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翌朝

翌朝、騎士宅

「ソファで寝ないでって、いつも言ってるのに。」

朝ごはんの準備をしに降りてきたさくらがソファに寝ている鉄平にため息をつきながら愚痴をこぼす。

「目のクマ、起こさないようにって、黙って出ていったんだけど、余計な心配をかけちゃったかな。さくらちゃん、おはよう」

「起きてたの?」

「さくらちゃんの匂いがしたから、」

「馬鹿言わないの、コーヒー飲む?」

「それより目覚めのキスを、、、」

「、、全く、、」

さくらが廊下を気にしたあと、鉄平に近づき屈もうとした時、玄関のチャイムがなり、さくらは咄嗟に距離をとり、慌てたように玄関のドアを開ける。

「無用心だな、まずは確認でしょ、僕がいないことも多いのに、、躾が必要だね」

「あら、珍しいお客さん」

さくらが玄関を開けるとそこにいたのは健介だ

「すみません。騎士君、いますか?」

「ちょっとまってね、騎っ」

さくらが騎士を呼ぼうとしたが、すぐ背後に騎士がいる。

「起きてるよ。、、、どうせ要件も決まってるでしょ。着替えたら行くから」

健介の性格から推察した予想と健介の様子が合致する。めんどくさそうに、

階段を上がろうとする。

「もう一回、勝負してもらえないか?」

「分かってるって言ってるだろ、めんどくさい。」

騎士が部屋の戸を占めると同時に、今度は麗華の部屋の戸が開く。

「健介くん、、、」

「どうも、、」

健介はパジャマ姿の麗華に一礼する。

「麗香ちゃん、心配してたわよ。あなたの事」

「、、、ごめん、」

「風邪とかひいてない?」

「あぁ、大丈夫、もし引いてても、約束は守る。これが終わったら、祭りの練習するから、昨日、朧さんに会ったから言ってあるから心配しなくていい。」

自分の心配が、自分の都合で心配していると思われたのが、ムカついた麗華は徹平に詰め寄る

「違うわよ!そうじゃなくて、健介くんの体と心の心配してるの、」

「心?あぁ、騎士に負けたことか、大丈夫だよ、当たり前だろ」

「大丈夫な訳無いじゃん、だって、、」

「真剣勝負して負けた。それだけだよ。なんでそれで心が折れるんだよ」

「それだけって、野球は健介君にとって大切なものじゃなかったの?」

「あぁ、そうだよ。でもだから負けないっていうわけじゃないだろ。俺より騎士の方が強かったそれだけだ。」

健介はそう言って笑った。今まで健介が笑ったところを見たことのない麗華はそれが、嘘の、強がりの、作り笑いのように感じられる。

「、、、でも、負けっぱなしじゃ、カッコ悪いだろ。本当に好きだからさ、誰にも負けたくたいし、男には意地があるんだよ。」

「だからって、一夕一丁でどうこうなるものじゃないでしょ。熱意とやる気だけでなんとかなるなら世の中楽だよね。漫画の見過ぎ。いい年なんだから現実見ようよ」

「俺はお前みたいに現実だけを見たつもりになってるつまらないガキにはなりたくたいんでね。あと漫画の見過ぎはお前だ。俺はそんな金はない。」

「見たつもりね、見えないよりはマシだよ。そうしているうちにちゃんと見えてくるから、

でも、今の言葉は挑発?」

「本心だよ。それでお前がムカついたなら、お前がそう思っているからだろ。」

「言うね。いいよ、だったら本気でやってあげるよ。あーあ、今まで野球だけは勘弁してあげてたのに、勉強、運動、喧嘩、口論、一つでも本気の僕に勝ったことがない時点で普通は、僕のこの優しさに気づくだろうけど、やっぱり馬鹿なんだね。」

「お前はそんなんだから友達いないんだよ。」

「なんで僕がこれ以上、下に譲歩しないといけないわけ?お前らが俺に合わせろよ。」

「はいストップ!喧嘩は親のいないところで、あと女の子の前で喧嘩しない。あと騎士、怖い、そういうところなおしなさいって言ってるでしょ。いい」

「世界は僕の価値だけでは動いていない、数字と結果だけじゃないでしょ。わかってるよ」

「じゃ、学校で待ってるぞ。」

健介がいなくなると鉄平が出てくる。

「熱い青春だね。」

「、、、お父さん、昨日遅くに帰ってきてたけど、」

「あぁ、教えたよ。ダメだった?」

「いいや、別に、、、」

「そんな顔しないの、お父さんも別にあなたの敵ってわけじゃないんだから、」

「騎士、お前は本当にいい息子だと思っている。

頭もいいし、優しい、でも、お前にはもっと自分以外の人と関わるようになって欲しい、」

「いるよ、そういう人は」

「ネットの向こうの大人の話じゃない。友達だ、」

「何でもかんでも出来てしまうから、一生懸命になることもないし、どうしても周りとの差に周りを見下しがちだ。お前はほかの子が遊んでいる時間もずっと一人で勉強して、ずっとずっと努力してきた。それは俺とさくらはわかっているし、誇りの息子だ。

誰かに言われるわけじゃなく、自分のことをしっかり自分でできる。

お前が当たり前にやっていることは誰にだって当たり前にできることじゃない。俺にだって出来ないし、さくらにだってできない。

だから、仕方がないこととは言え

どうしても他の人を下に見てしまう。頭ではそういうのは良くないとわかっていて、気持ちの制御は出来ているとしても、事実お前はお前以上に努力している人間も、自分に厳しい人間にも出会ったことがない。今まではな。

彼は強いぞ、お前が初めて本気で負けるかも知れないほどにな。」

「だから負けて来いと、、」

「いや、本気で勝ってこい!言っただろ、自慢の息子だって、俺もさくらもなんだかんだ言ってお前の敵になんかならないさ。お前が勝てば俺は嬉しいし、そうだな、もし、お前が勝てたら、俺はお前をひとりの男として認めてやる。」

自慢の息子ではなく、男としてみて目てやるそれはつまり父親が対等としてみてくれる。

「嘘じゃない?」

「あぁ、これが嘘を言っている俺だと思うか?」

「分かった。」

そう言って騎士は靴を履き家を出ようとすると、さくらが騎士の両肩に手を置く

「騎士、頑張ってね。」


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