてしまいそうになる。だからこそ彩さんは麗香ちゃんに何も仕事のことに関して言わなかったのよ。疲れて帰ってくるあなたを見て、辛そうなあなたを見て、今にも事務所に辞めさせてくれって怒鳴り込みそうになるだから、そんな麗香ちゃんの顔を見ないようにしていた。そうしているうちに、本当になんて言っていいか、わからなくなった。母親として未熟だった後悔しているって」

麗華は母親の文字を見て泣きそうになるがジッと我慢して涙をこらえる。

「麗香ちゃんの様子を聞いていることはは秘密にしておいてくれって、嫌われている自分が心配しているとわかると余計に嫌われそうだからって。」

「でも僕はそれが正しい選択だとは思っていない。だからいい機会だと思って全部話そうって決めたんだ。言葉にしないと伝わらない事だよ。愛情なんてものは

相手がわかってくれる。自分のことはいいんだ。そんなんじゃないんだ。人って。

言葉にして、自分の気持ちを伝えないと、」

「伝えることの大切さはまぁ、麗香ちゃんにいうような事でもないけど。」

伝えたい、自分のことを好きでいてほしい、自分のことを褒めて欲しい。私もみんなから憧れたい確かに自分の中にある原動力だ。

そうですね

麗華はそう言って自分の部屋に戻ると布団をかぶり、泣きながら後悔した。

自分のしたことが悔しい、母親に冷たく当たった、ひどいことも沢山言った。いつかトップにたって見返してやる。私が正しかったあなたの価値基準で考えないでそう思っていたことを後悔した。母親は敵じゃなかった。私のことを思っていてくれた

一通り、後悔し、泣き終わると、今度は頭の中で選択を迫られた。

そんな母親の心配をなくすためにもアイドルを辞めるべきか、それとも続けるべきか、

結局結論が出ないうちに玄関を開ける音がし、無言で、騎士が帰ってくる。


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