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世界は一度終わっている  作者: 小松ちゃん
第二章世界樹 3節 ナスターク帝国とサキが進む道
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第45話 ナスターク帝国⑫アサナ、勉強と失敗


「これ首輪にしか見えないわよ。要らないわよ。」メイド長が、返せ返せって念を送ってるわよ。そんなものもらえないわよ。

「いいの~~もらわなくて~~サキさんを~~守るために必要なのに~~。」「もらうよ燈陽。」

「着けてあげる~~。」首輪を着けられる犬の気分……。


「はい完成~~。わ~~。」

「それで、誰を殺すのよ。」

「私を殺して欲しい~~。」

「……。」「アキリン!正気ですか!」



「わかった。行くわよ。」

「悪いけど~~私もアサナを殺すつもりで行くから~~頑張って共倒れにならないようにね~~。」

「そう、オチャラけたままでいてほしかったけど、わかったわよ。やりあいましょう。アキリン。」

「よろしく~~。あ~~その燈陽の使い方~~教えるね~~首輪を横一線に撫でれば使えるから~~。頑張って~~。」

共倒れなんて甘いのよ。アキリン。

首輪を横一線に撫でる。

ピキピキ、ビリビリ……。

「スーハー。アサナです。よろしくそして、アキリンさようなら。」

「はい~~初めましてバイバ~~イアサナ。」

そういうこと……アキリン。あと一時間ありがとう。


顔を殴ったけど撫でたようにかすっただけ……。アキリンさんは早い。

でも、私の中にアキリンさんが入ったみたいに次にどうするのか予知できる。

この首輪は、装備したものを触れたものの情報を全て読み込み吸収する。魔女の首輪……。


そして、読み込みが終了すると相手は消えてしまう。全てを吸収されてしまう。


アキリンはサキ様を知っていた。どこに来るのか、いつ自分を呼ぶのか……。これは、サキ様のために作られた魔女の首輪……。

なぜサキ様専用に作られたのよ。


私は今アキリンを仰向けにして押さえつけている。両腕を押さえつけているだけよ。早く脱出しなさいよ。

「サキ、アサナ。……主……様。さようなら……。」


サーと灰が風に乗って去るようにアキリンは消えてしまった。


この燈陽の首輪に……。



もう一度首輪を横一線に撫でる。今度は左から右ではなく逆の右から左に……。


すると目の前にはアキリンがいた。


「なにを~~して~~いるの~~!アサナさん!」

「……。えっと、ごめんなさい。みたいな。」

「はぁ~~、はは、ははっは~~。はっは~~はは。あ~~面白いな~~。」なにがよ。

「無知っていいものね~~。じゃあ~~、燈陽について教えてあげる~~。」


アキリンは燈陽について教えてくれた。すべての真実を……。


「外せないってどういうことよ。」

「いいじゃな~~い。そんな~~些細なこと~~いいじゃな~~い。」


左からは情報の収入と存在も吸収。

右からは存在の再生と消化。

首輪をはずすと寿命を半分戻す代わりに装着者を死亡させる魔女の装備。


そんな者着けないでよ!これが国宝ってなによ。おかしいわよ!


「なにをしているのですか。アキリンさんは……。その魔道具は国封(コクフウ)、国が認めた封印すべき物。

国印封印物なのですから、誰かに渡していいわけないじゃないですか。あまつさえなんですか、この方に装備し自分の存在を封印してどうするんですか!」


「いいの~~どうせそうする予定だったから~~。さぁアサナちゃん。」

ガチャンと音が聞こえて驚くアキリン!


「これをアキリンに食べさせればこれに封印されないってことよね。面白そうよ、アキリン。ほら食べてよ。」


そうして無理やり口の中に1㎝の褐色色の丸薬を入れられるアキリン。


「す、す……す。すごいでず。封印を解除してしまうとは思いませんでした。」


そう、そんなにすごいことなの、これ。

そんなことうより……。

下から上にやってもなにも起きないわよ。

斜めに……ないわよ。

外し方があると思ったのにわからないわよ。


「どうしたの~~アサナ~~。」

「アキリン、あなたなにか隠してたりしないわよね。」

「隠し事なら~~いくらでもあるよ~~。」


そうよね。アキリンならそうよね。

「アキリン、サキ様……なんでもない。ごめんなさいね。涙が止まらなくなっちゃったのよ。どうすればいいか教えてよ。」

「大丈夫よ~~アサナ~~サキちゃんは死んだりしないよ~~。アサナはどうだかわからないけど~~。」

「やっぱり私に何かしたわね。アキリン。」

「ごめんなさいね~~そうしないと~~そうしないと~~……いけ……なかったのよ~、よ~。

アサナのために~~。なにより……サキのために~~……いけなかったのよ~~。」


「はぁ、アキリンさんまで泣いちゃダメじゃないの。私まで涙を流さないといけなくなるじゃない。」

「私は、もう無理なの。アキリン。」

「……それはわからないけど~~もしかしたら~~の~~ために~~ね~~。アサナが~~いなくなったら~~ナタレの負担が~~大きいから~~。」

涙を拭った。そうよ、サキ様は大丈夫よ。ナタレがいるじゃないのよ。

そして、なにより…………「アキリン、いえ、アキリン様。ありがとうございます。」


「ところでなんだけど……ナタレはどこにいるのよ。サキ様はここにいるのにナタレがここにいないわけないわよね。……いないわけないわよ……ね。」

「いないよ~~。」「ここにナタレさんはいない。いるのは、ここにいるものだけ。」今の視線。もう一人いるってこと……。えっと、視線にはこの洗面台の配水管が見える場所……。

周りの視線を確認して少し開いているそれを開く。

監視の目がありってことよね。これ、棚の取っ手に光り物が見えるけどあれはカメラよね、小さいわよ。あんなに小さいカメラなんてありなのって位小さいわよ。ほとんど見えない。というより、バレるわよね。なぜそんなところにつけたのよ。


「そんなに~~配水管を眺めてどうしたの~~アサナ~~。」

「ちょっと違和感があったから二重扉になっていたりするのと思って調べてみたのよ。結果はなにもなかったからちょっと残念よ。」


「そ~~それで~~アサナ。ナタレだけど、この部屋の~~向こうの~~向こうの~~部屋に~~たぶんいるよ~~。」

二つ奥の部屋にあるってことよね。


「そう、それで私と……。」


「サ、サキ様。サキ様!」

「ん、んー。」伸びをするサキ様。愛らしいです。サキ様。


「!、あの化物は。いないですか。」

周りを見渡してる。これは見つかってしまうわよ。


「そんなに~~あわてて~~どうしたの~~サキちゃんは~~。」

「化物がいたんです。いないです、それはよかったです。」

「そう~~化物~~。」

「なにか知っているのですかアキリンさん。」

「その~~化物より~~強くなってほしいの~~サキちゃんには~~。」

どうやったら強くなれるというのですか。

あんなのと……。


「はじめは、幻術幻覚を見えないようにすることです。なので教えます。」

「ちゃ~~んと~~聞くのよ~~サキちゃん。」

それぐらいなら楽勝ですアキリンさん。


10分後、「スー、スー、スー……スースー。」

サキは眠っていた。早い。


サキちゃんにはまだ無理なのかな~~。


「アキリン、今の話は真実よね。」

「そうよ~~。サキちゃんは見えなかったみたいね~~。」「難しいのよ。」



「そうみたいね~~。でも~~これ以上どうやって説明すればいいの~~アサナ。」

「それは……どうなのでしょうか。」


トビー症候群っていうのがいいわよね……。

「どうしたの~~アサナ。」

「サキ様に説明するときにどうやって説明すればいいかを決めてただけですわよ。」


「アサナさん、本当にわかったのですか。」

「ええ、わかりましたよ。」「説明してもらえますか。アキリン様が説明してくださるのですが、本人に聞くと違うと言うところが多かったのでアサナにさん、詳しく教えてください。」


……・・・……嘘よね。なんで、私なのよ。

まぁいいわよ。

「何が聞きたいのよ。」

「あいつの能力は幻術なのか、妖術なのかは、いいのですがあれが洗脳だと本人は言っていたのでよくわかりません。」

本人的には洗脳が近いわよ、 全く違うものを見せてるわけだから。

それも、脳に直接影響が鮮明に現れるようにフェロモンで操ってるみたいだから。

「洗脳って言った方がいいかもしれないわよ。フェロモンで相手の脳を操ってるよ。それなら、洗脳って言ってもいいと思わない。」チラッ。


「それなら、洗脳とも、幻術とも、なります。なら、どうやってフェロモンの効果をなくすのですか。」

「そんなの簡単よ。」

「そうなのですか。」

「…………そう……よ……ね……。」


・・・


「そうよ、簡単なことよ。フェロモンをなくすには匂いを嗅がなければいいのよ。」

「それは、その、通りでありますがそんなことでは不測の事態を防ぐのは無理ではないですか。」

「本当にそう思うの。」

「それはどういったことでしょうか。アサナさん。」

「簡単なことよ。水を被るのよ。」

「……理屈はわかりますがやはりわかりません。そんな簡単にとれますかフェロモンを。」

「それがいいのは確かです。空気に溶け込んでいるでしょうが水を被るだけでもそれ相応の量を摂取できなくなり影響を受けにくくなると言うことです。」精神力が強ければですが……。


「簡単かも知れません。行動さえ出来ればではありませんか。」「そうよ。だから、毎日体を清め続けることが必要と言うわけよ。濡れた状態を維持し続けるためにびしょ濡れのままであることが重要ってことよ。わかったかしら。」


「……アキリンさん、アサナさんがなにをいっているかわかりましたか。」

「ごめんなさいね~~、緑。聞いてなかった~~、何の話をしていたの~~。アサナ。」

アキリン、私の話を聞いていた訳じゃないなら、なにに首を縦に降ったと言うのよ。



「なんてね~~、聞いてた~~。アサナは全身に水をかぶり続ける~~、雨がふっていればいいってこと~~。」

「雨降っていても普通に効力ありましたけど。」

「少しは~~効果が薄まったり~~見えずらかったり~~する程度~~。雨が降っていた方が~~幻術は気づかれやすいから雨の時は使わないのが基本~~。そういう意味合いでなかなかつかみ所がないように思うけど痛みで幻術が解けるときはあるから~~。」相手が強者過ぎなければ~~。



「そう、なの。緑さん、いかがでしたか。」

固まっていますけどどうしましたか。

「緑ちゃん、そんなに簡単じゃないじゃんあいの!」

確かに……そんなに簡単じゃないじゃないのよ。

幻術を解くのは簡単じゃないのよ……。


申し訳ありませんでした。はい、幻術を解くなんて簡単ではありませんよ。そうよ……ね……。

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