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世界は一度終わっている  作者: 小松ちゃん
第二章世界樹 3節 ナスターク帝国とサキが進む道
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第40話 ナスターク帝国⑦ゼウト編 対策室


「ジアさん」

「スッキリしたか。 」

「……ジア様。落ち着きましたか。」


「ジア。」ジアの唇に唇を合わせるゼウト。


「そうだったの…………思い出した……。

私が最後の守護者になるところだったんだ。でも、私がなった方がキースよりもいいんじゃない。」

ジアがなったら壊れるって言われて二人のどちらかがなれば余裕ができるなんて言われたらやるに決まってんだろ。


あの二人……なに考えてたんだよローザ。


「かもしれないけど……知って……そっか、だからジアじゃダメなのか。」

「なにが分かったの教えて。」

「ジアはアサナに知られてないだろ。」

「ええ、アサナ様にはお会いになったのは数回だけでした。」

「なら、サキとナタレはどうだ。」

「サキ様とナタレ様は一度も会ったことは……。」


「それが理由。守護者はサキかナタレに殺される運命にあるんだ。その守護者が知らないやつだったらどうする。ジアなら。」

「切り捨てる。」

「そう、その判断が用意にできるからローザはキースにしたんだ。」

余計にわからなくなったけど。どういうこと。

それならなんで、イースじゃないの。

サキかナタレが知ってるのは……知りすぎてると選択の余地なくやめる選択をとる……。


でも、キースが守護者に就任することになる意味がわからない。今言ったことは二人は知らないはずなのに。

「イースがなるよりもキースがなった方がどちらかを選ぶ選択が迫られる。そして、責任が強くなる。知らないより知っている方が……。」

「サキとナタレがキースのこと知っているの。」

「わからない、でもどうしてそんなことをゼウトが知っているのか気になる。」


「その答えは簡単だ。」

「教えたんだ。ローザさんが俺にな。」

「ローザさん、教えたってどういうこと。」

「ローザさんはなんのために。」

「共有するためだそうだ。ローザの力は霊を出す力だった。それも自分の霊だけ。」


それは霊を出す力じゃなくて幻覚じゃない。

それ幻覚だと思うけど。

幻覚じゃないの、ゼウトさん。


「幻覚だと思った、だが俺も見たんだ。ローザの姿が薄いものを。例えるなら霊だ。そうあれはローザの霊だった。そして、そして、そして、その霊が見せたのは俺がローザをローザ…………ぐ……。」「殺したの。」


「違う!キスしてたんだ!」

「……。」

そう……でしたの。

「そうだったんだ。」

沈黙が流れる。


その時、ノックする音が部屋に響いた。


「セレナ様!」

誰か来たみたいだ。どうしたのでしょう。

誰か見たみたいだわ。

「どうしたの。入っていいわよ。」


失礼します。と言って部屋に入ってきた。


入ってきて一瞬ビックリしたみたいだったがすぐに真面目な顔に戻っていた。


変な光景なのによく平常心だな。

執務室に案内人がソファに座り、セレナもソファーに座っているのだ。

そして、ジアが執務机に居座っていて、俺はその側で側近のように立っているのだ。


一瞬で切り替えられるとはすごいものだ。

俺には無理だから本当にローザになってよかったと心底安心させてくれるほど異常な光景だ。


「どうしたのですか。」

「あ、はい。植物園迷路に入りたいというお客様がいるそうなのですがいかがすべきでしょうか。」


「植物園迷路……。

そんなの大丈夫だと思うわ。セレナはどう思うの。」

私が言っていいのかわかりませんわ。


「大丈夫です。植物園迷路は観光場所です。この国に来たのが二回目であればなんの問題ないから案内していいのよ。今は案内人に任せていたのにわたしのところまで連絡が来たのはなぜなのですか。」

「それが……サキという方も一緒に行くそうなのですがその方は一回目なのだそうです。」

「そうなの、サキさんは一回目だとしても大丈夫な方です。それで伝えてくれるかしら。」

「わかりました。」

入ってきた案内人は帰っていった。

チラッと俺たちを見てからだ……。


「サキさん、植物園迷路に行くんだ。それが目的だったってことだな。それで植物園迷路はどんな場所なんだ。」

「植物園迷路は始まりを教えます。そして、終わりを告げる場所になます。」


「サキがそんな場所のことだと知らないだろうからアサナかナタレがその場所に行くことにしたのだ。」

「きっと、そうですわ。」


「しかし、妙です。」

「どうかしたというのですわ、セレナ。」

「はい、おかしいところがあります。」

「なにがおかしいですわ。」

「そうだ、おかしなところなどないだろ。」

「いえ、おかしいのです。案内人に任せましたがこんなにも報告がないのはおかしいです。」

「なるほど、変だ。」

「変ってどういうことなのですわ、ゼウト。」


「報告がないのはおかしいだろ。俺たちが来て連絡が一度、サキさんのものだけ。そのなのありえないだろ。」

「そうですわしかしですわ。それは誰かが聞いて姫に教えるほどのことではないと判断したのではなくてですわ。」

そうですわ、この部屋は姫の部屋とは知っていましたわ。しかし本来の使用用途は姫の部屋なのかわからないですわ。


「それはないと俺は判断したんだ。サキのことを考えると、それでここはどのような仕様になっているんだ。」

「そーーれーーはーーこーーこーーはーーあーー んーーなーーいーーにーーんーーのーーちゅーーうーーおーーうーーしーーつーーにーーなーっーーてーーいーーまーーすーー。」

「案内人中央室とはどういうものですわ。」

「緊急対策室です。」

「緊急対策室とはなんですのですわ……。」大丈夫とは思えないですわ。

「それは、大変にならないようにする部屋だろう。」問題はないと思いますわ。もう終わったのではなくてですわ。

「そーーうーーだーー。こーーこーーはーーもーーっーーとーーいーーそーーがーーしーーそーーうーーなーーはーーずーー。」

「忙しいとはどういうことなのですわ。なにか理由があるはずですわ。そうですわよね、セレナ。」

「そうです、シェリフが優秀すぎるのです。私の仕事をシェリフが代わりにやってくれています。」

「そうだったのですわ。シェリフさんがやっているのですわ。わかりましたですわ。忙しいとはどういうことなのですわ。」

「……重要なお客様のリストが消えてしまったのです。これで国家間で溝が……できてしまいます。」

「そうなの、いそがないと大変ですわ。」


「その必要がほとんどないほどシェリフが優秀すぎるの!私は、シェリフの負担を軽減しようと王族ですがここに来たのです。王族のはみ出しもののようにされている私が役に立つと思っていました。しかし、それは甘かったのです。私は……役に立ちませんでした。ここに居座るだけです。」

「居るだけでも立派な仕事ですわ。そうローザさんは言っていましたわ。」

「そうだ、人がいるのといないならいた方が心に余裕ができるって言ってたぞ。ローザ。」


「シェリフ、誰。」

「シェリフーーとーーはーー、こーーこーーたーーいーーさーーくーーしーーつーーのーーかーーちーょーーうーー。」

課長。

「室長ではないのか。」

「そうなのおかしいわ。シェリフっておかしいわ。あなたもそう思うわよ。シェリフったら、ゴニョゴニョ。(姫様に忠誠を誓う身だから室長などたいそうな名は要らぬなんていうのよ。おかしいと思うわよねゼウト。)」

姫に忠誠か……。誰かに似てる。

「なるほどそうでだったのか……。それで、どうなんだ。」


「それでって、わからないの。ゼウト。」

「……そうだな。そうだろうな。それで姫様。」

姫様も気持ちは……そうなんだろう。

「へぇ。」私……に話しかけるのはまだだと思いますわよ。

「いや間違えたみたいだ、今のは聞かなかったことにする。」

「情けない声だしてたわ。セレナ。」ふふ……可笑しかったわ。

セレナ、顔が赤くなったわ、ふふ。


「それで、サキとかが早くこの国を出ないと俺も出れないんだけど……。早くしてくれないか。早く

……ラプオビに行こうぜ。」


……いい顔してるわ。ゼウト、とても……。


「あの、ゼウトさん。でしたら、ジア様と一緒にここの観光などしてくればいいのではないですか。」いい時間潰しじゃない。……か。そうか、ジアがいるなら色々見て回るのもいいな。


「ありがとう姫、ジア。行こうぜ観光しに。ジアも行きたかったんだろ。」

「ええ、それでねぇセレナ。」


「・・・」

なにかおっしゃるのではないのですかジア様。

「なんでしょうか。」

「案内人付けなくてもいいかしら。」

チラッと案内人の亀人をみるセレナ。

「……!」

どうしたらいいの。ジア様とゼウトさんのデート。邪魔な案内人……なら決まっていますわ。

「そうですわね、邪魔な案内人など無粋です。えーと名前はなんと言いましたか……。」

「デネトリトさんだよ!」

「デネトリトさん下がっていいよ。」

「しーーかーーしーー、わーーたーーしーーのーーやーーくーーわーーりーーはーー……。」

「はーーい。デネさん相手は姫よーー。」

ね☆。とデネトリトにウィンクして出ていった。アヤミとデネトリト。


「あの二人に聞かれたくない話ってなんなの。セレナ姫。」

「ごめんなさい!」セレナは頭を下げた。


「……!」

「なにしてるわけ、早く頭をあげて。」

「そうだ、しっかり言うべきことを言ってから謝るべきだ。そのあともう一度謝罪を求める。」


「……ゼウトあなたはここをどう思いますか。」

「窮屈で息もしづらい。信頼という単語が嫌いそうな国家(いえ)だ。」


……当たってると思いますが欠けています。嫌いそうではありません。

信頼という単語が信頼できない怖がりで寂しがり屋な国です……。


「そうですか。ジア様はどう思いますか。」

「私はそうですわね。気持ち悪いですわ。誰かに見られていて誰かにずっと後を終われていて落ち着ける場所がないですわ。窮屈で悲しいわと言ったところよ。」


「ジア様はそのように感じたのですね。お二人とも同じく居心地の悪い国と言うことなら、お願いがあります。シェリフを手伝っては頂けませんか。」

「シェリフを手伝うっていっても私とゼウトはシェリフがなにをしているかわからないわ。」

なるほど、重要人物のリストはそういうことか……。

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