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世界は一度終わっている  作者: 小松ちゃん
第二章世界樹 3節 ナスターク帝国とサキが進む道
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第41話 ナスターク帝国⑧ゼウト編 セレナとバッチ


「革命を起こして欲しいってことか。」

「はい!」力強く覚悟が決まった重い返事をセレナは発した。

「そうか。……サキは知っていたのかもな。ここがこんな状況にあることを。」

「そ……」言ったらサキさんの取り巻きになにをされるかわからないわ。怖いわサキさんが。


「なにか言いたかったら言ったらどうだジア。」

「どうなのかわからないわ、サキさんがここに来たいと言ったのはそんな理由じゃなくて来たかっただけかもしれないわ。ナスタークという奇跡の場所に。」来たかっただけかもしれないわ。


「そうかもしれない。それで姫よシェリフはいまどこにいる。」

「シェリフ今は……。」


どこにいるのかしら。

さっさといえよ、どこにいるんだ。そのシェリフは。


「シェリフがどこにいるかはわからりません。」


「やっぱりそうよね。わからなわよね。ははは・・・。」

「なにが面白いんだジア!」

「姫に聞いたってシェリフの居場所がわかるわけないじゃない。ナタレさんやアキリンさんじゃないんだから。」

「アキリンを知っているのかジアお前……。」

「あなた知らないの。よくローザ様と話していたわ。いつも真面目そうな話だったわ……最後にはアキリンさん謝っていたわ。今思えばたぶんそういうことよね……。」


「そうだったのか。……たぶんだけど、あの二人はこの匂いに感じていたのかもな。鋭いところは鋭いからあの二人。」

「敏感な二人だとは思うけどここはペルマム王国から離れているわ。革命が起きるなんて予感は無理なんじゃない。」

「かもしれない。でも、あの二人。どこか変なところあるんだ。特にナタレ。」

それは否定しないわ。

でも、ナタレさん。国のイザコザには参加しないわ。そういえばそういってたわローザ様が。


そして、アサナはナタレさんの忠実な部下だとも言ってたわ。

しかし、妙なのよね。

なぜ……違う国なのにそこまで忠誠心がアサナにはあるのかしら。


・・・


わからないわ。


「それで、ナタレとアサナは植物園迷路って所にいるんだよな姫。」

「そのはずですわよ。寄り道してるかもしれませんけど。」

「そうか。」「そうなの、わかったわ。ありがどうまたね。セレナ。」

「はい、ジア様。」




「…………ジア、植物園迷路ってどこにあるんだ。」

「あなたが知ってるものだと思ったわよ。知らなかったとは、おどろきだわ。」


「そうか、ジアがここの土地勘あると思ったけどわからない……か。」

「故郷ではあるけど、よく覚えていないわ。」


そうか。


どうするかな……案内人は嫌だしな。


「あ、あの~ジア様。」

「ん、どうしたの。セレナ。」

「お母様には会わないのですか。」

「セレナの、……どうしましょうか。」

「私の母ではなくてジア様のご両親に会いには行かないのですか……。」

「……」

「行かないだろ。」

「え!なぜそう思うのですか。ゼウトさん。」

「……。」チラッとジアを見る。

やっぱり睨まれた。ちょっと怖い。そして……。

それにしても、本当にいいのか家族だろ一様……。


一様聞いてみるか。火を見るより明らかだけど。

「いいのか、本当にいいのか。両親に会いに行かなくて。」

「ゼウト、わかってますわよね。」

「そうか、すまなかった。行きたくないならいい。それで、セレナの母ってどんな人なんだ。」

「セレナ、教えてあげて。」

「はい、ジア様。私の母はこの国の……女王様です。」

「王様いるよな。」

「いますよ。お父様でしたら……。」

なるほど……女王制……女社会……にしては男社会な気がするけどどういうことだ。

「どういたしたのですかゼウトさん。」


「あれは、ほっときましょう。セレナのお母様に会いに行きま……しょう。」

「行くのですか。女王に会いにジア様。」

「ええ、そうしますわ。いいわよねゼウト。」


「いいと思う。女王に謁見できるか。」俺は女王に会って泣かずにいられるのか……。

「さぁ、それはわからないわよ。でも、いいじゃない。行きましょうよゼウト。」

「行くよ。女王に会えればナタレたちにも会えるだろうから。」

敵としてってこと。……ありえないわね。


「どうやって女王の所へ行くのだ。」

「レンタルでいこうと思ってる。」

「それはやめてくれ。」

「いいじゃない。レンタルバッチぐらい。」

「住民になるのか。この国の。やめとけジア。」

「そんなこと言ったって仕方ないでしょ。不法侵入なんだから。」

あ、そうだった。

「なら、セレナに頼みに戻ろうぜ。」

「いや、お金はあるのよ。この国の銀行に。あなたのね。」ガクッ。俺の金かよ。

「ならダメだ。セレナにバッチをもらいにいくぞ。」

「はーい。」


「「セレナ。」」「助けて。」


「お二方、どうしたのですか。塔を出ていかれたのでもう戻らないと思っていました。」


「そうか、ジアと俺に観光用のバッチをもらえないかと思ってな。」


「なるほど、そうでしたか。少しお待ちください。」

セレナが机の引き出しを探している。今思ったけどここにあるのかバッチ。

「ないです。」

「ありませんよ。セレナさん。案内人しか持ってませんから。」

「そうでした。どうすればいいでしょうか。」

「どーーうーーぞーー、ふーーたーーりーーとーーもーー。」

「おう、ありがとうよ。デネデネ。」

「ありがとうございますデネデネ。」

「デーーネーーデーーネーーでーーはーーなーーいーー、デーーネーートーーリーートーーだーー。」

「はい。すみませんでしたデネトリトさん。そして、ありがとうございます。」

「よし、欲しいものはもらったことだしいくか。セレナのお母さんに会いに。」

「はい。ゼウトさん。」


二人が塔を出ました。

そして、やっとゼウトの案内人のデネトリトの言葉を聞く。

「セレナ姫、今渡したのは面会用ですよね。とのことです」と秘書から聞く。こいつら亀人から私は聞けない。


「そうよ、なにかおかしなことある。私のお母さんに会いに行くのよ。」

「それならば、間違いではありません。とのことです。」

「そうか、もう案内人は必要ないがどうするのだ。デネトリト。」

「……どうすればいいのでしょうか。とのことです。」

「次のお客様の元へ行けばいいのです。」


「はい、わかりました姫。ですってよセレナ姫様。」

「亀人に姫と呼ばれるわけないです。」

言いましたよ。デネトリト。




「着いたわ、ゼウト。」まさか、歩くとは思わなかった。バスで来るかと思ってた。

「また塔……嫌だ……。」

塔に女王が住んでるのか。城に住んでいないのか。残念だな。また階段上がるとか嫌だぞ。

「なにぼさっとしているの。行こうよ、ゼウト。」


「……わかった。」はいはい、行きますから。

はいはい。


「止まれ!」


「ちょっとゼウト。死ぬ気。」

「……ありがとう。ジア。」危なかった。目の前にもう剣の刃先があった。殺されそう。危ない。


「何者だ!」

「セレナの紹介で来たジアという者です。この冴えないこがゼウト君。」

「目的は。」

「女王との謁見です。」

「……セレナ様の紹介と言うのは本当か。」

「案内人がいないのが証拠じゃない。」

「……ふー、そうだな。上に確認をとる待っていろ。」

「はい。」

セレナの紹介……誰だセレナって。そんな知らないやつの紹介のやつが案内人の監視を付けずにいられるだと。ふざけるなよ、革命化め。


「ねぇ、ゼウト。どうしよう。どうしよう。」

「女王に連絡いっていないって言いたいんだろ。大丈夫だろ、そこら辺はなんとかなってるだろうから。」

「セレナがってこと。」

「そうだ。」


「上に確認をとった。しばらくここで待ってもらいます。申し訳ないですが。」

連絡などとってはいない。

「はい。」


ジー!「……。」


ジー!「……。」



ジー!

「ゼウト、門番の人が可哀想だよ。」


「わかりました。」

ふてくされてるゼウト。こういう姿も好き。

ふふ……。


早く来てください……。ここにいるの、ものすごく切ない。早くこい監視局の……。


「ゼウト殿、ジア殿。少々話をさせてもらってもよいか。」どうしたんだ。なにを話にいっているんだ。放っておけそんなやつ。

「いいわ。」「いいけど。」


「君らは、セレナ姫とどのような関係性ですか。」

「私は友達。」「俺は案内人に案内された。」

「なるほど。」竜宮塔に迎えいれさせて姫に会わせるほどのお偉いさん。大丈夫だろう。シェリフさんがいないからよくわからない。リストもないからわからない。大丈夫だろう。


「どうぞ、お入りください。ジア殿、ゼウト殿。」お前、なにを言っているんだ。いいわけないだろ。そんな怪しい二人。


「お、おう。」「よろしく。」

いいのか、この人が審査で……。


俺が見つめてた門番がおれを見つめてる。

いや、あれは睨んでるって言うのか。


扉を開けて塔の中へ入った。


「トイレに行きたいんだが……。」

「待てないのか。」

「待てない。」チラッとジアの方をみる俺らをここまで連れてきたこの塔の案内者。

ここの一番奥か。

……トイレすんだぞ。


案内者の後を付いていく、階段を上り右の二つ目の扉を開いた。


「ここでお待ちください。」

「ここは。」

「貝城よゼウト。」

「はい、貝城です。ジア殿。こちらで少々お待ちください。」へー、ここ貝城っていうんだ。貝塔ではないんだ……。じゃないから。

「そうじゃなくてなんのための部屋かだ。」

「なにいってるの。ここは、トイレよ。頼んでたでしょ。」

「絶対に違うだろ。下の階の一番奥の扉の右だっていってただろ。」

「あ、すみませんでした。それだと女性用です。その隣でした。」

「え。」「え。」「まさか、入ったの。」

入りました。個室しかないのおかしいと思ったけどそこまで不思議に思わなかったから。

「そうですか。……プ、ふふ、私がふふ。間違えたので、ふふ、笑っては失礼ですね。ふっ。」

絶対にそうは思ってないよな。


「そして、この部屋ですが待機室です。」

「そうなんだ。」謁見か緊張するな……。

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