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世界は一度終わっている  作者: 小松ちゃん
第二章世界樹 3節 ナスターク帝国とサキが進む道
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第35話 ナスターク帝国②アキリンと闇


「あ~~れ~~ここでなにをしてるの~~。アサナ、ナタレ。あとサ~キ~ちゃ~~ん。」

「「キャ!」」

「久しぶりね、アキリン。」

本当にアキリン来たねビックリだね。こんなに簡単に来てね……いいよね。


「アキリンビックリしたじゃないのよ。サキ様が呼んだ風に来たから驚きすぎて一瞬心臓止まっちゃったよ。死んでたらどうすんのよ。」

「びっくりしたです。」本当に来たです。ビックリです。アサナ言い過ぎです。そう言ったらアキリンがかわいそうです。

「ふふっそれは~~ごめんね~~アサナ。でも~~サキちゃんに呼ばれたから来た~~っていうのはあるよ~~。」

呼ばれたから来たってアキリンに言われるほどなんてすごいですよサキ様。

サキちゃん……。


「久しぶり~~。それでなにをしに来たの~~。」

「あいつ、セヴトって誰ね。」

「え、なに言ってるのよ。ナタレ。あの人は。」

「なんの話ですか。」「アサナ。し~~それ以上は~~ナタレには秘密にして~~ね~~。」

なんで内緒なんですか。誰か教えてです。

わからないの嫌です。なぜだか私のためにナタレ聞いてくれた気がするです。


「はい、わかりましたよ。アキリン。」


「気になります。ゼウトのこと教えてくださいです。」

「知ってることがあるなら教えてね、アサナ。」


セヴトは王子、もちろん元よ。でもわかるよ……ね、ナタレ。

あなたは私のことはお見通しのはずよ。その事はアキリンも知っているはずよ。なのになぜアキリンにナタレは疑問を口にしたのよ。

そしてなぜアキリンは内緒にしたのよ。

王子ってこと以外になにかあるってことじゃないよねゼウト。

「ねえアサナ、ゼウトのこと詳しく教えてです。」

「……、は。……(ゼウトは王子よ、ローザ様の弟なのよ。)これでわかったサキ様。」


セヴトはローザの弟、なのよ。私とイレンの叔父になるってことになるのよ。親戚ってことよ。

とても、お母様とは三つ年下とは思えませんよ。二十ぐらい歳が違うと思うわよ、ゼウト若すぎよ。

ゼウトはキースの父親なのよね、とてもそうとは思いませんよ、お母様。


「セヴトがキースの父親だとは思えないわよね。」

「なんで~~それを知っているの~~ナタレ。」

「そうだったですか。」「なんでって違ったのね。」


「あってるわよ。」「そうなのね、確信がなかったからかまかけてみたのにね。」

やっちゃったよ、アキリン。アキリンどうするのよ。……もしかしてゼウトの姿が……。そんなわけないわよ。

「セヴトのことよりよ、このあと行く場所の方を考えるべきだと思うよ。」


「それ言われるとそうね。」

「どこに~~行くの~~。」

「植物園の迷路に行くのよ。考えようって思ったらって言いたくなるのもわかるわよね。アキリンさん。」

「え!植物園の迷路に行くの~~行きたくない~~ね~~。なら~~、会いに行くの~~。あの人に~~。」

「そういうことよ、アキリンさん。」

「そうね~~、あの迷路に行く~~ってことはそういうことよね~~。」

「そうね~~ナタレ。あれに行くってことは~~そういうことよね~~。それで~~サキちゃんはここになにしにきたの~~。」

「えっと……。その……。」

「うん。」


ナスターク帝国に来たのはソハギです。ソハギに頼みたいことが会ったから来たです。でも、ソハギが今ナスタークにいるかはわからないです。


「ソハギに頼みたいことがあったから来たです。あいつを殺すにはどうすれば……なにいってるです、そんなことしたくないです!」

「ソハギに~~サキちゃんは~~会いに来たみたいだけど~~二人はなにをしに来たのかな~~特に~~ナタレ~~。ナタレはなにをしにナスタークに来たのかな~~。」

「この国の初代に会いに来たのね。初代国王にね。」

「ナスターク王国国王に会いに来たですか。ナタレは。」

「そうね、ナスターク王国初代国王、ナスタ・カーク。」

「ナスタカーク様って英雄妃。」

「そうよ、英雄妃様よサキ様。それでなぜナスタカークに会いに来たのよ。ナタレ。」

「それは~~。」「自分で言うからしゃしゃり出ないでよね。」「はい、は~~い。わかってますよ~~ナタレ~~。」いいの~~ナタレ、それを教えていいの~~。


「ここで話すのは気がひけるから場所変えたいね。いいね、サキちゃん。」

「ここにもう少しいたいけど聞くためには仕方なさそうなのでいいです。でも、条件付きです。」

「どんな条件なのね。」

「ここにいる全員付き添います。案内人もです。それが条件ですナタレ。」


ここでいいじゃないですか。

慰霊碑、と祭壇があるです。ここは英雄の墓地。勇葬地、スジェヨン。

そして、始まりの地、元プラカト。

「ここでいいと思うです。」人多いですけどここがいいです。


「ダメね、ここは人が多いのよね。サキ様はここに来たかったね。もしかしてね。」

「そうだったのですかでしたら、教えてくださいよ。サキ様。」

頷くサキに驚きそう言ったアサナ。

「ここは、英雄の都と呼ばれた始まりの場所だから、始まりの六人を一度見ておきたかったから来たです。ナスターク帝国、後ソハギに会いに来たです。」

「そうだったのサキ様。」




「一言よろしいでしょうか。」

「一息ついたところだからいいわよ。どうしたのよ。」

「ここ、ナスターク帝国には、……いえ、もう世界のどこにもソハギはおりません!サキ様。」

「ちょっと、スピラ!そんなこと言ったらダメじゃない!わかってるの、自分の立場が。」

「わかってるレバナ。」自分の立場ぐらい。

俺たちはあいつよりしただと思われてる!そんなの耐えられない、あんな二、三年しかこの国にいない奴がなんで上級案内人になったんだ!あーー、もう。


「そうですか、しかしいないとは限らないです。この緋色の涙が黒く染まらないまでは……わからないです。」

「「「「緋色の涙!」」」」

緋色の涙。

「なぜあなたがそれを持っている!それは、あの人の……。」

「もらったそうよ。サキ様に持っていて欲しいって言って渡したそうよ。」


「そんな……。」

「そうなのか、でも……。な……。」

「どういうことね。レバナ、スピラ。」


「そういうことよ。ナタレ。」この娘《こ》も持っているということよ。緋色の涙をよ。

なぜサキ様に渡したのかわからないわよ。

邪《よこしま》な理由で渡したって案内人は思ってるでしょうよ。


「ソハギは生きてるですか!」

「生きてないね。よく見なね、サキちゃん。」


緋色の涙をよく見る。


「どういうことよナタレ。緋色に輝いているじゃないのよ。」

「影を作ってみなね。」

「「「え。」」」

「黒いけどそれがどうしたのよ。」

「影になっても輝くのが緋色の涙に使われている物の特徴ね。」

「もう、いないってことですナタレ。」

「そうね、そもそも緋色の涙をサキちゃんが持っていること事態おかしいのよね。」その緋色の涙を作れる技師がサキちゃんが言ったね、ソハギね。

ソハギは50年前の戦争で戦火に巻き込まれて死んだはずね。



「レバナ。母親がソハギさんに貰ったという緋色の涙を見せてもらってもいいか。」

「うん、いいよ。パパがなんでサキさんに渡したのか気になるから……ナタレさん!お願いします。なぜ……サキさんにソハギが渡したのかその真相を突き止めてください!お願いします!」


いきよいよく頭を下げるレバナ。


「……わかったね、見せてね。」


そう言うナタレを見て渋い顔をする二人。

「申し訳ありません!ここにはありません……。」


そんなことはわかってるね。案内人がそんな大きな装飾品をして言い分けないね、もう使い道がないいと思っていいものをそもそも持ち歩かないわよね。

「どこにあるね。」


「私の家にあります。……。」

「なら案内してくださいです。」

「そうも言えませんのよ、サキ様。」

どうしてと首を斜めに傾けるサキ様。

か、かわいい。と乙女になっているアサナ。

そんなアサナを呆れたね。と思っているけど声には出さないナタレ。

そんなやり取りを呆然と眺める案内人のスピラ。

レバナもかわいいとサキの可愛さに目を輝かせていた。

「私が説明します。サキさんに。」よろしいでしょうか。と言うように恐る恐るアサナを見るレバナ。

アサナは微笑んでいた。私の役割を取らないで欲しいものよ。と言わんばかりにね……。


しかし、案内人が自分の家を紹介しようとして、躊躇らっている理由を言うのであればそれは案内人であるレバナが言うのが必然とアサナはただ微笑むだけにとどまったのだ。


「私の家は、案内すべき地域の外にあります。そしてそこは……。」

「治安が悪かったりするのよね。」

「いいえ、治安はいいです。それが問題なのです。」

どういうことです。

なにを言っているのよ。治安が良いのにそれが問題ってなにも問題ないじゃないのよ。

それは問題ね。ただ治安がいいけどね、それが仕組まれたものだったらそれは治安がいいのではなくて恐怖心の世界だからいつ壊れるかわからないわね。


「治安が良いのは全ての場所を監視されているからです。そして、すべてにおいて審査が入ります。」

面倒です。そんな生活嫌です。

なるほどそれは治安がよくわよ。バカみたいに採点していったら悪いことなんてできないわよ。監視されてるのだから……でも、それって疲れて限界が来るわよ。その時はどうするのよ。


「監視しているってことよね。ずっとね。」

「はい、機械と言うものがずっと働いていてこの地域にいるだけで採点されます。そして、点数が20点以下になった場合は……。」

「殺されるってことですか。」「そこまえしませんよ。サキ様。もしそこまでの処分をするのでしたらここが聖王国なんて名前では呼ばないですよ。」


「そうですか。それで20点以下はどうなんですか。レバナさん。」

「……20点以下の人は勉強です。試験で百点をとらないと返してもらえません。ほとんど牢屋です。」


言葉を失うサキ様。


すごいわよね。最初に聞いたとき言葉を失ったわよ。そんな理不尽が通る世界があると知ったのだから仕方ないわよね。……でも、それはやり過ぎよ……。

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