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99%の才能と1%の洞察力

「騎士君、、どうして?」

「お母さんが心配して迎えに行けって、さ、帰ろう。」

「でも、まだ、、」

「後から俺が送っていく、心配するな。」

「、、、、ふぅ、何?今さっき打たれたあれで納得してない訳?

健介が好きでやっている事だし、とやかく言うつもりはなかったけど、

姫様をこんな時間まで付き合わせるなんて、、」

「姫様って呼ばれているのか?」

「ないよ!今のままで呼ばれたことがないよ。」

「おかげで、僕は夕方のアニメを録画で見ないといけない上に、空中要塞から世界を守る使命を途中で中断させられたじゃないか!」

「あぁ、ゲームと漫画の邪魔をしたのか、、、」

「なるほど、、それで姫、、、という事はあの怒りは本物。」

「八つ合ったりで、機嫌悪いのかタチが悪いな、、」

「さて、それじゃ、今度は僕が相手をしよう、教えてあげるよ。屈辱を」

「騎士君って野球できるの?」

「基本的に僕は何でもできますよ。ただあまり興味がないだけです。

相手一度も他人とまともにキャッボールもしたことがない相手負ける方が難しいですよ。」

今度は健介がバッターボックスに立ち騎士がマウンドに上がる。

「さて、日がかなり落ちて来てますさっさと終わらせますよ。」

「お前、野球できるなんて聞いてないぞ。」

「お父さんとよくやってるよ。お父さんの楽しみに付き合うくらい息子の役割でしょ。」

「だったら俺にも付き合えよ。」

「なんで、面白くもないし、必要性も感じないね。」

バットを構える健介に騎士は一旦ストップをかける。

「まともに投げるの久しぶりだから、10球投げてから勝負ね。」

騎士が投げる球は完全にボール。しかも、健介の球に比べれば速度も比較にならない。

「あれ?入らないや。意外と遠いな、、」

「お前、、、ストライクにもは入んないんじゃ話にもならないぜ。」

「分かってるよ、、、っよし入った。勝負はワンアウトごとに攻守交互で先にヒットを打った方が勝ち、それでいい」

「だったらお前が先行の方がいいんじゃないのか?」

「嫌だよ、それだと僕投げられないじゃない。」

10球投げ終わると結局2回しかストライクに入らず、勝負が開始された。

始めの一球はまたボール。

「なるほど、これじゃ、俺が先行でも、俺が打てないわけだ。」

だが、2球目は油断していた健介に2球目は鈍いストライク。

だが、今までの事があったので、健介は見逃してしまう。

「今までのは演技だよ。ストライクゾーンくらいはいるよ。」

そう言って次は微妙なボールを投げ、健介を空振り、2ストライクにまで追い込んだ。

そして最終球、集中する健介に対し、騎士はまっすぐに投げた。

ボールは完全にコースもタイミングも健介に読まれている

勝った、そう確信した健介はバットを全力で振り空振りしてしまう。

「変化球ー、ナックルボール。要は遅い球ー、すごいでしょ」

「変化球、、、」

「一応3種類は投げられるよ。それなりだけど、ナックルは一番得意ー。161種類、初期ポキーモン並みの多さ。必要があるからこそ、そんなに細かく分化され、言葉が作られ、系統だてているんだよ。野球は一球一球、思考が入るスポーツだよ。

だから、筋肉馬鹿の、自分自分の健介に負けるわけないでしょ。」

言いたいことを散々いい、攻守を後退した騎士は余裕でバットを振り回している。

健介はいらだちながらも全力のストレートを騎士に投げ込む。

だが、騎士の事を全く無視するように、好き勝手にバットを振り回している。

「まじめにやる気はないのか?」

「あるよ。超ある、僕追い込まれないと、ダメなタイプなんで、さ、2球目来い」

騎士は2球目も全く打つ気などはなく、1球目同様、健介が投げる前にバットを振りぬいている。

そのあまりに馬鹿にした態度、麗華も見ていて気分がいい物ではない

「健介君!落ち着いて!大丈夫、騎士君、2球ともまともに見てもないからタイミングも分かってないわ!」

「あれ、麗華さん、健介の味方するんだ、ショックだな。姫が心を魔王に囚われている。」

「騎士君も真剣勝負なんだよ!まじめにやりなさい!」

「まじめにやっているよ。心を乱すのも立派な戦術ですよ。真剣勝負っていうのは全力を尽くすことだよね。僕は一切ルール違反をしていない。さて、とは言え、

真面目に心を折りますか。徹底的にね。」

騎士は真面目な表情で、健介に向かい合う。

空気が変わり、普段では見せない騎士の表情に空気が凍りつく。

「最初からそうしてろよ、いくぜ、俺の全力」

「、、、、」

集中している騎士には健介の言葉は届いていない。

健介はこの言い訳のしようのない状況に、全力をもって臨んだ。

持ち得る限りの最高の球、、、だが、それを騎士は当たり前のように打ち返した。

「、、、、俺の負けか、、」

負けた、まぐれなんかじゃない。今までの全てが否定されるような気分だ。

「、、、何言ってんだよ、まだだよ。健介の心を折り終わってないよ。」

スイッチの入った、騎士は健介に続行を要求する。

騎士の要望に応え、健介はバッターボックスに立ち、そしてマウントに立ち続けた。


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