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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

語彙力のないオタクvsデータキャラ【1000文字未満】

作者: 平之和移


 【機関】に命令されてやってきたのはショボい公園。ここに敵の能力者がいるらしい。オレは下っ端ながらメキメキ成長中だ。今回もあっさり殺して、ボスの覚えをよくしてやるぜ。


 オレは【機関】のエージェントたちの戦闘データを分析・統計化・AIによるシミュレーションすることによって無敵になった。今では相手の言動から能力を当てることだってできるのだ。


 公園には女子高生が2人ベンチにいる。眼鏡の女と金髪の女。楽な仕事になりそうだ。どっちが能力者かなんて一瞬で理解した。眼鏡の女だ。【機関】に狙われる能力者はみな挙動不審なのだ。


 オレの接近に気付いた眼鏡が立つ。オレを見る。


「なんですか」


「とぼけなくてもいいぜ。お友達を家に帰しな。学生時代に死体を見るとトラウマになっちまう」


「なんのことですか」


 バカめ。こいつはすでにオレの能力、処刑蜘蛛(スパイダー・ウェブ)の手の中だ(能力名はオレ命名。かっけー)。能力の使用を感知すると、周囲の物体が能力の使用者に殺到する。最強だ。


 わずかな沈黙だがそれは不本意。敵の能力は会話からも探れる。


「どうした? 能力を見せてみろ」


「能力?」


「そうだとも。最もお前はすでにオレの能力にはまっているがな」


「私がハマっているのは能力? じゃなくてケンタラなんですけど」


 ケンタラ? 何かの能力か。能力名を偽装に使うタイプか。思ったよりも策士だ。策に溺れさせてやる。


「ほう、ケンタラか」


「そうなんですよ!」


 途端に目を輝かせたかと思うと、そのケンタラについてやたらと話し始めた。男と男のカップルの話らしい。いや待て、これはただの欺瞞作戦、奴の真の能力はなんだ。


 それにしても……


「ヤバい」「死ぬ」「顔が良い」「尊い」「死ぬ」


 ケンタラについて語るとき、この用語が頻発した。おそらく、能力のキーだ。そうなると今、オレは危険だ。すでに能力が展開され、首に鎌がかかっているかもしれない。


 ならば先手必勝。罠にかかる前に、奴を殺す!


 処刑蜘蛛(スパイダー・ウェブ)を起動する!


「ぐぇ」


 だが、周囲の物体が眼鏡を襲うことはなかった。それよりも早く、何者かに首を掴まれた。


 使役系の能力者か。そして、それを発動しているのは眼鏡ではない。


 金髪の女だった。


 首の中の血管が切断されていく……

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