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6.0  作者: ただのアニオタ
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ガイラ・ノヴァナ

 2人は、持ち帰ったものを机や壁に立て掛け、昼食の準備を始めた。

 廃墟となった家を住処にしていて、台所には食器や食材の入った箱などが棚に置いてあり、作業場や敷布団やトイレといった必要最低限のものがあり、10人程度は余裕で入れる空間があった。


「エリアス、電気をつけてくれ」


 エリアスがスイッチを押すと、洞穴の天井にぶら下がっている電球に明かりが灯った。

 電力は外に付いているプロペラを回し、風力で生み出している。


 棚に置いてある箱を取り出して、食材をまな板の上に置く。


「食材も無くなってきたな」


 空になった箱を見ながら言う。


「明日は街にでも出向きますか」

「そうだな」


 残った野菜を1口サイズに切って、味付けをした簡単なものを昼食に出した。


「出来たぞ〜」


 2人とも席についたところで、両手を合わせて同時に「いただきます」とお辞儀をした。


「やっぱ美味しい、、」


 1口食べたエリアスが、何かを疑った。


「やっぱって、」


 慣れた口調で言う。


「だって、食材はこれしかなかったのになんでこんな美味しくなるのよ」

「そう言われても困るなぁ」


 エリアスはお世辞にも、料理がうまいとは言えない。このくだりを何回繰り返したのかわからない。


「おかしいわ」


 エリアスがロイを疑ったまま、この会話は終わった。

 真面目なのかポンコツなのか、よく分からんのがエリアスの謎に満ちた性格なのである。


 食事を終えたロイは作業場の椅子に座った。


「出来たぁ〜!」

「おめでとうございます」


 ロイはクレイコアと銃を組み合わせて、より強力な武器を作り出した。


「これで、もっと強いペフテも倒せるぞ!」

「……」


 エリアスは、何か考え事をしているのか、険しい顔で下を向いていた。


「ん?おい。どうした。エリアス」


 心配したロイが話しかけた。


「近くに生命反応が」

「てことは人間か?」


 こんな荒地に野生動物がいるとは到底思えない。


「はい。ですが、、妙な反応が」


 再び険しい顔をして、ロイの方を向いた。


「どう言うことだ?」


 それに応えるように、エリアスと顔を合わせる。


「ペフテかと思われます」

「人間とペフテか、、エリアスと同じ型か?」


「いえ。オリジナルかと」


 クレイコアがあれば、誰でも自分でペフテを作り出すことができる。

 それを通称オリジナルと言う。


「個体数は?」

「人が1人の、ペフテが4体です」

「4体か、、、」


 コムニス2体相手でもエリアス任せだったと言うのに、その2倍のペフテと戦うとなると足を引っ張ってしまうに違いない。


「あまり、戦いたくないんだよなぁ」

「様子見程度に行ってみませんか?戦う気は相手にもなさそうですし」

「そうだなぁ」


 エリアスは聴覚や視覚など、五感がとても優れており、周りの気配を察知できる。高性能にも程がある。




 2人は、エリアスの感じ取った気配の場所へ行った。

 瓦礫の山の上からひょっこり顔を出して覗いている。


「なんなんだあいつら」


 真ん中に立つ男を囲むように、4体のペフテが立っている。やはり、エリアスの言っていたことは正しかった。


「見た目はコムニスですが、オリジナルのようです」

「そうだな、、そして主人はあいつだな」


 身長はロイと同じぐらいで、歳もほぼ同じくらいであろう。服装も武装しているわけではなく、黒のズボンに黒の上着、背中には長く鋭い剣を背負って、黒く黄色の1本線が入ったマントをつけている。


「見るからに怪しいな」

「まぁ、、否定はしませんが、、」


 どこからどうみてもThe不審者のような姿をしているため、流石のエリアスも予想が外れてそうで少し悲しがってた。


「で、どうするんだよ」


 あんなものを見てしまった以上、後に引くこともできずエリアスに相談しようとすると、4体のうちの手前の1体に気づかれてしまった。


「ダレカイル」

「やべ!逃げるぞ、エリアス!」


 後方を見ずに一目散で走るが、あっという間に追いつかれ周りを囲まれてしまった。


「お前ら何者だ!」


 怪しい視線をかけながら言った。


「俺はガイラ・ノヴァナ。怪しいものじゃない」

「いや、どこからどう見ても怪しいだろ」


 ロイはガイラの服装をじ〜っと見ながら言った。


「いや、これはかっこいいから着ているだけで」

「コイツノイタイシュミナンダ」

「ユルセ」


 ガイラが連れるオリジナルがそういうと恥ずかしそうにガイラは下を向いた。


「なぁ、エリアス」

「はい」


 ガイラ達に聞こえないように後ろを向いてひそひそ声で喋り始めた。


「服装も趣味って言ってるし、怪しいものではなさそうだぞ」

「そうですけど、、、」


 疑いが晴れていないのか、まだ怪しんでいるエリアスにロイがとある提案をする。


「じゃあ、あいつらにここへ来た事情を聞いてみるにはどうだ」

「まぁ、それなら」


 エリアスの承諾を受け、声を整えて早速質問をしてみる。


「ここへ来た目的はなんだ」


 思っていたものと違ったのか、ガイラは戸惑いながらも真面目な顔で言った。


「動物型最高位ペフテ、ギュスターヴの討伐だ」

読んでいただきありがとうございます!

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