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神器も世界樹も神獣卵も買った。あとはゲームが現実になるのを待つだけ  作者: 狐白
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第81話

視覚反応では、到底間に合わない。


目を開けていても、もう意味はない。


ならば――


頼れるものは、ただ一つ。


記憶だ。


先読みするしかない。



「避けた! また避けた! 完璧な回避だ! しかも回避の最中に攻撃まで差し込んでいる!」


「記憶なのか? 前世の経験から来るものなのか?! なんという美しいステップだ! なんという見ていて心地よい戦い方なんだ!」


「石像のHPが三〇%も削られている! 信じられない……即死ギミックの中で強引に火力を叩き込んでいるぞ!」


「一歩でも踏み間違えれば即終了だ! これほどの精神的重圧の中で、ここまで美しい操作を見せるとは――なんという勇気だ!」


白夜は興奮のあまり、目にうっすらと涙まで浮かべていた。


先ほど見せられた残酷な未来を思い出しながら、誰もが想像できずにいた。


今この瞬間、あのレーザーの雨の中に立っている少女が、どれほどの精神的重圧を背負っているのかを。


彼女は本来、ただの平凡な思春期の少女だ。


夏の午後、木陰に寝転び、蝉の声を聞きながら、恋や勉強のことで悩んでいるはずの年頃だった。


それなのに――


今、世界のすべての重みが、たった一人の肩にのしかかっている。


命を賭けた戦いだ。失敗は許されない。


一歩でも誤れば、粉々に砕け散る。


「レーザーの威力が落ちてきた……! 耐えろ! 小狐ちゃん、耐えるんだ!!」


白夜は拳を固く握りしめた。


誰もが息を呑み、喉元までせり上がった心臓を押さえるようにして、ただその小さな背中を見つめている。


ドン――!


レーザーギミックが終わるより先に、神像のHPが六〇%を下回った。


爆裂音とともに、神像の巨体が大きく後ろへ仰け反る。


空を埋め尽くしていたレーザーが、突如としてすべて消えた。


世界が、しんと静まり返る。


【下等生物ども――】


【貴様――やる気か……?!】


最後の矢が胸元で爆ぜた瞬間。


災厄の源――その本当の姿が、ついに露わになった。


神像の胸の奥。


そこには、漆黒の心臓が激しく脈打っていた。


不吉な災厄の気配が、神像の外殻の崩壊とともに、狂ったように噴き出してくる。


私はその心臓を見つめながら、激しい運動で乱れた呼吸を整えた。


「久しぶりだな。」


二つの世界が融合した原因。


あの黒い心臓がどこから来たのか――誰も知らない。


だが、それを砕けば、すべては終わる。


「燈里。」


「分かってる。」


災厄の気配が、黒い雪のように大地へ降り注ぐ。


一片一片が、災厄の魔物へと凝縮していく。


だが、その黒い雪の中を、災厄よりもなお冷たい影が駆け抜けた。


閃く刃のたびに、一体の災厄魔物が跡形もなく砕け散る。


私は再び視線を上げ、もう地上の魔物を見ることはなかった。


あのバカ。


私の背中は……任せたぞ。


災厄の源。


この黒いクソの塊め。


万死に――


値する!


「諸星よ、この地を見届けろ。」


私は世界樹の弓を、地面へと叩きつけた。


「新しい世界を――」


「展開!」



「災厄の源が第二フェーズに入った! あの黒い心臓が露出している……あれが本体なのか?!」


「小狐ちゃん、あれは……あの日、燼天に使ったスキルだ!」


「でもあのスキルを使ったら、戦闘不能になるんじゃなかったのか?」


「ここで決着をつける気か? さすがに早すぎないか……?」


白夜は緊張した面持ちで眉をひそめた。


視聴者たちの緊張も極限まで高まっていた。


決戦の瞬間が、想像よりもはるかに早く訪れてしまったからだ。


最終決戦なのだから、本来はもっと大規模な駆け引きや、複雑なギミックが続くものだと思われていた。


記録映像でもそうだった。


第二フェーズの後には第三フェーズ。


第三フェーズの後には第四フェーズ。


特定のギミックを処理できなければ戦闘が膠着し、戦いは何日も続く可能性すらあった。


だが今――


相手はまだ、心臓を露出させたばかりだ。


「私に何をすればいい?」


パーティーチャンネルに、燈里の声が響いた。


戦闘の流れが前世と違うことに、彼女もすぐ気づいていた。


それでも疑うことはない。


ただ次の指示を待っている。


次の瞬間。


諸星の力が降臨した。


天から、目に見えない威圧が降り注ぐ。


私は弓弦を引き絞り、静かに口を開いた。


「生き延びろ。そして――


私を信じろ。」

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― 新着の感想 ―
本人のレベルも装備のレベルも?1つの大台だろう100に達して何らかのボーナス貰ったのかな?
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