襲撃の朝
目覚めると、朝ごはんを用意している子供たちが目に入り、自分の家だということを認識する。
「……ん?」
寝ぼけた頭の中でほんの少しだけ違和感を感じる子供たちの中で一人だけ頭二つは背の高いのが紛れ込んでいる。
そいつは背背と料理を作る子供たちの中で、調理器具の場所を聞きながら料理を作っていく。
子供達は少し遠巻きからそいつをサポートしているが、それなりに会話もあるようだ。
「……何をしているんだ?」
俺はポツリと声に出してしまう。
「あ、おはようございます。見てのとおりご飯を作っているんです」
「んなこた、見りゃ分かる。お前らもよく厨房に入れたな」
「別に朝の準備手伝うだけなら問題はないし。いつも手伝ってくれない人より良いし」
智也が代表で答える。
その際に含まれていた毒はスルーしておく。
「まあ、上手くやれてんならいいんだが、昨日の話しを聞いて同情寸のはかまわねえが、同情して自分尾より哀れだとかで手伝ってんならぶっ飛ばすぞ?」
俺がにらみながら言っても澄音は気にした様子が無く答える。
「確かに同情する気持ちはあります。だけど、私が仲良くなりたいからやるんです。つらい境遇に耐えてきた彼らを下に見ることは出来ません」
とりあえずは昨日の話で少しだけでも考えが変わったようだ。
救われないことがあると分かっただけでもマシになっただろう。
「それでこの後はどうするんですか?」
「知るか。俺だってこんな長い時間追いかけられるのは初めてなん――」
そう呟いたときに、いきなり家の前に車が止まる。
一台なんてものじゃなく、五代は停まっている。こんな民家の前にそんな数の車が停まるなんてことはまず無いだろう。
「ちっ、もうここがばれたか。おい港。いつもどおりに隠れてろ。庄司はテレパスでサポート。俺はここから少し時間化成で逃げる」
《了解です。全員に伝えておきます》
俺がささやくような声で言った言葉にテレパス使いの庄司が、能力を使って頭の中に直接返事を返してくる。姿を隠せる港が居れば早々はみつかるまい。
「それにしても何でここがばれたんだ。しっかり巻いてきたと思ったんだが……」
「私も逃げてる間いつの間にか見つけられていたことが何回かあったんですよね」
「…………」
「不思議ですよね?」
「とりあえずお前はそこで待ってろ。晃、こいつになんか機械が無いか探してくれ」
俺は一つ沸いて出てきた疑問を解消するため、機械を探し出す能力者の晃を呼ぶ。
晃は早速能力を発動して澄音の体をチェックする。
「……うん。……一つ発信機があった」
晃が指した場所には確かに発信機があり、これのせいで場所がばれたと分かる。
こいつはおそらくこの服でしばらく居たんだろうし、家を出る前からつけられていてもおかしくない。
「ヤッパリか。おい、澄音。心当たりは?」
「無いです! これが分かってればもっと早くはずしてます!」
「だろうな」
これは相当まずい状況だ。
さて、取れる選択肢は二つ。
一つはこのまま玄関から出て敵を倒す。
これは敵の戦力がどれくらいかにもよるが、難しいだろう。
二つ目は逃げること。
これの場合、満遍なく家を探された場合、子供たちが危険にさらされる。
完全に手詰まりだ。
こりゃあ、強行突破するしかねえか……。
そう思い始めたとき、予想してなかったほうから意見が出た。
「私に考えがあります!」
完全に戦力外と見なしていた澄音が手ウィまっすぐ上げて意見を言おうとしていた。




