第47話 ナスターク帝国の覚醒(目覚め)
はじめからおかしいと思っていたのよね。けどね、そういうことだったとは思いもしなかったのね。
『この国には大ホラ吹きがいます。その人に国中が騙されてるいます。その人は……の元一員です。』
なんて言われなかったらね。
「ハンカチなんて要らないね。あんたからなんてね。」
そのハンカチを見てね確信にね変わったのよね。
あなたがねどこの騎士でねどこの一員なのかをね。
「なぜですか。」
「はぁ、あんたよね。この国のこの異常なまでな警戒を作り上げたのはね。」つまりね……。
「な、なにを言っておられるのですか。」
「あんたはこの帝国の王を殺したのは緑だっていったね。でもね、緑にはねできないと私は思ったからねリカトが殺したと言うのは正解だと思っていたのよね。でも、あんたは言ったね。緑が殺したってね。なんでそう思ったのね。」
「そんなの愛ですがなにか違いますか。」
愛ね、愛でもね。殺せない人は多いのね。その人を知ってるからね。
「愛ね。それはね、あり得ないんじゃないのね。正妻は緑よね。そして側室にハレンという人がいたはずよね。その人はメイド長だったのよね。そして緑はメイドなんかじゃなくて正妻なんだから王妃だったはずよね。間違えてること言ってないよね。」
「・・・。」
「そして側室であるハレンに子供ができたのよね。その子は……「しゃべるな!」」
覚醒者の子供だったそうね。魔女子って呼ぶのが相応しいほどにね。
「知ってるってことね。あなたがね……なぜね、イサナ以外のもう一人の内通者さんね。」
「そうか、あんたはそれをレバナから聞いたのか。……おい!レバナを監獄行きにしろ!いや、今すぐここに連れてこい!早くしろよ!」
「それがあなたの素の姿ですね。」
「それがどうした。」
「!……以外とあっさり白状するのね。少々拍子抜けですね。」「どういうことだ。」
「いやね、そんなに怒らないでよね。私はね、教えてほしいのよね。なぜあなたがね、ハレンの子供を知っているのかをね。」
「それは……。」
「なぜね。」
「そんなの貴様に関係ないだろ!」
「それもそうね。なら話題を変えましょうね。なぜ私を助けたのね。あのタイミングでね。」
「決まっている。」
「本当はね、あんたがサキちゃんを連れてくる予定だったんじゃないのね。レバナに命令してね。サキちゃんを殺すためにね。」
なるほどね、サキちゃんが危険人物だからね……。
なおさらね、ここにつれてきてどうするつもりだったんだろうね。そういうことじゃないのねレイジェスト団長ね。
「なぜサキを殺すと思った。」
「それはさっきいったね。覚醒者をね。あれを見たことがレイジェストあんたがあったからね。」
「クククックッハッハッハッハッハ!」
「・・・。」
「それならお前らはどうなんだ。ナタレよ。」
「私はね、その覚醒者ね。生まれたときにね発光する覚醒者ね。」
「くっくっくっはっはっはっはっはっは。面白いことをいうな。おまえが覚醒者か。しかし納得できる。ラプオビで覚醒者を見つけたといい、保護したのだからな。そんな貴様はなぜそんなことをしたのだ。覚醒者をなぜ保護したと言うのだ。あの聖地で。」
「聖地ね……あそこがね……。あそこはただのクズの溜まり場だろうね。いやね、違ったねごみ溜めだね。あんな場所ね。」
「ふざけるなよ!貴様!聖地を侮辱するとは覚醒者だと言うのなら恥を知れ!あそこは貴様ら覚醒者を産み、育む《はぐくみ》場所であるぞ。貴様ら覚醒者にとっては楽園とも言える場所だろ!」
「楽園ね……あそこがね……どこがね。楽園ね。ただの実験施設じゃないね。毎日毎日ね覚醒者の体をいじくり調べ人間に覚醒者の肉を摂取させ覚醒者にするそんな場所が楽園ね……笑わせないでよね。」
「そうか、私はここで見たぞ。覚醒者の子供をまるで虫を見るような目で見る親とその手下達を。」
「そうね。……もういい頃合いだと思うけどね。」まだね……。
核心はついたと思ってるけどね。
「どうした、ナタレ。」
「それは私の台詞ね。その覚醒者をあなたはどうしたのね。」
「そんなの決まっている、あの方に捧げるためにクククックッハッハッハッハッハ。」
なにがそんなに笑えるのね。
「あの覚醒者か。なら食っちまった。今はもう出しちまったがな。クククックッハッハッハッハッハ!」
「そうね、もういい頃合いだと思うけどね。」
ガラッっと扉が開いた。レバナを連れた黒装束をきた二人の女と共に「お話中に勝手に失礼いするです。レバナを連れてきたです。」
「……ふむ、よくやった。レバナ、覚悟しておれよ。とでも言うと思ったか今入ってくるとは……なにをしている!考えろ!」
「ふっ、覚悟、考えろですって、それは貴方ではないでしょうかレイジェスト様。」
「なにを……。」
怒りで赤く輝く瞳がレイジェストの顔面を捕らえた。それは蛇に睨まれた蛙のように静止したレイジェストの顔面を一発殴った女の瞳だった。
「これでスッキリしましたか。ハレンさん。」
「ええ、あなたも殴ればだけどね。」
「それは……ご遠慮頂きたいところです。先ほどアサナさんに死にそうになるほど蹴られたばかりですので……。」
「そうなの。ならいいじゃない。一回殴られるぐらい。」
「ああなりたくはないんです。あの人は結構鍛えてるんです。私みたいな研究熱心なだけの物には不可能ですから。」そんなこといっても無駄だと思うね。緑ね。
「ふーん。あっそ。殴らせてもらう。」
「いったーーいです!う、うわーーーん。いたですーー。ハレンさんあんまりですーー。」
「手加減したさ、そんなに痛くないだろ。」
「痛みをそんなに知らないやつからしたらそこそこいたいと思うけどね。」
「悪いね芝居をさせてしまって。」
「いいね、いいね。レバナに聞いたときはちょっと驚いたけどね。」
「そうかい。どこが驚いたんだい。ナタレさんが驚いた所を聞かせておくれ。」
「そんなのね、あなたがシェリフの妹ってことに決まってるね。」
「はっはッは、なんだい。アサナといいあんたといいそんなことに驚くのかい。」
「どう考えても妹って言うより姉にしか思えないからね。」
「それもそうだね。はっはッはッは。」
「そういえばねレバナ。そのね、アサナとサキちゃんはどこにいったのね。」
「あの二人は……えっとそのですね。」
「それは、私が言うよ。」
「えー。ハレンさんが言っちゃうの。」
「うるせえな。いいじゃねえか。」
「はーしょうがねぇ。緑が言えばいいだろ。」
「あの二人は面白いことをしにいったんです。そして、なんとですよ。その二人以外にもう一人一緒に行った人がいるんです。誰だと思います。ナタレお姉さん。」
「……そんなヒントが全くない状態でわかるわけないじゃないね。ねぇ、レバナ。」
「そうです、誰だか私も聞いていません。面白いことだって、面白いことではぐらかされたままです。教えてほしいです。」
笑い合ってるけどね。緑とハレン。レバナも知らなかったのね!それは予想外ね。
レバナが思い付いたんだと思っていたけど違ったんだね。
「教えねえよ。」「教えないです。」
「二人のケチ。なら、ヒントくらいいいじゃないですか。」
「それは無理だ。」
「なんでですか、ハレンさん。」
「決まってんだろ。」
「私たちそういうの苦手なの知っていますよね。レバナ。それを聞きたいのならこの作戦を考えた張本人に聞いたほうがはやいですから。」
「わかりました。そうします。」
「今連絡いれても無駄だぞ。」
「なんでですか。」
「なんでだと思う。ナタレ。」
「……イサナと会ってるからだと思うね。好きな人に会いにでも行ったんじゃないのね。」
「そうですね。なら、野暮なことはしません。今お楽しみ中だったら、可愛そうですから。イサナさんが。」
両方がだろ。両方ではないのですか。両方よね。
「おい、貴様ら……いいのかこの国の人間を全員殺すことになるぞ。」
「そんなことになるわけないじゃないのね。」
「そうだぜ、このクズが!」
「殴るのはいいですけど、殴る価値があるのですか。ハレンさん。」
「価値がなくてもサンドバックには使えるだろ。」つまり憂さ晴らしってことね。
「それでね、どうやってあの爆弾取ったのね。」
「あー、それ。元元そんなものないから。」
・・・「それ、どれくらい知っているのね。」
「今はどれくらいでしょう。そんなに多くはなかったと思います。」
「首に着けていたので元元バレバレだったのに今ではそんなもの着けていないのがその理由です。」
そうなんだね。ちょっと安心したね。ちょっとだけどね。
「それでね、こいつはねどういう風にね対処するのね。」
「……今考えてる所です。」
「ならサンドバックにするんでいいじゃねぇかこんなやつ。今までの憂さ晴らしだ。ちょうどいいじゃねぇか。」
「それはハレンさんに賛成です。でも、それじゃつまんなくないですか。」
「どういうこった。」
「いえ、なんでもございません。」なにかやべぇこと考えてやがるなこいつ。
緑のやつ怖いからなこの顔の時は。
「あ、そうでした。あの、要人のリストですけど誰が削除したんですか。」
「あー、あれはあたいだ。」
「ハレンさん!」
「そうだ。鬼貴に頼まれたんだ。消してほしいって。ナタレさんとアサナさんに協力してもらうためにだろうな。」
「なぜですか。この二人は行っても2ー2ぐらいですよね。」
「そうだな。サキさんは111ー1つまりは最上位の危
険人物ってことになるな。それでアサナとナタレだが、この二人はセットで21ー2になるんだ。」
「21ー2ってなんですか。緑さん。」
「21は要人。その2は要人の二組目ってことになります。」
「一組目は誰ですか。」
「案内人なのにそんなことも知らねぇのかよ。一組目は姉妹だよ今は二人ともいないっけどな。元はロダンだ。」
「そうなのですね。」「ああ、だから実質一組目はこの二組って言っていいがロダランペラトル荘興国の頂点はイレンだからな。」
「よく知ってるな。世代交代。」
「あー、それはアキリンに教えてもらったんだ。」
「そうだったのね。……ならね、真相もアキリンから聞いたってことね。」