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神器も世界樹も神獣卵も買った。あとはゲームが現実になるのを待つだけ  作者: 狐白
2.

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46/53

第46話

「なんだその雑魚攻略組は……全員しゃがめ! 動くな!」


「そこの二人! お前たちのことだ! いつまで気取ってる? 死にたいのか?!」


強盗の男が杖を突きつけた先には、呆然と立ち尽くす当主とお嬢様の姿があった。


二人の手から赤ワインのグラスが滑り落ち、床で砕け散る。


「九条理人……あなた、ランキングトップ10のプレイヤーでしょう?! どうして一撃も受け止められませんの?!」


お嬢様の指先が怒りに震えている。


「……ゲームではトップ10ですが、現実でまでそうとは限りませんよ」


九条理人は口から黒煙を吐き出した。


……そもそも彼はこの祝賀会に出席するため、ここ二日ほど降臨エリアでのレベリングをしていなかったのだ。


「いつまで喋ってやがる! さっさとしゃがめ!」


強盗は荒々しく当主とお嬢様の前へ歩み寄る。


魔法師が大きく振りかぶった杖を、二人の背中へ容赦なく叩きつけた。


鈍い呻き声とともに、二人は膝をつく。


当主が歯ぎしりした。


「見ろ、お前のやったことだ! 強者を連れて来いと言ったのに、こんな役立たずを選びおって!」


「わ、私は……想定していませんでした。それに、人選は母が推薦したものですし……あなたも了承なさったでしょう」


「口答えする気か?!」


「……」


少し離れた林の陰で、私はようやく人物関係を理解した気がした。


「あの男の人……あなたのお父さん?」


「うん。」


「じゃあ、あのカエルみたいなおばさんは継母?」


「……そう。」


「なるほど。」


あの男の隣にいる若い女性が、おそらく例のお嬢様なのだろう。


「……本当はこんなこと、言いたくないんだけど。」


私は頬を膨らませ、ぷいと顔を逸らす。本能的に、隣の宿敵を褒める気にはなれなかった。


それでも、真面目に感想を口にする。


「でも、あの人……どこを取ってもあなたに及ばないよ。」


燈里の身体が、わずかに震えた。


……


「おい! 二人とも! しゃがんでるだけじゃなくて、どうにかして私を助けなさいよ!」


人質にされたカエルおばさんは恐怖の極みに達し、その圧力をそのまま当主とお嬢様へぶつけていた。


だが当主もまた怒りでいっぱいだった。


「どう助けろと言うんだ?! お前が推薦したこの無能を見ろ! 一撃も耐えられんとは! 人選が甘いからこうなるんだ、自業自得だ!」


「あなたも同意したじゃありませんか! ランキング上位のプレイヤーなら知名度がある、資金集めにも有利だと——!」


カエルおばさんが甲高い声で言い返す。


当主は顔を覆った。


「それにしたって弱すぎるだろうが!」


「……おい! おい!」


黒焦げ寸前の九条理人が、岸に打ち上げられた魚のようにびくびくと身を跳ねさせた。


「誰が弱いだって?! ただ二日間レベリングしてなかっただけだ! 宴会に出ろと言ったのはあんたたちだろう、そのせいで攻略が遅れたんだ……それに、あの二人は本当に強い!」


「強い? どれほどだ?」


「さっきの魔法の威力から見て、間違いなく第一梯隊の攻略者だ! レベルはおそらく15……世界でも上位100名に入る!」


強盗は眉をひそめた。どうやらずっと話を聞いていたらしい。


やがて、耐えきれなくなったように冷笑する。


「……見る目はあるじゃねえか。


いいか、命が惜しけりゃ持ってる金目の物を全部差し出せ。それから警察には近寄るなと伝えろ。


さもなきゃ——この刃が大人しくしてる保証はない。」


刃が、カエルおばさんの喉元へさらに押し込まれた。


「た、助けて……! 誰か、助けてぇ!」


カエルおばさんの顔は絶望に歪んでいる。


当主の声が震えた。


「これほど強い相手では……我々はもう助からないのではないか?!」


「待て……あれは……あそこにいるのは……」


九条理人の視線が、不意に林の方へ向けられる。


——私たちが立っている場所だ。


「あの靴……レベル20のエピック装備?! まさか……彼女たちか?! 本当に彼女たちなのか?!」


九条理人が突如、興奮したように叫ぶ。


「見間違いじゃない……あの伝説の面々だ! 現段階で最強の攻略者! 河口湖ダンジョンを初踏破した存在!!」


「え?」


私たちは呆然と立ち尽くした。


当主とお嬢様の視線もこちらへ向く。


そして——燈里の姿を捉えた瞬間。


信じがたいものを見るような表情を浮かべた。


「……燈里???」

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― 新着の感想 ―
余計な事を… 人質を使って装備を寄越せって始まるだろうに、 それに警戒されたら対処も難しくなる… この家って無能しか居ないのか…
お前がバラすんかいww
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