第34話 ナスターク帝国①入国
ガコン!
大きい音に驚いてビクンと体を振るわせるサキ様。かわいいよ。
「サキ様着きましたよ。」
「ナスターク帝国着いたですか。」
「ええ、着きましたよ。ナスターク帝国。」
「俺だけ、ソリタゴ聖王国行ってもいいかな。」
「それでよかったら誰も来ないなのね。ここは絶対に来なくていいからなのね。しかも、来たら即捕縛されるからなのね。」
誰がきても一緒なのね。
「私は来るけどね、パラレ。」
「そうだったのなのね!」「私もナスターク選ぶわよ。」
「俺はソリタゴに行きたかったけどな。」
「へーそう。サカエルはソリタゴだそうよ、パラレ。あなたはどっちなのよ。」
「……みんな来たくて来たわけじゃなかったなのね。私はどっちでもいいなのね。
ナスタークは観光の街で景色がキレイなのね。
ソリタゴは食べ物が特にフルーツがおいしいなのね。」
「つまりどっちよ。パラレ。」
私がナスタークだと四人とソリタゴ二人なのね。ソリタゴだと三人ずつなのね。
私はソリタゴに行きたいけどフルーツ食べたいけどナスタークでも美味しいものは食べられるなのね。トコヌキがあるなのね。
トコヌキ:ココナッツほどの大きさのミカンのこと。
「重要。」「確認よ。」「あの二人とどっか行くよりサキ様とアサナ様と行きたいなのね。」
「だそうよ、ゼウト。行くわよ。リーダーはサキ様なのよ。ほら、行くわよ。ゼウト。」
「そうね、行くね。ゼウト。」
「行こうです。ゼウト。」
「そうなのね、行くなのねゼウト。」
わかった。行けばいいんだろ。
「後、ここからは歩きだからね。」
わかってるっての。いけばいいんだろ。
「面倒だな。」「どうしたのよサカエル。」
「なんで船こんな公園に置いていくんだ。確か船のまま帝国には入れるだろ。」
「サカエル、まずここは公園じゃなくて船着き場です。……駐船場ともいいます。中に入ってからだと特殊な服に着なくてはならないんです。」
あんな服着たくありません。
「そうですか、わかりましたサキ様。」
・・・
アーチゲートが見えてきたです。
そこには[ようこそ!ナスターク帝国へ!情報は力なり!]
「この情報はの続きって前は私どもにお任せあれって書いてあったわよね。ナタレ。」
「そうね、お任せあれって書いてあったね。今は力なりね。変わったね。」
アーチゲートには入国審査官がおり、終わったら案内人が付いてくるのよ。
それがこの国の規則なのよね。案内人は口実で本当は監視役なのよね。
しかも、危険な人や狂人に選ばれたら亀が付くのよ。
亀以外はほとんどが小動物の案内人なのよね。亀は絶対にある場所にしかいかない。
蛙が殺人鬼、国に有益な者はウサギが案内人になるのよ。
アーチゲートを抜けたサキ様とアサナとナタレ。
「案内人来たです。」
猫です、やったです。ウサギか猫が来て欲しかったから本当に嬉しいです。
「猫獣人ね、久しぶりに見たね。」
「猫獣人はここ以外ではお目にかかる機会がないのよね。」
猫獣人って奴隷化されていろんな所にいたのよね。
それが、この国の王様ナタム。
一万人の猫獣人の奴隷が解放されたのよね。
それ以来ここは奴隷禁止。しかも、猫獣人の故郷なのよねここ。あんまり知られてないけど。
「猫獣人、猫獣人、猫獣人猫獣人……。」
「あれ、セヴトはどこですか。」
「後ろの四人目ですよ。サキ様」
「そうですか。」一緒じゃなかったのですね……。
男と女でしっかり別れるのよねこの国。連れは一緒でもいいのになんでそこまで警戒するのよ。
一人ずつよ、サキ様とナタレちゃんは一緒のタイミングでできたからいいけど他は違ったのよ。
あ。
「ゼウトの番みたいよ。」
「ゼウトの案内人は亀人ですか。可愛そうです。」「「亀人!」」
「ずるいね。」「なんでセヴトが亀人なのよ。」
どうしてそこまで本気で羨ましそうに怒ってるんです。アサナ、ナタレちゃん。
次なのね。
「次の方どうぞ。」
「はいなのね。」
「お荷物拝見します、よろしいですか。」
「どうぞなのね。身体検査しないのなのね。」
「はい、させていただきます。」
……終わったなのね。つかれたなのね。
「サキ様、アサナとナタレどうしたのなのね。」
「ほら、ゼウトが亀人が案内人だけらしょげてるです。」
なぜナタレさんとアサナさんは怒っているのなのね。
二人とも止めといた方がいいのになのね。
亀人に連れていかれたらずっと盆踊りを見てなくちゃいけないのね。本当に嫌な役なのね。
亀が案内人になったら死ぬかもしれないのになぜなのね……。
「案内人が亀人でしょげられるなんて二人共すごいなのね。」
「本当にです。」
うっふん。と咳払いし猫獣人が注目を集めたです。忘れてたです。すみませんです。
「「私たちがあなた方の案内をさせていただきます。」」
「スピラと言います。「レバナと言います。よろしくお願いいたします。」」
「よろしくです。」「よろしくね。」「よろしくなのね。」「スピラ、レバナ。よろしく、お願いするわよ。」
「はい、よろしくお願いします。まずは、こちらへどうぞ。」
見えるのは山々を流れる川です。こちらへってどこへ行くのですか。
「まずは洞窟探検です。」
何が言いたいかわかったですか、あ!定型文ですか。なるほどです。……探検は嫌です。
探検いいなのね。探検ね。探検は結構よ。
「それ、絶対にしなくちゃいけないことじゃないのよね。前に来たときは探検しなくてもよかったわよ。」「探検は嫌です。」
「絶対ではありません。しかし、コースの一つです。嫌なら違うところからにします……。しかし、よろしいのですか。」
「なにがです。」
「探検していただくとこの国の歴史や地図が手に入ります。そしてこの国にくたら絶対いくべきオススメがわかります。洞窟に進まなくてよろしいのでしょうか。」
「そうね、洞窟もいいけどね、迷路に行きたいね。植物園の迷路ね。」
「植物園迷路ですか。本当によろしいのですか。」
「いいわよ。植物迷路いってみたかったのよね。」
「ねぇねぇ、アサナ。植物迷路ってなんです。」植物迷路ってなんですアサナ。
「どういたしましたかサキ。」
「植物迷路ってなんです。」
「植物迷路はこの国の長に会うための方法なのよ。」
ーー
「ちょっとお待ちください。」
あ、メダルよ。ということは最新版よね。
いいな、メダルってことは最新版欲しいのよね。
ーー
「そうですか、……え!この国の長!え、長。王様じゃないんですか。」
「そうよ、長よ。でも国は……帝国ですか。でも、王様じゃないのですか。アサナ。」
「そうよ、帝王様よ。でも、植物迷路に行けば代々のナスタークの王様に会えるのよ。」
へー、そんなんですか。ん、代々の……って凄すぎます!
「そうなんですか!先代どころか、まさか初代から会えるのアサナ。」
ーー
「……はい、はい。はい、そうでごさいます。はい、いかがすればよろしいでしょうか。」
ーー
「それは秘密ですよ。答えはあっちが終わってから説明しますよ。サキ様。」
スピラを指差すアサナ。
ーー
「もしもし、植物園迷路に行きたいと来訪者が言っておられるのですが今よろしいでしょうか。」
『少々待て。』
「はい。」
ブチッ。
ーー
そういえばですけどなぜ案内人二人しかいないのですか。
「ねぇねぇ、アサナ。なんで四人なのに案内人二人なのです。」
「それは私にもわかりかねますよ。サキ様。
スピラは電話中なのでレバナに聞いたらいかがですか。サキ様。」
そうですかスピラは電話かけてるです。
植物迷路に行くために連絡をとってるです。邪魔したらダメです。なのでレバナに聞くです。
「ねぇ、レバナさん。ちょっと思ったんですが……。」「聞こえてましたサキ様。案内人が私レバナとスピラさんしかいないことよね。」
そうです。とサキ様は返事した見てるだけで癒されるのよね。フフ。あ、レバナも癒されるわよ。かわいいわよね、サキ様。
「そのですね、二人しかいないのは、こちらの手違いでもあるの……。
アサナ様とナタレ様はもう一人が専属でお相手しておられるのです……が……。今日は点検するように言われておりまして、お二方が来たのですが、案内人の役職ではありません。点検もその方の代わりが今日は出払っていましたのでその方ともう一方がやっております。といった理由でですね、私たち二人となっております。只今、スピラが話しているのはそのお二方専属の案内人になります。」
へー、アサナとナタレって要人だったんですね。
今、改めてそう思ったです……。
・・・
プルルプルル
「はい、どうでしたか。」
『ビーチ。』
「はいぃ。どういうことですか。」
『あの方がおっしゃるには君が案内するお二方は大丈夫だそうだ。というより、それなりの方だ、頼むぞ!』
「はい、わかりました。失礼します。あ……。」
ブチッ「ありがとうございます。」
最後まで聞いてあげなさいよ。上司ならなおさら聞いておきなさいよ。
「ここへ来たの久しぶりな気がするね。」
「そうなの、ナタレちゃん。私は知らないわよ。」
うん、来たです。あの子に会いに来たです。
「来たことあるです。ナタレちゃんに連れてこられたです。」ここ怖いです。
「そうなのね。まぁ、いいね。これから会いに行く人は嫌いだけどね、嫌いなのはね疲れるのね。アキリンもいたらいいのにね。でも、どうすれば会えるのかよくわからないのがね、アキリンだからね。」
そうですか、アキリンさんっていがいと会いたいときに来てくれるです。
「そうかなですナタレちゃん。アキリンさんは来てほしいとお願いすれば来てくれるです。そんな親切なかたです。アキリンさん、ちょっといいですか。」
そんな軽く呼んで来たらなにを信じればいいのね。