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一風変わった婚約破棄

悪役令嬢との婚約破棄

作者: BrainOfKeios

城の大ホールで開かれていた卒業パーティ会場でその事件は起こった。


「俺は、公爵令嬢ミネラとの婚約を破棄する!」


「王子…なぜ?」


「私は真の愛に目覚めたのだ。」


「え?愛・・・?」


「そうだ愛だ!」


「婚約破棄をして、どうするんですか!!」


「公爵令嬢との婚約破棄後は、カモン男爵家の令嬢と婚姻をする予定だな。」


「その令嬢と結婚するために私と婚約破棄をするんですか!!」


「いや話は逆だ!」


「逆?」


「そうだ、公爵令嬢との婚約を破棄する必要が出て、代わりとして急遽男爵家を選んだだけだ」


「なぜ?あとなんでこんな晴れの舞台で、せめて別の場所で・・・」


「それはだな・・・」

影から執事服の男が出てきて王子にいう。

「殿下準備ととのいました。」


「よし、それでは対魔神用超大型積層能力封印結界魔法陣発動!!」


柱の陰に隠れていた、神官服の男たちが祝詞を唱え始める。


「バ、バレていたのですね・・・」

令嬢が逃げようとしたが、会場を出る前に会場が光り輝く結界に覆われ逃げることができない。


「甘い!なぜこの場にしたと思う?神官が大量にいても、会場設営のためにという理由でお前にはバレにくい!!お前が逃げようとしても、積層型魔法陣を敷くのに適したこの会場であれば、逃げ切る前に結界を張り切れるからだ!」


「いつの時点でバレたの?」


「お前が令嬢と入れ替わってからすぐだ!」


「なぜ?」


「入れ替わるまであのバカは、俺のことをクズだのバガだの言うは、俺の方が年下ってことで奴隷のように扱われていたんだぞ!!」


「え?」


「階段から突き落とされるは、城の尖塔から落とされるは、真冬の池に落とされるは、極寒の海で船から突き落とされるは、極大魔法の的にされるは、致死量の100倍を超える毒を食事に仕込まれるは」


「ちょっと待て、それ殺意ひどすぎない?」


「まだまだあるぞ、靴にカミソリを仕込まれたり、文房具を肥溜めに投げ込まれたり、お弁当の中身をロウソクでできた偽物に入れ替えられるとかのよくあるいじめもあるぞ」


「いやいやないでしょ?」


「そう、そんな令嬢がいきなり普通になったら疑わないか!」


「まあ、そうですわよね、それは私でも疑います。」


「そうだろう」


「ところでなぜ封印魔法陣ではなく、能力封印魔法陣なの?それどころかここまで用意していたら我を滅ぼすところまでは行かずとも、一時退去はできるでしょうに!!」


「それはだな、俺がお前を好きだから!!そして、話し合いをするときに逃げられないようにするためだ!!」


「え?」


「簡単にいえば、お前と婚姻を結ぶためだが?」


「だってさっき婚約破棄って」


「さっき言わなかったか?公爵令嬢との婚約を破棄するって」


「え?男爵令嬢と結婚と・・・」


「ああ、偽の公爵令嬢を、いや平民を自家の養女にするなら、男爵家くらいの家格でないとダメでな」


「え?」


「お前はこの後男爵家に養女に入り、俺の嫁になるのだ!!」


「え?え?え?」


「流石に偽の公爵令嬢と結婚というのは体面上まずいし、正規に結婚するにはこれしかないのだ。」


「なんで私を?」


「お前に入れ替わってくれてから、いつ殺されるのかという恐れから解放され本当に助かったのだ!!」


「いや、幾ら何でも殺しにかかったら、捕まえられるのでは?」


「あの公爵令嬢の能力をお前は知ってるな?」


「聖女ですよね?」


「ああ、神の代弁者たる聖女だ、だから彼女を止めることは、我々にはできない、だれも止めれなかったのだ!」


「・・・」


「そこに彼女を止めることができ、気立てのいい娘がいたら惚れるのはあたり前だろ!!」


「・・・」


「というわけで、このわが国の国民となるための申請、男爵家への養女申請のための書類、

新たな婚約のための書類に順番にサインをするのだ!」


「いや私、邪神ですよ」


「かわいいし」


「すごい魔力ありますよ」


「それはすばらしい」


「聖女を害しましたよ」


「それが最も素晴らしい。」


「他の貴族が文句を言いますよ」


「そうか?皆の者?」


「祝福いたします!!」

「あの聖女の猛威から助けてくれてありがとう!!」

「あの尻がいい」


「なんか変なことを言った奴がいるが、この通り皆祝福してくれてるぞ!

というわけでさあ結婚だ、結婚して王妃となりこの国をあの聖女から守ってくれ!!」


「私この国を乗っ取りに来たんですよ」


「乗っ取ってどうするのだ?」


「私の故郷から移民を・・・」


「なら普通に移民をすればいいではないか?」


「え?」


「だって皆魔神族ですよ?」


「悪事を働くのではないんだろ?」


「ええ、まあ」


「なら、やればいい」


「・・・」


その後、王子と元偽公爵令嬢は結婚して幸せに暮らしましたとさ。

え?本当の公爵令嬢はですって?移民してきた魔神族の総力をあげて

公爵令嬢がこの国に入れなくなる結界を立て追い出しましたとさ

めでたしめでたし。


この聖女って扱いに困りますよねぇ・・・・

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― 新着の感想 ―
[良い点] 偽物が聖女と入れ替わったと思ったら本物の方がロクデナシだった そりゃ種族の差くらい飛び越えて惚れますわ と納得の良いお話でした
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