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神器も世界樹も神獣卵も買った。あとはゲームが現実になるのを待つだけ  作者: 狐白
2.

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第45話

「何がおかしいの?!」


“カエルおばさん”は、私の笑い声に完全に苛立っていた。


「ごめんなさい、ちょっと面白いことを思い出しちゃって」

私は慌てて口を押さえる。


だがそのとき、千夏もようやく《東辰リアル攻略組》の正体を思い出したらしく、堪えきれずに吹き出した。


「あなたまで何を笑っているの?!」


「ご、ごめんなさい! 私も面白いことを思い出してしまって……!」


「……」


もし怒りが温度として可視化できるなら、“カエルおばさん”の頭からは今ごろ湯気が立ち上っていただろう。


彼女はどうにか感情を押し殺し、顎を持ち上げると、傲然と燈里を見据えた。


「ふん! とにかく次女様。あなたのような私生児は、自分の立場を早く理解なさることね! 家に認められたいのなら、兵士として大人しく働き、《東辰リアル攻略組》にでも入りなさい……」


「ぷっ——」


「さっきからずっと我慢していましたのよ!!!」


“カエルおばさん”は目から火でも噴きそうな勢いで私を睨みつけた。


「あなた、先ほどから笑ってばかりじゃありませんの! 一度も止まっていませんわ!」


「うちの犬が子供を産んだんです」

私は真顔で答えた。


「あなたは?!」


今度は、震えている千夏に視線が突き刺さる。


「うちの犬も子供を産みました」


「……」


空気が、すっと凍りついた。


「この件は家主に報告します。次女様、覚悟なさいませ!」


“カエルおばさん”は冷ややかに言い放つと、踵を返して歩き去った。


少しやりすぎたかと心配になりかけたが、燈里が背後でこちらに親指を立てているのが見えた。


どうやら、ちょうどよかったらしい。


『注意! 041、042、043番の越境者は直ちに応答せよ!

銀行強盗を行った越境者の犯罪者二名が、そちらのエリアへ逃走中!

警察署の要請により、迎撃に協力されたし!』


越境者の犯罪者?!


『対象はすでに付近の高級邸宅に侵入している! 注意せよ!

銀行員二名を殺害済み、さらなる被害の可能性あり! 極めて危険!』


ボディカメラから流れる声は切迫していた。


『犯人と遭遇した場合、即時射殺を許可する!』


……通達が、わずかに遅かった。


「動くな! 全員その場で止まれ!」


“カエルおばさん”が数歩進んだ、その瞬間。


林の中から二つの黒い影が飛び出した。


一人の剣士が、ためらいなく彼女の首筋に剣を突きつける。


もう一人の魔法師は詠唱を終え、いつでも放てる状態の魔法を維持したまま、威圧するように杖をこちらへ向けた。


「お前たちも越境者か?! 動くな! 動けばこいつを殺す!」


……想定外の事態だ。


“カエルおばさん”は完全に腰を抜かしていた。


「や、やめて……殺さないで! 欲しいものは何でも差し上げます! お金ならあります、いくらでもありますから!」


「黙れ、耳障りだ!」


二人の越境者は人質を取ったまま、じりじりと後退していく。


向かう先は、庄園の本館。


あちらでは……どうやら集会が開かれているらしい。



「本日はお嬢様の祝賀パーティーにお集まりいただき、誠にありがとうございます!

お嬢様が出資された『リアル攻略部門』の正式発足を、皆様とともに祝いましょう!


それではご紹介します——《東辰リアル攻略組・第一班》正式班長、九条理人!」


会場に盛大な拍手が響き渡る。


豪奢な衣装に身を包んだ男がスポットライトの下へ歩み出ると、自信たっぷりに襟を正し、投資家たちへ向けて手を振った。


「この九条理人が、攻略組を率いて降臨エリアの全資源を制圧する! そして世界最強へと至ってみせよう!」


拍手はさらに激しさを増した。


その熱気が頂点に達した、まさにその瞬間——


轟音が炸裂した。


集会場の中央で大爆発が起こり、衝撃波が周囲の客をまとめてなぎ倒す。


「全員動くな! しゃがめ! 頭を抱えてしゃがめ!」


魔法師が杖を高く掲げ、剣士は人質を引きずったまま、二人の強盗が会場へ踏み込んできた。


悲鳴が連鎖する。


轟ッ!


さらに放たれた爆炎術で、ようやく場内は静まり返った。


強盗たちは周囲を見回し——それでもなお、数人が立ったままでいることに気づく。


白いスーツを着た中年の男が、落ち着き払った様子で席に腰掛け、グラスに残った赤ワインを揺らしていた。


若い女性がグラスを掲げ、彼と軽く打ち合わせる。


そして静かに言った。


「理人さん。あなたの力、見せて差し上げなさい」


「お任せください、家主様、お嬢様。皆様……ご覧あれ!」


「これが我ら東辰リアル攻略組・第一班の実力です!」


——轟!!


三秒後。


九条理人は中年男の足元まで吹き飛ばされ、全身を黒焦げにしたまま床へと突っ伏していた。


「強すぎる……勝てない……」

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― 新着の感想 ―
どんな顔してこいつらを見てたら良いのか困っちゃうよなww 人殺しの犯罪者なのに「良いぞ!もっとヤれ!!」って応援しちゃいそうだわ。
コントかな?
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